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捕虜、ときどき聖女  作者: きなこもち
第2章
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にじゅう

遅くなりました……すみません……

私達は魔王城へと戻った。あの一件に巻き込まれ先に魔界に帰っていた魔物たちから色々聞いていたらしいリテアちゃんやグレースさんたちからとても心配された。


「大丈夫だったの?フィリナ。」


「大丈夫?怪我しなかったかしら?」


「大丈夫ですよ。」


私は笑ってそう言う。するとみんなはほっとしたような顔をした。


「でも、ボクも一緒に行けば良かったのよ。仕事なんてなかったらよかった。」


リテアちゃんの言葉にレッタリアさんも同意する。


「そうですわね。仕事なんてほったらかして一緒に行けばよかったですわ。そしたらフィリナ様を襲うような不埒者などわたしくしが殺して差しあげたのに。」


綺麗な微笑みを浮かべながら物騒なことを言うレッタリアさんに私は乾いた笑いしか出てこなかった。


「大丈夫だ。フィリナさんを襲った者は私がどうにかしておいた。」


へーそうだったんだ……って魔王様!?


後ろからゆっくりと魔王様が歩いてくる。そして私を抱き寄せると続きを話してくれた。


「奴らは逃げるのが下手だったみたいですぐに捕まえられた。少し話をしたあとすぐにあちらに引き渡しよ。」


なんだかすごく私を攫った人達が可哀想なことになっている気がするが私はそれどころじゃなかった。


ち、近い……。いい匂いする……。


想いが通じてからというもの魔王様からのスキンシップが激しくなった。抱き寄せたり、頬や額にキスしたり、手を繋いだりとそれはもう凄いのだ。嫌という訳ではないけれど、心臓が持ちそうにない。


「ま、ま、魔王様。少し離れて……。」


「嫌だった?」


「嫌では無いですけど……でもドキドキして……。」


魔王様は私の言葉に綺麗な笑みを浮かべた。


「では大丈夫だな。それと呼び方。」


「……ヴィア……様。」


恥ずかしくて顔を逸らす。この前魔王様……いやヴィア様から愛称で呼ばれたいと言われた。それから頑張って呼んでいるが恥ずかしくてまだ慣れない。でも、私がヴィア様と呼ぶと嬉しそうに笑ってくれるので早く呼べるようにしたい。


そんな私達の様子を見てその場にいた全員が顔を見合せてそれからにやりと笑った。


「やーっと付き合ったのね。ボク、待ちくたびれてたのよ。」


「で、どこまでいったのかしら?」


みんなニヤニヤしながら揶揄ってくる。私はそれにしどろもどろに答えることしか出来なかった。

ふとグレースさんが思い出したかのように言った。


「そういえば主様とフィリナがくっついて世界的に大丈夫なのかしらね。」


うーん確かにそうだな。場合によっては私は世界と戦うことに?


「それについては大丈夫だよ。」


とひょっこりセイ様が現れて言う。この人いつも突然来るんだよな。


「それぞれ仕事をちゃんとしてくれれば後は自由だよ。むしろ早くくっつかないかなってドキマギしてたんだから。」


ぱちんとセイ様が私に向かって片目を瞑る。なんだか無性にイラッときた。


「そういえばクロウ様は?」


魔王様がそう聞くとセイ様は凄く嫌そうな顔をした。


「仕事中。僕も抜け出してきたからバレたら怒られるんだよね。ってことで帰るね。」


お幸せに〜と言いながらふっと消える。相変わらず騒がしい神様だな。








セイ様が帰ったあとみんなはそれぞれの仕事に戻った。私は魔王様に呼ばれ魔王様の自室に来ていた。何気に魔王様の自室に入るのは初めてだ。


「フィリナさん、おいで。」


ソファに座った魔王様か両手を広げてくる。少し躊躇ったあとおずおずと魔王様の膝の上に座るとぎゅっと抱きしめてきた。


「フィリナさんは可愛いね。」


そう言いながら魔王様は頬や目尻、額にキスをしていく。そして最後にそっと唇を塞がれた。しばらく触れるようなキスを繰り返して唇を離すと魔王様はもう一度私のことをぎゅっと抱きしめた。


う、ずっとされっぱなしで悔しい。


仕返しとばかりに身体を離しずっと気になっていたことを口にする。


「ま……ヴィア様。なんで私のことさん付けなんですか?」


魔王様は驚いたような表情を浮かべ、すぐに微笑んだ。


「それは君がフィリナって呼ばれたいってこと?」


その悪戯っぽい笑みに心臓が早鐘を打つ。魔王様は私をそのままソファに押し倒した。魔王様のサラサラの髪が私の頬にかかる。


「フィリナ。ずっと思っていたことなんだが恋人の部屋に1人でくるなんて少し危機感がないのでは?」


魔王様の手が私の頬を撫でる。そしてそのまま下に下がって行き、私の胸元のリボンに触れる。と、ここで限界が来て私はぐるんと横を向いて手で顔を覆った。魔王様はクスッと笑って身体を起こし私の頭を撫でた。


「そこまではしない。君が慣れるまできちんと待つ。」


「……ヴィア様のすけべ。」


私が精一杯の悪態をつくと、魔王様は困ったような顔をした。


「何はともあれ、これで君にこれで良かったと思って貰えたかい?」


そんなことを言う魔王様。私は彼のほっぺたを掴んでそのままちゅっとキスをする。驚いている魔王様に私は思いっきり笑った。


「これがいいです!!」





読んで頂きありがとうございました。これにて完結となります。番外編を投稿するとか全然決まってないですが、これまでお付き合い頂いた方、ありがとうございました。いいねやブックマーク、とても励みになりました。

これからもちょくちょく作品を上げていきたいなと思っておりますのでお付き合い頂けると幸いです。

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