第6話 明応6年(1497)臨時収入
この作品は歴史的な史実とは別次元の話ですので、
全て私の妄想・非常識・変態の展開ですが今後ともよろしくお願いいたします。
朝孝(卜伝)に結果を聞きてみたら先日の怪我人騒ぎが効いたのだろう。
「そんな物が有るのなら試す価値があるな!」
という事なので塚原家に試作品を持って試してもらった。
(矢五郎、かなり前から構想して制作してたな~・・・息子が手の怪我をしない様に考えたのだろう~)みたいな目でみられ、
「その竹刀で小手を打ってみろ」と言い弟子に打たせる。・・・
小手に竹刀を当てても痛みはあるが骨が折れることは無い。これからの修練の事を想像して塚原様は空を見上げてなにやら考えて・・・・・・
「これは売ってくれるのか?」その問に
「竹刀12文(約1200円)、小手120文(約12000円)位の価格想定で特別価格です。後に練習用の面や胴、垂、脛当もつくります。」と伝えた。
一ヶ月後、2セットを道場に納入した。使用者の反応は高評価で、甲冑に比べ軽いが動きやすいし、木刀と違い当てる練習が出来る事が何より実践に役立つ・・・
前世の防具ですから当然の結果です。
練習で門弟の大ケガや死人が出ない訳ですから。木刀での練習より激しく安全に練習ができ、いいこと尽。
10セット以上注文で、5貫(単価500文)でどうですか?(単品600文)と営業をしといた。
数日後20セット注文を受けたので親父に材料の調達をお願いした。数日後に扱い易い材料が揃い毎回朝練の後に良質の材質で作業効率が上がり日に1セットを完成させるペースで制作でき、二ヶ月後、無事納品出来た。
今回は2割の儲けだ。親孝行なので、親父に全て渡した一ヶ月弱で2貫、臨時収入に親父は機嫌か良い。仕入れ以外無労働だし!
只し、機嫌いい親父をお袋が臨時収入の使いみちついて懇々と問い詰めて全て回収され、我が家のいつもの法則が発動していた。
ふてくされた親父を横目で見て・・・
「平和な我が家だな~」と心の中で呟き、その日は就寝した。
・・・ちなみに俺が全て制作している事を道場の連中は知らない。将来の注文に備えて自分以外が作れる様に詳しく説明書と図面を作り直した。
防具は見本在庫も必要だからコツコツと作る事にした。竹刀は多めに在庫を用意する予定だ。竹刀は消耗品なので修繕用も必要だから在庫多めにした。竹を大量に仕入れて乾燥させている。竹刀はもう一人の剣聖の上泉信綱が袋竹刀の考案者として伝わっているが、前世とは形が違うからゴメン!許してください。
多分貴方もこの存在を知って使う事になると思うよ。・・・・・
母は、兄の嫁と姉の嫁入りの資金とか話をしていた。兄は別として、姉は早いだろうと思っていたが、最近、近所のお宅で10歳の嫁をもらった。とか話が有ったから現実的なのかもしれない。前世じゃ犯罪だし、その記憶があるからどうも調子が狂う。せめて成長期が終わる頃に子供を授かる様にした方が母子共に良いと思う。
それに関連して医療がヤバイ、危険な民間医療が沢山ある。簡単に作れる薬は今のうち作ってレシピを書き止めておこう。材料の薬箱を用意しよう。
漢方薬の材料は沢山生えている。毎日集めれば出来る量も多くなるし、朝孝(卜伝)の所や卜部家の香さんや藤兵衛おじさんとかに届けてもいいし、後は格安で売れば良い。効き目は前世と同じから間違いなしだ。
生きる為の保険は必要だ。
誤字報告!大歓迎です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。




