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セレスショートストーリー

ムーン用のネタをifエンド内に組み込めませんでした。ごめんなさい。

「私、見た目変わっちゃったでしょ?声だって違うし……それでもいいの?」

 「……元のお前も嫌いじゃないが、今お前が満足していればそれがいい……」




 病室で頼れと言われた後、足掻き程度に二、三婚活のような事もしてみたが、ことごとくセレスに潰された。パーティではハイスペが狙うモブ女に申込む猛者はいない。そんなアグレッシブなら婚活パーティーには来ないか。

 終いには『お前ほど興味をそそる女は初めてだ。そんなおもちゃを俺が手放すわけないだろう?』というゲームまんまの台詞を抱きすくめられたまま耳元で囁かれて腰砕け。そのままお持ち帰りコースです。

 予想外に大事に扱ってもらった後、ベッドで私を抱きしめながらウトウトしているセレスに、今更感満載だったけれど、ちゃんと確かめておきたかった。

 この人、寝ぼけ中は正直者だし。明日の朝起きぬけというのもアリかもしれないけど、寝起きの彼の破壊力はね、私がダメなんです。以前懲りた。


「でも、かなり歳食っちゃったよ?」


 顔の系統は秋穂もえいこも遠くは無い。けれども十六歳女子高生から三十路は詐欺じゃ無かろうかと思うわけですが。

 セレスは答えずに私の頭にキスをした。そして、穏やかな寝息が聞こえる。


 嫌と言われても対応策は無いのだけれどね。そう思って私も寝た。


――――――――――――――――――――――――――


 次の日、朝ごはんの支度をする私の後ろにセレスは張り付いている。


「手際はいいな」

「『は』は余計。魔法使わないで料理してる期間の方が長いからね」


 ご飯、味噌汁、ほうれん草のお浸しとシャケの焼いたもの。冷蔵庫にあるからには好きな食材でしょう。


「……美味そうだ」

「うぎゃ!」


 低音で耳元で囁いたりするもんだからキッチンから出禁にした。家主だろうが知らない。調理中はやめてくれ。調理中でなくても不意打ちはやめて欲しい。

 向かい合って日本的な朝ごはんを食べていると違和感が半端ないけれど、そもそもセレスの今の家族のことすら知らない私達の関係はなんだろう?しもべとご主人様時代から違いはなさそうだなぁ。食事を終えて片付けている間もセレスは貼り付いていた。


「そういえば、昨日の質問に答えていなかった」

「はい?」

「年齢の話だ」


 あ、覚えてるんだ。それにしても食洗機便利。


「以前話した通りに受け取ってくれればいい」

「以前?」

「子供に興味はない。その点では今の方が色々とやりやすい」


 言われてみれば、初めて会った時にそんな事を言われたような?

 ということは何ですか、胸のサイズですか?お変わりないですよ。それじゃあ、熟女専ですか?まさかね。


「それに俺が惚れているのはそこでは無い」

「ほ、惚れ?あは、は。なんかセレスからそういう事言われるの斬新だねぇ」

「……くっ。なんだ、この程度でそういった反応が見れるのか」


 じゃあ、と言ってセレスは私を引き寄せた。


「もっと俺の女だという自覚をもってもらおうか?」

ありがとうございました。

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