5 襲撃
「おはよう!龍くん!」
「あぁ、おはよう、麻美、勇気。」
「おはよう、龍二。…あれ?うーん…。」
「どうしたの?勇くん?」
「いや、何か麻美と龍二の雰囲気変わった?」
「え?か、変わってないよ?」
「そうだな、何も変わってないが。」
「…そうかな。気のせいかな。」
いつもの3人で学校へと向かう。
「あいつだよ!あいつが浅井勇気だ!」
「なんだよ、人数集める必要ねぇじゃん。ヒョロガリじゃねぇか。」
「徹底的にボコりてぇんだよ!俺の女がアイツと付き合いたいからって別れるなんて言いやがってよ!」
「それはわかったけどよ?やっぱ人数いらねぇんじゃね?」
「浅井勇気だけなら人数要らねぇよ。問題は横に居る武田龍二だ。」
「…武田…龍二…?あ…あの武田か?!」
「そうだよ、中学3年の時、5人のチンピラと引き分けたって有名になった奴だ。」
「…そんじゃ、10人くらい集めるか?」
「あぁ、それ位居ねぇと安心できねぇ。」
「じゃ、放課後に集めとくわ。」
放課後になり、3人で帰っていた。
「麻美、今日皆でオンラインのゲームするんだけど、麻美もやる?」
「え?………ご、ごめんね?私はいいかな。」
「そう?楽しいのに。龍二は今日もジム?」
「あぁ、今日はジムで一番強い先輩がスパーリングしてくれるんだ。」
「うへぇ、何で殴り合いすんのにワクワクしてんの?」
「強い人とのスパーは楽しいぞ?」
「意味わかんないよ、ゲームとかならわかるけど。」
「ね、ねぇ、龍くん、今日ジムに見学に行ってもいい?」
「え?いいけど、麻美ってキックに興味あるのか?」
「ううん、キックボクシングに興味があるわけじゃないんだけど…。」
「ダイエットか?まぁ、効果あると思うぞ?」
「そ、そう…。」
「………ふーん、なるほどねぇ。」
「お前浅井勇気だな?3人ともちょっと面貸せや。」
何だ?コイツら。勇気が狙いか?何が目的だ?
………11人、そのウチ4人が道具持ちか。2人を逃がすなら………。
「勇気!麻美と逃げろ!!!!!!」
俺の意図を察した勇気が麻美の手を取り走る。
手を出すワケにはいかねぇ!!!なら出来るだけコイツらを足止めするだけだ!!!!
「イヤっ!!!はなして!!!」
!!!!!麻美!!!!!!勇気は?
麻美だけ男に捕まってる?チッ!!!!!!
麻美を捕まえていた男にタックルを仕掛ける。
ダメだ!!麻美は座り込んじまってる!!!!
麻美に向かって鉄パイプ?!!!ふざけんな!!!!!!!
ゴッ!!!!!!!!
「イヤぁ!!!!!!龍くん!!!!!!!」
麻美に覆いかぶさる。
「大丈夫だ、麻美。大丈夫。」
ゴンッ!!!!!!!!!
「龍くん!!!!!!もういいよ!!!!!龍くん!!!!死んじゃうよ!!!!!」
ガンッ!!!!!!!!!
「俺は強えんだ。大丈夫。麻美、大丈夫だ。」
ゴッ!!!!!!!!
流石に頭は狙って来ねぇか。なら耐えれる!!!
「龍くん!!!!龍くん!!!!!」
「おい!!!!!!お前らなにやってる!!!!!!!!!」
頭を上げると警官が走ってくる。後ろには勇気の姿も見えた。
「おい!!!!逃げるぞ!!!!!」
奴らは散り散りになって逃げていった。