ドレッドノート
ソレからの俺達はラボ送りだ。
例の機兵"ドレッドノート"の解析を行うんだとよ。
機体名は俺達で付けた。
何せデカいからな。
《ソリッド1。スラスター全開だ》
《了解。スラスター全開》
《計測した。ゾーンの約6倍。新造装甲をつけても重量比4倍はある》
《息が辛いんだが?》
《そこは魔力制御を訓練するんだな。魔力を無くす訓練など聞いた事は無いが》
普通は魔力を上げる訓練だろうに。
コイツは真逆を要求する。
《そういえば放熱フィンはどうなった?》
《新造しているが推定される原型には遠く及ばない》
《武装は?》
《鈍器か投擲武装を使うか増加装甲で機兵自体を弾丸に変えろ。この機兵の出力は6倍はある適う機兵は無いだろう》
《随分と投げやりだな》
《この機兵には魔法術式が一切ない。リアクターも恐らく別の理屈で動いている。全く別の技術ツリーの物だ。向こう側の物でもあるまい》
《解析は?》
《全く不能。同じ物を作るなら2000年は掛かるだろう。フレームも直せんから大事に使え》
《俺が使っても良いのかよ?》
《らしいな。上層部は興味が無いらしい》
2000年も掛かるなら現状の機兵を改良した方が効率的だ整備の問題もある。
何よりも魔力を鎮めるなど魔術師のやる事では無い。
《再訓練が終われば次のミッションが待っている。急げよ》
《僚機を改良してくれ。俺に付いてこれない》
《そのくらいは融通しよう。色付き3撃破は勲功ものだからな》
《増員は?》
《新兵になるぞ?》
《止めとくよ》
新兵送られてもな。
有能だろうと不安要素にしかならない。
唯でさえこの機体は信用ならんのだ。
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結局、俺達が訓練後に配属されたのは新造魔導強襲艦"ウニコール"新任の艦長と新兵達。
新兵は止めとくとは何だったのか。
「なんで、こうなったんだターエル」
「お守りですよ。ユーレス隊長。戦功上げすぎましたね」
「くそっ。仕方ねぇ艦長とやらに気合い入れに行くぞ」
「カッカッ⋯」ブリッジへと2人を従え向かう。
すれ違う新兵達の心許ない事。
自信が全く見えない。
「プシュ」ブリッジの扉が開く。
目の前に立つ士官に向け「ザッ!」足を揃え背筋を伸ばし敬礼。
「ターエル中尉以下、バーチェ少尉、ユーレス少尉。魔導機兵隊。着任しました!」
「⋯あ、ウニコール艦長。ベルトルン少佐だ。よろしく頼む」
敬礼を解く。
明らかに弱腰だ。
思わずため息が出そうだ士気に関わる。
「ユーレス中尉以下、バーチェ少尉、ターエル少尉。魔導機兵隊。着任しました!」
繰り返す。
戸惑いの顔。
手をクチバシの様にパクパクとさせる。
⋯意図に気が付いた様だ。
「ウニコール艦長、ベルトルン少佐だ!よろしく頼む!」
「「「「ハッ!よろしく頼みます艦長!」」」
俺達の声が艦橋に大きく響く。
クルーにも強烈に印象付けられた事だろう。




