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トップを走るカルラ、ティナ、ビフ達が、川上に向かって飛び跳ねるように走り抜けていく。
レイチェル、ユアン、テムジは、モニターを通して、ドローンから送られてくる映像でその様子を見ていた。
「さすがティナね。ユニバースのトップチームによくついていっているわ…」
とは言うものの、レイチェルは、ユニバースのチームがエステートのライダーが陣形を組めないように、縦に大きく引き離していることはよくわかっていた。訓練されている彼らに比べて、エステートのライドのレベルは確かに低い。カインとマガネは未だ、コースを走り切るだけでいっぱいいっぱいだし、ティナもエンディも、ユニバースのそれぞれのライダーにマークされて、ルートを無理やり走破させられているように見えてしまう。
ライドペースはユニバースに支配されている。
そのずいぶん後ろに、グラウンドキャニオンのコース沿いにようやく下っていくオセロットグリーン、マガネとオセロットパール、カインの姿が見えた。前方を走るビーストライダー達に比べてずいぶん後方に位置する彼らは、一歩一歩確かめるようにイエローストーンの渓流をさかのぼっていく。
「カインの前にマガネが出ているようですね」
ユアンも身を乗り出してモニターをのぞき込む。今はゆっくりだが確実にコースを前進している。カインを先導するかのように進むマガネは、どうやらオセロットのメモリーから最も確実と思われるルートをたどって進んでいるようだ。
「やるじゃない!アメフトライダー!」
「もしかしたら、全員完走、何とかなるかもしれませんね!」
ユアンが嬉しそうに言う。テムジも、少し期待に胸を膨らましたが、しかし、その先はグラウンドキャニオンエリアの最大の難所、ロウアー滝が待ち構えていた。
ほぼ垂直傾斜、落差90M超の滝が、イエローストーン湖から流れてくる水を、黄色い渓谷底にすさまじい勢いで叩き込んでいる。走破するためには、切り立ったクライムヒルをボルダリングのように上っていく必要がある。レイチェルは、はやる気持ちを抑えるように、拳を握りしめていた。
同時刻、ユニバースのトレーラーでも、ライアン・セドリックコーチがその様子をモニターで見詰めていた。じっとオセロットグリーンを駆るマガネを見つめるコーチ。
あのマシン…まさか、この子が…
モニターにWikiを表示させる。
“エウロイ・アルバレス”
カップを片手に優勝を喜ぶ男の写真とその略歴が記されている。レース中にクラッシュして崖の底に転落。レーサー20人以上の重軽傷、2人死亡者。そして、3名の生死および行方不明者、エウロイは不明者に属する。グランドファイナルレースの出場権を争った予選会場の事故現場では、必死の捜索が成されたが、現場にはエウロイ・アルバレスが乗っていたインディゴジャガーのマシンが半壊で発見されるも遺体は見つからず。その後、死亡と判断された。
ライアンは、Wikiのウインドウを閉じると、マグカップのコーヒーをズズッとすすった。




