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ビーストライダー・マガネ【鋼】  作者: 時波彷徨
1章  ~ビーストライド~
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26

 「いい!あきらめないで!確実に完走を目指すのよ!」


 エレファントバックの山のふもと、イエローストーンの湖のほとりにあるビーストライド用パドックエリア。そこに駐車されたトレーラー、二台にはエステート学園の校章がプリントされている。その脇からレイチェルの声が響いた。


「短い期間だったとはいえ、練習で培ったことは無駄じゃない!」

 拳を振るって鼓舞するレイチェルの目の前には、ライダースーツに身をまとったティナ、エンディ、カイン、そして、テムジまでが困った顔で立っている。内股で心許無さそうにライダースーツに身を包んだテムジは泣きそうな顔でレイチェルに訴えた。


「いや、先生…やっぱり僕は無理ですって…」


 ティナは厳しい表情で思案に暮れいている。エンディとカインも不安そうな顔で様子を見ていた。

 ペア戦のパートナーだったユアンはいまだ腕のギブスすらとれておらず、仕方がなく6thのエンディがその相手として抜擢された。彼女はなかなか筋がよく、ティナの空中軌道やロードコースの走りでも、その後ろにぴったりとくっついて起動することが出来た。


 練習試合のコースが、イエローストーン国立公園、特設レースエリアと聞かされた時、ティナを除く全員が、レイチェルに向かて、絶望的な顔を浮かべた。起伏の激しく険しい道のりと、そのエリアの長さに圧倒されつつ、慌て、そのハードエンデューロに備えるため、全員、近場の国立公園で猛練習はしたものの、やはり、力不足は否めない。


 しかし、教員会議で、部員数も定員に満たない現状で、試合成績があまりにも振るわなければ、活動自粛も視野に入れる旨をメンフィズ校長から告げられている現状では…。


 ここはやるっきゃない!


 そんなエステート・スクールのビーストライド部の面々が、ピットインスペース前で待っていると、大きなトレーラーが横付けして停車してきた。


 ユニバース学園のビーストライド部のトレーラーだ。


 中からどやどやと降りてくる生徒たちに混じってビフの姿も現れた。

 

すでにライダースーツを身にまとったビフは、ティナたちの姿を見つけると、にやりとうすら笑いを浮かべてずんずんと近づいてきた。


「よう、ちゃんと来てるな。お、へへ…」


 前回の会話を思い出し、心の中でじくじたる思いで歯を食いしばるテムジだったが、浮かんでくる絶望的な感情で顔がゆがんでいた。そんなテムジを横目で見るビフが鼻で笑うと、

「メカニックまで借り出すとは、いよいよだな、おい……」

 とティナに視線を向ける。きっ!とにらみつけるティナを見下ろすと、そっと顔を寄せてティナに向かってささやいた。


「気持ちが固まったかどうか、この試合で確認してやる」


 ギリっと歯を食いしばり睨みつけるティナを涼しい目で見返すビフ。

「期待しているぜ…ティナ」

 薄笑いを浮かべてそう言うと、ユニバースチームのピットインスペースに向かって踵を返した。


 その時、コースの奥から何かが疾走してくる爆音が轟いた。


「なんだ?」

 エステートとユニバースの生徒たちが、舞い上がる砂煙のほうを向いた。

 ビフもそちらを見ると、砂煙の中、コースを乗り越える青いシルエットがビフたちのもとに近づいてくる。


 青いボディに身をまとったビーストマシン。


 エステートとユニバース、双方の視線を受けながら、そのマシンは空高く舞い上がってビーストモードからバイクモードに変形すると、ティナとビフの近くにドリフトして止まった。


 乗っているライダーは…ライダースーツじゃない!

 驚くティナ、そのユニフォームをティナは知っている。見覚えのある48番のユニフォームを身にまとったライダーがマシンをスタンドさせると、ビフに向かって大きく叫んだ。


「待たせたな!ピザ野郎!」


 聞き覚えのあるその声。

 まさか!と目を凝らすテムジ、目の前のライダーが、アメフトキャップのバイザーを上げた。その奥から、ビフを睨みつけるマガネの瞳が現れた。


「マガネ!」


 ビフが思わず声を上げる。

「な、なんでおまえがここにいるんだ!それに、そのビーストマシンは…」

ビフは憎々し気な表情を浮かべて、腹の底から絞り出すように言った。


「てめえ、この鉄くず野郎が……」


その言葉を聞いたマガネは、少し身を乗り出し、ふっと大きく笑みを浮かべると、はっきりとこう言っ放った。


「いいや、俺はマガネだ。ビーストライダー!マガネだ!!」



次回からは、 ~イエローストーン・レース編~スタートです。

マガネ達の熱いライドレースをご期待ください。


もし、少しでも面白いと思っていただけましたら、

高評価ポイント、ブックマーク、良いねなど頂けると大変うれしいです。


この小説はフィクションです。

実際の人物、団体、場所名とは一切関係ありませんが、

重ね合わせつつ、レースと一緒に、イエローストーン、ループロードを

ぐるっと回ると楽しいかもしれません。


イエローストーン国立公園

【Wiki】

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B3%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E5%85%AC%E5%9C%92

【地図】

https://www.google.com/maps/place/%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B3%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E5%85%AC%E5%9C%92/@44.5844249,-111.0744812,9z/data=!3m1!4b1!4m5!3m4!1s0x5351e55555555555:0xaca8f930348fe1bb!8m2!3d44.427963!4d-110.588455


引き続き、何卒宜しくお願い致します。


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