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転移巫女と勇者の二大陸物語(仮)  作者: 煌清
2章 2部
73/82

73.薄暗い森の中

 


薄暗い森に足を踏み入れる。値段は張ったが銀のナックルにしてよかった。それに消費MPが表示されている。これは試したからなのか・・


――――――――――― 

下迫優  レベル1


拳闘士見習い


HP  12/12

MP   6/ 6


攻撃力   8 + 8

防御力   6 +19 

敏捷性   6

魔法力   3

魔法防御  3


装備

銀のナックル  攻撃力に+ 4 転移者補正+2 

(アンデットに特効×1.5倍)

防護服     防御力に+10 転移者補正+5

鉄の籠手    防御力に+ 3 転移者補正+1



スキル


格闘 レベル2

素手 ナックル 爪 攻撃力+2


転移者補正 武器防具 1.5倍

身に着けた武器防具に1.5倍補正


魔法 

闇属性 レベル1 消費MP10

召喚魔法 G

―――――――――――



レイラが森の前に立って森を眺めていた。


「レイラさん。」


そこにカレンとリカルドが駆け付けた。


「侯爵に話を聞きました。優はもう・・行ったのですか?」


「ああ。もう入って行ったよ。」


リカルドは目を閉じ拳を握った。


「マーサ様は何故そのような・・・」


「あの人の悪い癖だろう。あの人にとっては只の賭け事だ。死ねばそれまで、死ななければ大きい戦力となる。それに死の森も進展する・・・それだけなのよ。」


レイラは真っ黒な森を睨みつけた。




俺は少しづつ暗い森の中を進んでいく。据えた腐臭が漂い、辺りに気配が混じりだす。方位磁針は作動している。俺は木に隠れ奥を覗き見る。グールが2体ゆっくりと歩いている。

ステータスを表示させ倒せる敵と認識を強め、出来る限り気配を殺しそいつらに近づいた。

銀のナックルを強く握りグールが後ろを向いた隙に距離を詰め頭に一撃を入れる。

頭からシューっと音を出し弱点属性の表示が出現しグールのHPが極端に下る、が、グールは振り向き俺に掴みかかろうとしたがグールの胸にもう一撃、拳を繰り出し1体を仕留めた。

2体目も俺に気付いて走り出す。思ってたより足が速い。俺は両手を前に出して走り寄ってくるグールを躱した・・その時、背中に鈍痛が走る。

スケルトンが背中に張り付き剣を振り下ろしていた。・・どこから?俺はその2体の間から横に転がり態勢を起こし目だけスケルトンの方に向けポケットから1枚干し肉を出し齧りつき、また残りをポケットにしまう。

背中の傷が、切れた防護服の縫い目ごと塞がっていく。俺は考える間もなくその2体から離れる様に後ろに振り向き逃げるように走り出した。

スケルトンは俺より速いスピードで付いてくる。

直ぐに踵を返しスケルトンの胴体に抱きつき足を掛けスケルトンを後ろに倒す。俺はスケルトンに馬乗りになり剣を握っている腕を左手で押さえ必死にスケルトンの顔面を殴り飛ばす。

何度も何度も・・。

やがてスケルトンの頭蓋骨は破壊され、俺は地面を殴る。

息を吐く暇などない。グールが少し遅れてやってくる。スケルトンに座り込んだ状態のまま足の筋肉だけを使い目の前のグールの懐にタックルをし、倒れ込み同じようにグールの顔面を殴る。顔が潰れていき、蛆蟲が拳とともに宙を舞う。

俺はグールが動かなくなった事を確認すると直ぐに飛びのき息をする。

グールは俺を引っ掻こうと足掻いていたが防御魔法のお陰かダメージは無かった。

木の影に隠れ息を整え倒れているグールを眺める。

グールは弱点属性の影響か直ぐに黒い瘴気を出しながら消えていった。レベルは2、格闘スキルが3。

純粋な攻撃力は上がっている訳だ。俺は手ごたえを覚え木の影から表に出る。


明かな気配を辺りから感じる。スケルトンの敏捷は目で追うのがやっとの状況だがグールなら何とかなる。俺はその一点に向かい走り出した。グールが3体、まだ気付いていない。俺は藪を抜け3体の前に躍り出てそのうちの1体に拳を振り上げた。3体のグールが気付く。が、1体は振り下ろした拳で頭骸骨を弾け飛ばす事に成功し、残り2体に囲まれる形となったが、すぐさま後ろに下り1体の身体に肩から突っ込んだ。

グールは成すすべなく後ろに倒れる。

俺はその倒れたグールを放置してこちらに向かってくるグールの腕を掴み足を掛け手首を捻った。

投げ技は簡単に決まるだろうと思ったが、グールの掴んだ手首が先に千切れ、俺の方がバランスを崩してしまう。そのままグールは俺の背に覆いかぶさる形となり一緒に倒れた、先程後ろに倒したグールも起き上がろうとしているのが見える。俺も起き上がろうと必死に藻掻くが地面は落ち葉がグシャグシャと凄まじい湿気で手が滑り泥を被る。


「くっそ・・。」


俺は匍匐ほふく前進でグールを背に担いだまま前へ進み、木の根を掴み木を這うように起き上がった。そのまま木を蹴り、勢いで後ろにグールごと倒れ込む。手が折れているグールは背を地面に勢いよく叩きつけることで力が緩んだ。

俺は起き上がらず態勢をぐるりと変え地面に背を付けているグールの顔面に拳を振り落とし顔を潰す。もう1体のグールも目の前に到着していたが起き上がり直ぐに対処することが出来た。

・・スピードが上がっている。レベルは3になっていた。


立ち上がり木に寄りかかり泥だらけのリュックを下ろした。こちらを補足しているだろう青いグールが1体、こいつはレベルが高い。それに従うようにスケルトンが2体にグールが2体。

俺は泥の付いた干し肉をポケットから出しそのまま齧り付きジャリジャリと咀嚼し飲み込んだ。


「シャドウ」


俺は手の平を下に向け黒い魔法陣を作った。地面から黒い人の形を成した物が1体現れた。





「静かね。」


カレンがリカルドに話しかける。


「・・はい。」


リカルドは返事だけ返したが、黙って黒い森をずっと睨みつけていた。



リンドバル領、死の森最前線にカレンとリカルドは立っていた。優が逃げ帰ったところをせめて支える為だ。マーサの言いつけは最早軍規に等しい。兵を挙げ攻め込むわけにはいかないのだ。


「リカルド、・・待つしかないわ。」


「・・そうですね。」


リカルドも少しだけ息を吐いた。




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