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転移巫女と勇者の二大陸物語(仮)  作者: 煌清
1章 1部
26/82

26.ポールの葛藤とアンデット戦

前話の話数間違えたので訂正しました。



ポールは森の外で馬を1頭馬車から外しまっすぐにカルナックの町に向けて馬を駆りたてる。

直ぐにカルナックの町の門に着き衛兵に要件を伝えた。真面目そうな女衛兵にだけレイスの存在を伝えたのだ。

女兵士は直ぐに察し真剣な目をして頷くとカルナックの屋敷に馬を使い急ぎ走って行った。

そこからが早かった。5分とせずに城門が全て閉じられカルナックがポールの前に馬を走らせ現れる。


「ポール殿、レイスの件は聞いた。あの森の衛兵は週交代2名ずつの20名が担当している。森の周りには塀があり住民たちは立ち入り禁止となっている。その残り18名を今招集させているしばらく待っていてくれ。」


ポールは返事をせずカルナックの目を見て1つ頷いた。カルナックも拳を強く握り下を向いた。

暫く経ち女衛兵が18名の兵を連れてきた。皆一様にキョロキョロしたり雑談していたりしていたがカルナックの深刻な顔をみて皆押し黙った。


「・・・・レイスが出た。・・・名乗り出よ。」


カルナックが絞りだした小さな声。「何?」「何だと?」とキョロキョロと見回す周りの中に中心2列目の隣り合った2名だけがすぐさま下を向き手を震わせていた。ポールは直ぐにその男たちに目がいく。

ポールはザッザッと歩き出す。1列目の兵の列を両手で左右に押し広げ2列目の2名を睨みつける。


「・・・お前らか・・?」


1人目左側の兵が顔を上げ苦笑いをし言い訳をしようとしたその時、もう1人の兵が頭を下げた。


「すみません。ちょっとした出来心だったん・・・・!」


ポールは兵が話している途中で理解し、剣を抜きその兵の頭を落とした。

血染めの地面に落ちた頭の目玉だけがポールを見るが直ぐに瞳孔が開き言葉を発せなくなった。

苦笑いしていた兵は座り込み笑顔も消え失せ地面に黄色い水たまりを作った。

ポールは落ちた頭の髪を掴みカルナックの方へ放る。カルナックは拳を握ったまま震わせて言葉を発せないでその頭を睨みつけている。


「・・・おい。お前、ここで詳細を述べろ。」


ポールはそのもう1人の座り込んでいる兵に話しかけた。だが震えていて言葉がない。ポールは左手で胸ぐらを掴みその兵を自分の顔より上まで持ち上げ右手で剣を振り下ろした。


「ぎゃぁぁぁぁー」


兵の手の甲から下、指が全て飛んでいく。他の兵達は目を見開き歯をカチカチと音をさせる者もいる。ポールはもう一閃、太腿ごと兵の両足を斬り飛ばした。ポールと兵士のレベルの差が顕著に現れる。


「言う・・・言うから・・もう止めて・・くれ・・。」


ポールは睨みつけたまま喋らない。ポールは兵を地面に落とし友紀から頂いた干し肉の小瓶を兵の口に流し込む。瀕死の状態だったが指と足は切れたまま患部は塞がり元々指と足が無かったのではないか?という状態にまでなった。


「こいつのHPが低いからなのか・・・完全回復か・・・。このような形で友紀様のエリクサーの試験をするとは皮肉なものです。。」


ポールは少し笑って呟いた。そのままの笑顔で兵を見る。


「・・・・もう・・許してくれるのか?」


兵が涙ながらに懇願してくる。


「ああ・・・許すとも。さあ言え。」


兵は洗いざらいレイスになった少女に起こった悲劇のあらすじを皆の前で述べた。

要はカルナック領よりすぐ北の貧しい農村で野菜や果物売りをして生計を立てている少女が兵達に物売りをしに来ていたらしい。

その少女は目鼻立ちが良く可愛かったそうだ。2人は計画を立て野菜を買うと兵舎まで連れて行き犯して口封じに森の中の木に吊るしたそうだ。

レイスの体中の傷や切り落とされた乳房などを問うと、そいつ等の性癖なのか拷問もしたとの事だった。


「・・・・・よく・・話してくれた。」


ポールは笑顔で頷いたがポールの持つ剣は兵の下半身のモノをすぐさま貫き剣をねじる。

ポールは自分の唇を噛み少女が受けたであろう悲しみや痛みを想い静かに目を閉じ空を向く。


「ぎぃや・・・!」


ポールはその兵が叫ばぬよう左手で口をゆっくり抑え残りの左右の腕を斬り飛ばし治療を施した。


「カルナック殿・・・友紀様達が森でレイスが召喚したグール達と戦っておいでです。あなたの知らぬ所であなたの愛する領民が無残にも殺され、恨みや悲しみでレイスに変わったのです。せめて・・・

せめて兵の人選はしっかりなさいませ。」


ポールはカルナックの足元に転がる兵の頭の髪を引っ掴み馬の鞍に結びつけた。2人目の気を失っている軽くなって意識のない兵を肩に乗せ馬に跨りその場を後にした。

カルナックはまだ何も喋れず膝を付いて崩れ落ち、自分に対する不甲斐なさで下を向き唇を噛んだ。



「友紀様、めぐみ様、その青いのをお願いします。」


サランはフッと笑い指示を出す。


「分かってるじゃないの。サランちゃん。」


笑顔でお母さんがレベルの高い方の青いグールに向かって走り出した。防御力と敏捷は低い。私でもなんとかなるか。


「じゃあ行っくよー。」


私は振り向きもう1体の青いのに向かって走り出す。横のスケルトンにリズの放った炎がぶつかり瘴気に変わる。

右の木々から5〜6体のグールやスケルトンが寄ってきたがサランが放ったスラッシュでモンスターも木々ごと叩っ斬られる。

左を見るとお母さんはもう木刀で青いグールの右腕を吹き飛ばしていた。が、口から吐き出された紫色の液体を左肩に浴びジュウジュウいわせている。

お母さんは痛そうに目を伏せたがグールの口元、今、紫色の液体を吐き出しているその顎に向かって木刀を横薙ぎに振りグールの顎を砕く。

吐き出された液体は顎が無くなった為に自分の身体の服を溶かし身体を露わにさせていた。

私はもう1体の青いグールの上を飛び越え槍で目を突くが下を向かれ頭蓋骨に阻まれた。

頭部の皮膚をそぎ落としペロンと垂れた肉が目を覆う。実は狙っていましたとばかりにサランやリズに目を向けた。が、リズはMPが切れ手に持ったロッドで頭蓋を割っているが多勢に無勢。

リズやサランに集まったアンデットの数はもう既に数えきれない。カランカランとレイスが蒼い炎のランタンを鳴らす。

レイスの後ろから更にグールやスケルトンが湧いてくる。

サランもレイスを傷つけない為に各個撃破になってしまっている。

私は両手を前に出したグールの腕を斬り落とさんと上から槍を振るったが攻撃力が足りず骨にヒビを入れるに留まったが更に下から槍を薙ぎヒビの入った片方の腕を斬り落とす事が出来た。

ちゃんとダメージは入っている。今度は足の膝を狙い槍を膝の皿目掛けて突き刺していく。

遂に蒼いグールが膝を折り前に倒れこんだ。止めを刺そうと槍を持ち上げたその時、肩に鈍痛が走る。

スケルトンが私の肩に錆びた剣を置きノコギリの様に肩を引き裂いた。利き腕だった。

槍を落とし痛みで目が霞む。

私は膝を付いていたが左の手の平にスターライトを発動させ目の前にいる青いグールの頭にそっとスターライトの光を乗せる。青いグールは静かに目を閉じ逆らう事なく頭を下げ消えていった。

だが同時に後ろにいたスケルトンの錆びた剣を背中に突き立てられた。

ドンと音がしたがそこは防具がある場所。レベルの低いスケルトンでは貫けない。

私は前倒しに倒れこみ転がりスケルトンから距離を取って左手でチョコボールを取り出し口に入れ全快させる。

これが無ければ何度か死んでいるだろう。お母さんもチートとはよく言ったものだ。

すぐさま立ち上がりスケルトンに向かって走り、飛び蹴りを繰り出す。相手のあばら骨が折れスケルトンが後ろに転倒する。


「ん?・・レベルが上がったのか。」


スケルトンの防御と比べ私の素手の攻撃力は若干低い。ダメージが通るはずはなかった。

槍を拾う為に転ばせれば良かったのだ。

私は槍を拾い倒れてゆっくり起き上がろうとしているスケルトンの頭に槍を突き立て頭蓋骨を割り、更にもう一撃で頭蓋を貫通させ仕留めた。

キョロキョロと見回すとリズがローブを切られ腹部を抑えながら戦闘をしていた。


「くそっ。」


チョコでも干し肉でも渡しておけば良かったと後悔するが、その思考以前に走り出していた。

両手にスターライトをMPいっぱい分出現させ走りながらリズのいる方へ投げつけた。

光の球がリズの周りのアンデット達にパフンパフンと当たり頭や身体ごとアンデット達を消滅させる。


「友紀様・・・大丈夫ですか?」


「それはこっちのセリフだよ。これ食べて。」


リズの口にチョコボールを押し込んだ。モグモグと咀嚼しゴクリと飲み込むリズ。お腹の傷もMPもすぐさま回復していく。


「美味しい。美味しいですね?友紀様」


まあ・・確かに美味しいが、そこに感動するとは・・・女子だな。


リズは振り向きすぐさま残りのアンデットにファイアボールを放つ。

サランは・・大丈夫そうだ。くるアンデットくるアンデット全てをチョップだけで、しかも1撃の元に葬り去っている。凄い・・・・。

私はリズの加勢をする事にした。

お母さんも青いグールに止めを刺してこちらに駆け足で走ってきた。


「友紀。こっちも終わったわ。」


お母さんもチョコボールをポケットから出して口に入れた。


「お母さん後ろ!」




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