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【完結】余りもの同士、仲よくしましょう  作者: オリハルコン陸
本編

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14/27

結婚

そして彼は、言っていた通り二年後に予定していた結婚を、半年後に変更してしまった。

お父様も、何を吹き込まれたのかわからないけれど、とても非常に大層協力的なので準備は順調だ。


お父様は最近、まだ結婚前なのに家でも外でも彼のことを「婿殿」と呼んではばからない。前から彼のことをかなり気に入っていたのは知っていたけれど…。


…もしかしてこれ、外堀を埋められているのだろうか。…別に困らないけれど、ちょっと落ちつかない。



そして例の妹とも会った。

私より頭一つ以上背の低い、小さな女の子だった。

確かにこんな声だった気がするし、あの時一緒にいたマリーも「この子だと思います」と力強く頷いてくれた。


その子は、彼の腕にしがみついて「あなたなんかにお兄様をーー」と言いかけて、軽く頭を叩かれ引き剥がされていた。

かなり遠慮のない間柄のようだ。

別に一緒に暮らす訳じゃないし、そのうち仲良くなれるだろう。多分。



◇ ◇ ◇



そんなことがありつつ、遂に彼との結婚の日がやって来た。

いや、気分的には全然「遂に」って感じではないのだけれど。

だって、普通なら二年かけてやることを半年で準備したのだ。むしろ「え!?もう!!?」って感じだ。

でもそのおかげで、不安になる暇なんてなかった。


急ピッチではあったけれど、彼とお父様の共同監修だから多分足りないものとかはない筈だ。万一あっても、後からこっそり揃えればいい。最悪新郎と新婦さえ揃っていればいいだろう。


…こういう考えが出てきちゃうあたり、私って本当お父様の子だと思う。…嫌じゃないんだけど、ちょっと複雑だ。

だってお父様って時々………


うっかり暗くなりかけたのを、頭を振って切り替える。

ダメだ。おめでたい日にこんなこと考えてちゃ。


そう。今日はとてもおめでたい日。

私と彼が結婚する日。

大好きな彼と夫婦になれる日。


そう思ったら、頬がどうしようもなく緩んだ。


室内に置かれた、大きな鏡を見つめる。

そこには、綺麗な純白のドレスに身を包んだ一人の女性がいた。

マリーの超スペシャルメイクと、お父様と彼とマリーが何故か私そっちのけで選んでくれたウエディングドレス。そのおかげで、どこに出しても恥ずかしくない、素敵な花嫁姿の私が。


よし完璧。矢でも鉄砲でも持って来い!


気合いを入れて立ち上がったその時、ドアがノックされ彼が顔を出した。教会へと一緒に向かう為に迎えに来てくれたのだ。

彼は私を見て、眩しそうに目を細めた。


「今日は特別綺麗だ」


そう言ってもらえたことが嬉しくて、自然と微笑みが浮かぶ。


…後からマリーに愚痴って判明したのだけれど、あの話し合いの時、彼は私の顔を貶したのではなかったらしい。

知らずに盛大に惚気ていた私を見るマリーの生温かい目が痛かった。


…それはともかく。


手を伸ばして、差し出された大きな手をきゅっと握った。

これからの人生を、一緒に歩んでいく人の手をしっかりと握った。

彼の手の温もり。笑顔。


彼と、夫婦になれるーー


喜びが全身に、満ちあふれた。


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