第三十六話 モンペLv.200
お久しぶりです。
第一志望もとりあえず決まって補習まみれの夏休みになりました。なので現実逃避がてら続きを投稿してみた次第です。過去の投稿したものを読んでいたら自分の拙さに寒気がしました。落ち着いたら書き換える所存です……orz
「さて、フィーの情報を見てみましょうか」
パタリとロンドさんが私の目の前に魔石の埋め込まれたプレートをおいて何やら魔石を数回コツコツと爪で叩く。
ヴィン……と振動すると画面に文字が映し出された。
……あ、私の名前だ。
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フィオーネ・レンジア
性別︰女
年齢︰3歳
種族︰魔族(長命種)
職業︰未設定
称号︰神々の寵児 魔術の申し子 精霊王の寵児 創造神ツァールトハイトの寵児
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すごく、スマホっぽいです……。
面白がって画面をペたぺたと触れているとロンドさんに手の届かない高さにまで持ち上げられてしまった。残念。
「……これは、……長命種ですか、また珍しい……それにこの称号の数々。これはかなり珍しいですね。特に創造神の寵愛の称号持ちとか。……これは隠蔽を使った方が良いですね」
「いんぺー……わういこと?」
「いいえ。悪いことではありませんよ、フィー。いくら何でもこのステータスが露見するとまずいので見えなくするだけです。陛下とその側近の隊長格の人間には特殊コードで閲覧できるようにはなっているので心配することはありません。このステータスが一般の隊員に見られることを防ぐだけです。わかりましたか?」
「あい!」
だよね、バレたらまずいよね! 特に魔術の申し子とか黒部隊の皆さんに露見したら被検体フラグ確実だよね、つまり死亡フラグだよね知ってた!!
…………あれ? それじゃあギルド登録はどうするの?
「ギルドカードには名前と年齢、性別、職業しか出ないので問題ありませんよ」
あれ、私ってば口に出してたっけ?
それともロンドさんがエスパーなの? なんなの、このお城ってば魔王様といいロンドさんといいアコニットさんといいエスパーが多すぎるよどうなってんの? 隊長クラスの人には読心術が標準装備なの? なにそれこわい!
「フィーがわかりやすいだけですよ。目が物凄く不思議そうにしていましたから。しかし魔術の申し子ですか……。また黒部隊隊員が好みそうな称号ですね。あぁフィー、隊長クラスの人間以外には絶対にこのことを話してはいけませんよ。どこで情報が漏れるかわかったものではないですからね。それともし魔術師の上位職などが選択できても自分でギルドカードを隠蔽できるようになるまでは目立つ職を選んではいけません。良いですね?」
「あい!」
とくとこの心に刻みました。極力誰にも話さないようにします。黒部隊怖い。
そして目のことですね! 目は口ほどに物を言うとはまさにこの事……。
「かみうしゃん、かみうしゃん」
「どうしたのフィー?」
「ちょうめーしゅってなんでしゅか?」
「長命種っていうのは、フィーの種族名で、寿命が約1万年もある魔族の種族だよ。種族的特徴はINT値が高くて知的好奇心が強く聡明で、15歳までは人間と同じスピードで歳をとるけどそこから緩やかに歳をとること。ひとつの場所にとどまらずに世界中を旅して回るものが多いらしいことかな。かなり人数の少ない種族で放浪癖のせいで国に縛られ責任のある立場を嫌うんだ。だから特権階級にはほとんどいなくて市井に稀にいる程度でこの国にも確認されているのは20人に満たないくらいだったと思うよ。フィーにとって身近なのはテオドール殿下とフェリドール殿下じゃないかな? 王妃様が先祖返りの長命種で、魔王種は種族の特性で遺伝しないらしいから必然的にお2人も母親である王妃様の種族を受け継いだんだ。だからお2人も70歳じゃなくて7歳なんだよ」
そういえばテオ兄様は初対面の時に、オレは7歳だから、オレの方が年上だって言ってたもんね。あの時はよくわかってなくてスルーしたけど、もし普通の魔族なら7歳なんて乳飲み子だわな。
「長命なのは陛下と、その臣下である私達隊長クラスの人間もですよ。魔王種は長命種と同じく約1万年もの時間を生き、特別に自らに忠誠を誓うものの寿命を自らと同じ程までに引き延ばすことができます。隊長クラスの人間は皆陛下に忠誠を誓い認められているので陛下とともに長い時間を生きることを許されているんです。一説によると長命種は魔王種の血を継いだ者の先祖返りなのではないかというはなしもあるんですよ。新たな魔王種が王として国に君臨すると前王は政治や貴族特有の人間関係に辟易して市井におりるということも良くあったそうなので」
「へぇ……」
「たった1人で1万年もの時間を生きるというのは、きっとそれ程人を狂わせるのでしょう。それ故の救済措置なのでしょうね。臣下の者の寿命を、自らの寿命と同じほどまでに引き伸ばすというのは。1万年という時間は、ひとり孤独に生きるには少々長すぎますから」
「どちらにせよ、フィーの両親の手掛かりにはなりそうにないね。ごめんね、フィー」
「んーん、だいじょーぶらよ」
「フィーの両親がわかったら罰せられたのに……」
「……ん!?」
どうやら両親を探すのは私に会わせたい、なんて感動的な理由ではなく国の法律で罰してやるためらしい。
魔族間では子供を捨てた場合はその身を奴隷に落とすか、もっと酷い鉱山奴隷に落ちるか、窓もドアもないような特殊な空間に一生閉じ込めるのだそうだ。じわじわと精神を狂わせていくのだとか。なにそれえげつない。
ちなみに建国されてから今まででこの刑が実行されたのは計7回。驚きの少なさだ。この罪で捕まるのは確認されている限り全てが他種族とのハーフやクウォーターであるらしい。なので建国して以来初の純血の魔族からの逮捕者かもしれないのだそう。
魔族って……なんていうか、その、過保護っていうか、モンスターペアレントっていうか……。
あれなんだね、種族特性:モンペLv.200なんだね。こわい。




