問題児が大宮から来るそうですよ?
「やった、勝った、びにこん。第三部、完!!」
「何が!!?」
びにこん。
第9話「大宮の駅内はわりとシンプル」
「あ、先輩。ありがとうございますね」
「何!? 突然何!?」
ある日のバイト中、突然東久留米さんが感謝の意を表してきた。
「いやぁ、まさか先輩が快くOKしてくれるなんて思ってもいませんでしたよ!」
「え、何? だから何の話?」
「じゃあ、早速明日の午前9時に大宮の駅で待ち合わせってことでお願いします!!」
「だから何の話なんだよ!? 何、9時に大宮!?」
「うわぁ・・・楽しみだなぁ、お菓子!!」
「お菓子!? うわ、ホントに謎だ!」
「じゃ、先輩! 明日楽しみにしてますから!!」
「なんなんだよ! 俺が何を了承したって言うんだ!?」
翌日、土曜日。
「全く、昨日あれからメールが37件、LINEが58件更新、着信が9件・・・全部東久留米さんからで、要件は明日(今日)9時に絶対に大宮の駅に来い・・・って」
合計105回もの通信・・・さすがに少し怖くなったので、おとなしく9時に大宮に来てはみたのだが・・・。
「あ、お待たせンチメンタリズム!!」
「意味が分からん!!」
現在午前9時49分、東久留米さん到着。
すごいや、約50分の遅刻!
「ごめんね、道中ひったくり犯を捕まえてたら遅くなっちゃった!」
「・・・・・・」
目指せ、市民名誉賞!
・・・じゃなくて。
「・・・で、今日は一体なんなんですか?」
「え? 今日はナンではなくて白米を・・・お味噌汁と一緒に・・・」
「朝食の話じゃねぇよ!!」
「今年の恵方巻きは南南東に向かって丸かぶり?」
「それも違う!!」
はぁ・・・疲れる。
「着きました! ここはシェフの町!!」
「違う違う、あのタツヤさんは関係ないよ」
大宮の駅から電車でちょっと。
ここは某県の河越の町。
ってか、大宮言ってる時点で何県か言ってるようなものだけど。
「じゃあ先輩、ゴチになります!」
「だから何の話だよ!!」