20.イベントへの準備
やっぱり行ける時は毎日やりたいと思います。
イベント当日の昼、僕は装備を買いに行った。
今の所持金は十一万ゴールドなのでそこそこいい装備が買えるだろう。
防具店を探して歩くこと十分。そこには大きくカスタードの防具店と書かれている看板があった。
僕は店の中へと入り店主と見られる人に声をかけた。
「あ、あのーすみません。防具買いに来たんですが」
「よぉいらっしゃい。どんな防具がいい?」
顔はイケメンで笑顔が似合う好青年だ。髪は金髪でパリピ感が滲み出ているがいい人っぽい。
「十万ゴールドで買える防御力の強いヤツがいいです」
「防御力重視ね。それじゃーこれなんてどうだい?」
そう言って出されたのは青色の鱗で作られた防具だった。なんの素材かは分からないがかっこいい。
「かっこいいですね!なんの鱗なんですか?」
「これは3層にある湖に生息しているサメの鱗だ。名前はリバイドって言うんだけど知らねーよな」
「すみません….」
「別に知らなくていいんだよ。このゲームにモンスターの名前なんてあってないようなものだからな。俺は鍛冶屋になるためにこのゲーム始めたから鑑定持ち出しな」
3層にいるリバンドね、一応覚えておこう。
それにしてもこの装備かっこいいな。
全身青だけど派手派手じゃなくてめちゃくちゃかっこいい。
「これはいくらなんですか?」
「10万ゴールドだ。買うか?」
「すみません。赤色の装備も見たいんですけど…」
最初に伝え忘れてしまったが僕が今欲しいのは赤色の装備なのだ。理由は単純でフェンと一緒の色になりたかったからだ。それに僕赤好きだし。
「赤か、防御力はさっきのより悪くなるけどそれでもいいか?」
「はい、お願いします」
そう言って持ってきたのは赤に少し黒が混じったような装備だった。
「これはな二層のホットフィッシュっていうモンスターの鱗で作ったんだが防御力が予定より低くなってしまってな。その代わり火属性耐性2がついてるから失敗とは言いきれないんだけどな」
「これはいくらですか?」
「んー正直防御力低すぎて売れないから5万でいいよ」
まぁ今の僕の装備よりは高いらしいから買っておこう。かっこいいしね!
ついでに短剣を買いたいんだけどここにおいているかな。ダメもとでも頼んでみよう。
「あと短剣も欲しいんですけど置いてますか?」
「あるよ、やっぱ短剣も赤か?」
「あるなら…」
「お前運がいいな。今日作ったばかりだよ、しかも4層の下位火竜の素材で作ったやつがな」
「やった!でも僕あと五万しかないですよ?」
「それじゃ五万でいいぜ。試作品として作ったからどうせ売りもんでもないしな」
そう言いながら奥の方に消えていき戻ってきた時には真っ赤に輝く短剣を持っていた。
僕はそれを買いとりあえず残りのゴールドでポーションなどを買いイベントの準備を終わらす。
準備し終わった頃にはイベント開始一時間前で活気が溢れている。これはもうお祭り騒ぎとしか言いようがないほど人が多い。イベント参加条件が一層にいることなので違う層を拠点にしている人達も戻って来たのだろう。それにしても多い。本当の祭りみたいにもみくちゃにされそうなぐらい多い。道幅は広いはずなのにまともに歩くことも出来ない。そのまま一時間がすきマスコットキャラクターのダロンが話始める。
「みんなよく集まっただろん。今日のイベントは今までとはひと味もふた味も違うから楽しむだろん。全滅しないようにするだろんね。それではイベントスタートだろん」
ダロンの掛け声と同時に強制転移が起きる。
一瞬真っ暗になり光が戻るとそこは別世界だった。
装備
ホットフィッシュの鎧
防御力12
火炎耐性3
火竜の短剣(下)
攻撃力11
火炎属性2
防御力、攻撃力、スピードは様々なスキル、称号、装備、テイムモンスターによって増やしていくことができます。主人公は今まで戦闘系の能力を取っていませんので出てきていませんがこれからは徐々に出す予定です。




