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能力測定①

どうも、おひさしぶりです。


大分前回から間が空いてしまいました。申し訳ないです。


次はもうちょっと早めに投稿できると思います。


それではどうぞ!

「能力の測定を開始します。呼ばれた生徒は速やかにこちらまで来てください。後の生徒達は『問題』を起こすことなく、自由に過ごしてください。繰り返します―――」


競技場をまるまる使った一年生の能力測定が始まった。能力測定と言っても、それ以外の時間は自由時間らしく好きに過ごしていい。

近くで心装武装を見たり、魔力の多さを競い合っている生徒達も居る。


「…結構大掛かりなんだな…」


風音は周りに居る沢山の人物と測定器具を見ながら呟く。他にも数は少ないが、『風紀』と書かれた腕章を着けている人達が居る。これが昨日奏世が言っていた『風紀委員』なんだろう。問題を起こせば即座に周りに居る風紀委員が飛んでくる。風音は問題など起こす気は無いが…、


「………」


さっきからアリスが風音の事をじーっと見ている。朝からずっとこの調子で、風音の側を離れようとしない。雅が居ればまた話は別だが、生憎と雅は風音が話しかける前に他の人物と行ってしまった。気付いた雅が風音に対して申し訳なそうにしていたのが、ついさっきの事だ。アリスはアリスで風音の実力に興味津々なので、風音についてくる。


「なぁ…まさか、俺と一緒に居るのか?」


「ああ、そうだが?」


何を言っているんだ?と言わんばかりにアリスは首を傾げる。


困った、非常に困った。このままいけば間違いなく自分が心装武装を使えないのがバレる。というかもし、バレたらどうなるのだろうか?ここの学園の教師達は事情を知っているようだし、わざわざバラすような事もしないはずだ。


「…私が居ては…困るか?」


「いや、別に…」


本心ではあまり居てほしくないのだが、しょうがない。名前を呼ばれたら適当に理由をつけて撒こう。そう思った風音だった。






◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇






「…それは…本当ですか?学園長」


学園長室。中には学園長――津久宮七夕と風紀委員長――伊勢塚真琴の二人が居た。この場合は生徒会長も居そうな気がするが、生憎と能力測定で出払っている。


「この件は生徒会長にも伝えています。ですが、向こうでの手伝いで動けないので、貴方に頼みたいのですが」


七夕は愛用の紅茶を飲みながら、真琴に資料を渡す。その資料の内容は風音についての事が書かれていた。


「…まぁ、確かにあのイレギュラーの新入生を堂々と能力測定に出しては色々めんどくさい事になりそうですしね…」


内容とは今回の能力測定での風音の処遇。風音には別の所で測定を行ってもらう…という予定だ。それで、生徒会長である夜桜神無がその準備の為の手伝いに行っている。

残った真琴は風音を連れていくよう頼まれているのだ。


「分かりました。私が引き受けます」


そう言い、真琴は頭を下げ学園長室から退室する。


「よろしく頼みます…。フフッ…」


七夕は手元にある資料を見ると、笑みを溢す。


「少々手荒な真似になるかも知れませんが…、早く起きてくれないとこちらも困るので…。






頼みますよ………アジ・ダハーカ………」


七夕の声は誰にも届かず、その場で静かに消えていった。






◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇






風音は今物凄く困っていた。


場所は学園の敷地内にあるカフェテラス。他の生徒も多数見受けられる。そしてその多数の生徒達の視線が風音『達』に向けられていた。今朝のような視線ではなく、また違うタイプの視線の向けられ方。


「はぁ……」


風音は大きくため息をつく。今目の前で行われているのは二人の女子生徒のケンカ…?みたいなもの。それも風音に関係することだ。


「何なんだ?さっきから…私達の邪魔をして」


「別に邪魔なんかしてませんわ!ただ少し話をしていただけなのに……邪魔は貴方の方でしょ?」


「後から割り込んできたのはお前だろ。邪魔はお前だ」


「なんですって……」


二人の少女のケンカが止まらない。一人はアリスだが、もう一人は先程出会った少女だった。

名前は天丞院玲香。彼女と出会ったのはつい数十分前の出来事である。







◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇







取り合えず風音達が呼ばれるまではまだ時間がありそうだったため、二人は丁度近くを通りかかったカフェテラスに入った。カフェテラスには数人の生徒が座っており、風音達も空いている席へと座る。何か適当に注文をとり、アリスと向き合う。アリスはじぃーっと風音を見ており、風音も正直居心地が悪かった。


「そんなに気になるか?」


「勿論。そして是非私と戦ってほしい」


ずっとこの調子だ。正直何故ここまでこだわるのか風音自身、不思議でならなかった。


「だから、俺はアリスが思ってるほど強くは無い。寧ろ弱い部類だ」


風音の言葉にアリスは首を振る。


「違う。何故かは分からないけど…、それに…隠してるでしょ?自分の力を」


アリスが唐突に風音の核心についてきた。風音自身も姉の翠蓮から一通りの体術などは習っているので、普通よりかは動ける。別に身体能力が低いわけでは無い。体術だけなら日本屈指の実力者に見てもらっているので、ここの学生にも充分に通用すると思う。が、しかしここでは心装武装が勝敗のカギを握ってくる。体術一つでは生き残れない。


体術では無い。じゃあアリスが言ってる力とは何だ?風音は深く考え始める。

と、考えている風音に近づく生徒が一人いた。





「ちょっとよろしいですか?」





風音とアリスは声の方に顔を向ける。

そこには一人の女子生徒が立っていた。風音はどこか見た顔だなと思いつつ女子生徒を見る。アリスはアリスで興味なさそうにしている。


「ちょ、ちょっと…!貴方達、同じクラスメイトとして酷いですわよ!!」


女子生徒の言葉に風音がハッとなる。


「…あ…天丞院、さん…?」


天丞院と呼ばれた女子生徒はパァッと顔を明るくし、ハッとなったのかコホンと咳払いをする。


「よ、ようやく思い出してくれたのですね。…もう一度自己紹介をしておきましょう。私は天丞院玲香です。よろしくお願いしますね、水無月風音さん」


ニコッと愛想のいい笑顔を向けてくる。まるで何処かのお嬢様だな、と風音は思った。


「(…うん?待てよ……天丞院…?)」


天丞院という名前に聞き覚えがあった。風音が知る限りでは日本で有数の大金持ちだったと記憶している。天丞院系列の会社を何個も持ち、心装武装の研究や幻獣に対しての研究等、こちらの分野については大いに1歩リードしているという感じだ。


風音は本物のお嬢様なんだな、と玲香を見ながら考える。すると、玲香はアリスは方へ近寄り始めた。


「…おひさしぶりですわね。アリス」


「…………」


玲香がアリスに向かって話しかける。知り合いだろうか?だが、二人の言葉と態度には少しトゲが感じられた。玲香はアリスを嘲笑うかのように、アリスは玲香に対して殺気を放つ視線で睨み付ける。


「まさかこんなところで再開できるとは思ってもいませんでした。……まぁ、見たくなかった顔ですけど…」


「そうか、それは都合がいいな。私もお前の顔など見たくなかったからな…。丁度良い…邪魔だ。あっちへ行け。風音との会話に支障が出る」


「なんですって……!」


「…やるのか?」


アリスと玲香の視線がぶつかり合い、火花を散らす。そして…、


「風音さんは一体どんな心装武装を使うのですか?」


急に視線の方向をこちらへ変え、先程と同じ様な笑顔を向けてくる。


「……えっ?」


急に話を振られて戸惑う風音。玲香はニコニコと風音を見てくる。対してアリスは…、


「それは私も気になるな。どういった心装武装を使うかで戦い方は違ってくるからな…。後、そこの金髪は気にしなくて良いぞ。居ないと思ってくれても構わない。いや寧ろ居ないな、そこには。風音は何か見えるのか?」


「……えーと…」


アリスは玲香の事をとことん嫌っているらしい…。今の言葉はそれを良く表していた。


「何なんですの!?その言い方は!!……まぁ、貴方より断然優れているので――「それより教えてくれ。それとも、何か隠すような事なのか?」って…無視ですの…っ!!?」


完全にアリスペースだ。全く話を聞いていない。……本当に居ないようにしているのか?だったら、何か可哀想になってきたな…。


風音は頼んだ飲み物を口に運びつつチラリと玲香の方を見る。

すると…、


「風音さん。こんな女は放っておいて私とお話しましょう。…実は聞きたいことが何点かありまして…」


暫く立っていた玲香も隣の椅子に座る。風音に近づいて…。

風音の隣に来ては異様に身体を近づけてくる。玲香の持つその豊満な胸が風音の腕に当たる。


「…っ…、えっと…」


この光景に耐えきれなかったのか、遂にアリスが立ち上がる。


「何なんだ!?お前は、さっきから邪魔をして…!」


これで数十分後に遡る。







◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇






二人のケンカは更にヒートアップする。周りの視線も段々増えてくる。…居心地が悪い。


「分かった…。いいだろう、そこまで言うなら相手をしてやる」


「望むところですわ。貴方程度に負けると思って?」


「お前程度になら軽く勝てるな…」


二人は周りの事が見えていないのか、心装武装を取り出そうとする。流石に止めないとな、と風音は二人の仲介に入ろうとするが、




「そこまでだ」




「「「…っ!」」」


突然の声の乱入者に風音達3人や他の生徒達もそちらに顔を向ける。


「風紀委員だ。そこの女子生徒の二人、周りの迷惑だ。場所を考えろ」


声の乱入者は風紀委員らしい。二人は昨日担任の先生に言われたことを思い出す。


『バレたら……分かってるよな…?』


その言葉が脳裏を過ぎ去り、ダッと冷や汗が流れてくる。


「…まぁ、今回は注意だけとするが、次からは気を付けろ…分かったな」


風紀委員である上級生の先輩に注意され、口を紡ぐ二人。正直心装武装を出されたらどうしようも無かったので助かった。


ケンカ――言い合いを止めた風紀委員の生徒が風音に近づく。


「君が水無月風音君だね…?」


どうやら風音の噂は上級生まで届いて要るらしい。


「私は風紀委員の委員長を務めている伊勢塚真琴だ、よろしく」


名乗って来たのは風紀委員の委員長であった。この場の全員が驚きの顔を見せる。先程までケンカしていたアリスと玲香も驚いている。


「早速だが、私からお願いがあるんだが…?」


「…ええ、構いませんけど…」


「良かった…それじゃあ、行こうか」


「……へっ?」








この後の出来事が、風音にとって…最初に起こる大事な出来事となる。

















どうだったでしょうか?


急いで書いて投稿したので、おかしいところや間違っているところがあるかもしれません。

もしそういったところを見つけたらご指摘お願いします。


次も読んでくれたら嬉しいです。それでは_(..)_

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