第2話 軍事国家メリディウスの秘密
バルトロの手帳。
それは、若き旅人たちに託された、あまりに不器用な「地図」。正史が語る英雄たちの旅路の裏側には、常にこの汚れた革表紙があった。
記されているのは、裏社会の掟と少しばかりの酒の肴、そして、彼らを見守る温かな温もりだった。
――――――――――――――――
【依頼内容】
メリディウス兵の強さの秘密は王宮で作られている「とあるメニュー」にあるらしい。その秘密を分析するためにレシピを入手せよ。
――――――――――――――――
厳重に警備されているメリディウス城の地下。三人は、手帳に書かれた抜け道を慎重に進んでいた。
「こんなに厳重なのに、バルトロのおっさんは、よくもまあこんな抜け道を知ってたもんだ」
「そこまでして手に入れたいものなのだろう」
ヒソヒソと話しながらも、素早く地下を抜け城の裏口から地上に出る。目指すは王宮の調理場。その調理場の奥に、目的のレシピがある。
城を裏から回ると、勝手口からそっと忍び込んだ。今はまだ夜明け前の誰もいない調理場に、三人は無事に潜入を果たす。
奥の部屋に入ると、一冊の分厚いレシピ本が置いてあるのがすぐに分かった。三人は音も立てずに近づくと、「秘伝」と書かれたページをめくった。
そのページを見たとたん、ジークの顔つきが変わる。
「……これ」
ジークは目をこすった。
「……プリンだよな?」
「ええ、プリンね…… 間違いなくプリンね……」
一瞬の間。三人に静寂が訪れる。
「マジか……。あのおっさん、これを食べたかったんだな……」
「……そのようね。わざわざレシピまで盗ませて……」
アルトリウスは真顔のまま、一人呟いた。
「なるほど。つまり、これがメリディウスの強さの秘密だな」
エリーゼとジークは、顔を見合わせた。
「絶対に、違う!」
――――――――――――――――
こうして、手帳に記された小さな騒動を越えて、若き旅人たちの歩みは、また次なる地へと続いていくのである。
――続く。
⚔️ 三人の出会いと冒険。そして圧倒的なワクワク体験と感動のストーリー。
可愛い顔で魔力を拳に乗せて「物理で殴る」魔導少女エリーゼと、訳ありな男たちが織りなす痛快・王道冒険ファンタジー!
破天荒な三人の冒険を描いた『本編』も、ぜひ★評価やブックマークで応援していただけると嬉しいです!
▼ 完全完結済みの本編はこちらから読めます!
https://ncode.syosetu.com/n7427mp/




