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プロローグ(0話)

ギュインギュインと目の前でカードが高速回転している。

心臓の音が高鳴り、ボルテージが一気に増す。

スーとカードが目の前に。

色は虹色。ドーパミンが分泌されるのを感じ思わず「おおw」と反応してしまう。

開かれたカードにはSSSと記されており、アイテムは杖のようだ。

絶望した、なんたって僕の魔力は0だからね。


「僕は、32歳で童貞の無職。名前はノリオという。」

「少し前までパチンコの店員をしていたがロビーで玉を運んでいる最中、おおずっこけをかましてしまい仕事に行けなくなってしまった。なんて情けのないやつなんだという気持ちは分かるが、心も体も痛かったんだ許して欲しい。」

「そんな僕にも好きなことがあるんだ。NODというゲームでね。なんかアイテムを獲得して敵を倒していくみたい」

ノリオは無職とは思えない程流暢な喋りでYouTubeライブを行っている。視聴人数は2人。

ゲーム名はNOD。現時点でアクティブユーザー数トップのゲームである為、YouTube配信者もとんでもなく繁殖していた。

家族は3人。父、母、弟

「この道で食べていくよ、母ちゃん」と言って以来、口を聞いてもらっていない。

「既にこのゲームを34時間ぶっ通しでやってしまっていて、気絶しそうです。本当に。」

「そんな夢が僕にはありましてね、このゲームのトップランカーになり、地下100階層にいるボス倒すことなんですよ~」

この発言に視聴者は冷ややかだ。地下100階層は未達の地。

SSSアイテムを出したトップランカーのクマゴロウでさえも76階層。ノリオは現在18階層で必死に抗っている。

極めつけは彼のアイテム、ランクC ただの剣

プレイヤーレベル1とレベル10毎にカードを引くことができるが、レベル1でD 木の剣

レベル10でD 木の杖

レベル20でD 木の盾

レベル30でC ただの剣 という情けない結果。

「木の剣が出た時は本当に画面を割りそうになりましたね~、スライムを倒そうにもぐにゅんぐにゅんでなかなか倒せないんですわこれが」

アイテムはここでしか手に入らずリセットができない為、レベル40まででランクB以上の武器をだして育てないと地下100階層到達は難しいのではと言われている。

レベル30のガチャでノリオは泣き崩れていた。可哀そうである。

「さあ、レベル39であと少しで40!ここでとんでもないの当てちゃいますよ~」ノリオの眼は真剣であった。

レベル40になり、カードがギュインギュインと高速回転する。

「よろしくお願いしまーす」とどこかで聞いたセリフを大声で唱えると、目の前には虹色のカード。思わず飛び上がる。この時のジャンプ力はさぞ凄かったことだろう。

「え、やばいやばい、なんこれなんこれ!!」

プチパニック状態のノリオと沸く視聴者。

もはや配信の存在など忘れ、画面にくぎ付けになる。

カードが開き、SSSの文字が浮かび上がった。

4人目のSSSアイテム獲得!!!視聴者がコメントしているがノリオは目もくれない。

「きたきたきたーーーーーーーーーーーーーー」

「俺の時代だーーーーーーーーーーーーーーー」


ぶちっ


「配信の終了」


突如切られた配信によって、視聴者はさぞ混乱したことだろう。

寝不足か興奮のしすぎか、または別の要因があるのか…

このアカウントから配信されることは無かった…


プレイヤーを生成しています。

プレイヤーの名前は以前のデータを使用します。

「プレイヤーネーム ノリオ」

では、この世界をお楽しみください、ノリオ様。

プツッ

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