66.ベタ惚れです
「聖魔法など見た事が無かったからな。
いろいろ調べたい事があるんだ」
え〜と、わたしの聖魔法に興味津々のようだけど、まずは闇魔法を悪用して謀反?を企てている一味の殲滅が先なんじゃ?
「アンバー、先ずは陰謀を企てる一味を壊滅させるのが先では無いかな?
陛下や王太子殿下すら傀儡にしようと企む不届き者達だ」
エリオットが諌めるとアンバーは、ああ、と気の抜けた返事をした。
やはり聖魔法の方が魅力的らしい。
「だがな、アンバー。
あの一味を放って置くと、わが父上に危険が及ぶ。何せ王位継承権第二位だからな」
エリオットの一言でアンバーはシャキッと背筋を伸ばすと高らかに宣言した。
「ジェンキンス公爵に仇なすなど不届きな奴等は
私が全てとっ捕まえてギチョンギチョンにしてあの世に送ってやる!」
流石エリオット、アンバーの操縦法をよくご存知で。
しかし、アンバーも陛下や王太子殿下が害される危険性があると言われてもどこ吹く風だったのに、ジェンキンスのおじさまの危機だと、とっ捕まえてギチョンギチョンであの世送り?
分かり易すぎて、何だか可愛いな。
エリオットが耳元でそっと囁く。
「アンバーは意外と可愛い性格だろう?」
これは暗に御し易いと言ってるな。
でも確かにジェンキンスのおじさまが絡めば可愛い人だ。
「よし、それではまず、クレア・ギッテンスの取り調べだ!
ウォルターを呼ぼう。
少し待ってくれ」
アンバーは机に戻りウォルターを呼んでいる。
エリオットに謝るなら今かもしれない。
「あの、エリオット。
その、また誤解してごめんなさい」
エリオットは目を細めわたしをじっと見つめるけれど黙ったままだ。
今度こそ呆れられた?
「ごめんなさい、許して貰えなくても仕方ないけど。いつもいつも思うの。
エリオットみたいにステキな人が本当にポンコツなわたしを好きでいてくれるだろうかって。
もっと素敵な女性が現れたら、わたしなんて霞んでしまうだろうって……」
不覚にもまた涙が零れ落ちるので俯く。
すると、優しく頭を撫でられた。
「わたしなんて、などと言うな。
ロージーは唯一の大切な女性だ。
少しばかりやきもち焼きだが」
「へっ?」
「どうやら俺にベタ惚れのようだから許してやろう」
「はぁ?
べ、ベタ惚れって、べ、ベタ惚れって、うん、ベタ惚れかもしれない」
思わず呟くとエリオットの相好が一気に崩れた。
ま、眩しい。
「ちょっとおふたりさん、いちゃつかない。ジェンキンス公爵の敵を一掃するための大切な取り調べなんだから!」
アンバーのジェンキンスのおじさま崇拝は凄まじい。
そこへ自動昇降機でウォルターが到着し、いよいよクレア・ギッテンス公爵令嬢の取り調べが始まった。
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