50.青い炎
「何処だ。何処に有る?」
青い炎を追って中心街まで来たが、ぷっつりと青い炎は見当たらなくなった。
焦る気持ちを持て余しながら、四銃士は青い炎を探し回る。
「ありました!」
一人の騎士が声を上げて呼んでいる。
そこは中心街から少し奥まった場所にある屋敷の前だった。
其処には、一際大きな青い炎が燃えていた。
「!」
マーフィー伯爵から大量の黒い靄が放たれた瞬間、寝台下から転がり出たロイくんが青い大量の炎を放った。
ドォーーーーーーーーーーーーーーーーン!!
マーフィー伯爵の黒い靄とロイくんの青い炎がぶつかって真っ直ぐに屋根を突き破った。
わたしは風圧で寝台毎、窓辺へ吹き飛ばされる。
衝撃が凄い。
ロイくんは自ら放った火魔法が防御となり、立ったままマーフィー伯爵に対峙していた。
ガシャーーーーン
その時嵌め殺しの窓が雷魔法でキレイに壊され、窓から四銃士が突入して来た。
「ロージー!!」
エリオットとギルは寝台の前に仁王立ちし、マーフィー伯爵を睨み付ける。
マーフィー伯爵は不測の事態に顔が引き攣っている。
「何故、こんなに早く」
その隙にスタンリーがロイくんを窓辺へ移動させ、デュランは氷魔法でわたしの魔封じの拘束具をパキッパキッと壊していく。
四肢が自由になり、わたしはマーフィー伯爵の前に立った。
マーフィー伯爵の体は既に半魔物化している。
禁忌の闇魔法が魔物化を早めたのだろう。
「貴方がした事は許されません」
その言葉を合図に、デュランが氷魔法でマーフィー伯爵を氷結し、エリオットが雷魔法を打ち込む。
霧散した靄をギルが光魔法で浄化すると、コロリと魔石の様な物が転がり落ちた。
拾い上げるとそれはマーフィー伯爵の靄の色の石だった。
助かったのだと思うと急に腰砕けになり、ヘナヘナと座り込んでしまう。
「そうだ!ロイくん!」
その声で駆け出したロイくんはわたしの胸に飛び込む。
「ロイくん、ありがとう。
ロイくんが居なかったら、わたし心を壊されていた。本当にありがとう」
ロイくんは誇らしげに顔を上げるとにっこり笑って言った。
「だって、オレ、ロージーさまのごばんめのきしだから!」
スタンリーはわたしたちの横に跪くと恭しく言った。
「騎士ロイ。
君を聖女ロージーの5番目の騎士とする。
そして我々五銃士の一員だ」
騎士団に屋敷の捜索と事後処理を任せ、わたしたちは一旦王宮へ行く事になった。
この屋敷が王宮に近い事と、今後の対策を話し合う為だが、本当のところ、最前線で危険に晒されていた王太子を一刻も早く、連れ帰らねばならないからだ。
帰りの馬車が用意され、王太子とエリオット、わたしとロイくんが乗り込み、スタンリーとデュランは騎馬にての帰城となった。
帰り道、ロイくんが街灯を青い炎に変えて道標にし、それを辿ってあの屋敷を探し当てたと聞き、改めてロイくんの知謀に感心する。
「まだ8歳だよ?
信じられない。
それにわたしが危なくなったら、さっと飛び出してあの青い炎で護ってくれたんだよ」
ロイくんはニコニコしてわたしの膝に乗ってくる。
「8さいですが、ロージーさまとも8さいちがうだけです。あと、8ねんまってくださればけっこんできます」
「ん?そっかー」
16になれば結婚は出来る。
大抵は18を過ぎてからが適齢期だけど。
「おい、ロージーの騎士になる事は認めたが、結婚となれば話が違うぞ」
王太子が青筋立てて8歳児に抗議するのは違うと思うけど。
「本当に今日はありがとう、ロイくん」
ロイくんはわたしを見上げニコッと笑う。
不覚にもドキッとしてしまった。
いや、この子、将来間違い無くエリオットも真っ青のモテ男になる。
そう確信したのだった。
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