表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/87

35.ジレンマ

 

 デュランがラーズでの処理を副官等数人に任せたので、わたしたちは帰路に着く。


 捕縛した破落戸達はラーズの憲兵団から借り受けた護送馬車に乗せたので、結構仰々しい一団となってしまった。


 エリオットとわたしが乗って来た馬車には、可愛い3人の女の子たちが同乗する事になって。


「エリオットさまは、どんなじょせいがすきですか?」

「エリオットさま、すてき!」

「エリオットさま、こわかったのであたまなでてください」


 うーん、何だろう?

 この幼女ハーレムは。


 馬車に乗り込んだ時も席取り合戦が勃発し、一瞬血の雨が降りそうだった。


 エリオットは知らぬ間に()()の魔法でも使っているのだろうか。


 それにしても、誰ひとりわたしの横に座らないのはちょっと凹みました、はい。


 結局、見かねたエリオットがわたしの横に座る事になったんだけど、女の子達の視線が怖い。

 そして、ハニーブロンドのミリーちゃんが遠慮なく言葉の暴力を振るう。

「エリオットさま、ロージーさまとはどういうかんけいですか?」


 うっ!

 密かにダメージを受けるわたしを横目にルーちゃんが小さな声で諌める。


「ロージーさまはこんやくしゃだって」

「えっ!うそ、うそ、やだーー!」

「こじいんへきてくれたときにいってたでしょ?」

「きいてなーい!」


 やだ、とか、聞いてない、とか。

 自由だ。


「ロージーは私にとって何よりも大切なひとだ。だから結婚するんだよ」


 エリオットの惚気みたいな言葉に女の子たちが動揺する。


「やだやだやだ!」

「あたしとけっこんして!」

「…………」


 ミリーとジェシカが大騒ぎする中、ルーちゃんはひとり黙り込む。


「ルーちゃん?」


 ルーちゃんはわたしをじっと見つめて涙目になる。


「ど、どうしたの?

 また、怖い事思い出した?」


 ルーちゃんは頭を振る。


「ちがうの。

 ロージーさまはいのちがけでわたしたちをたすけにきてくれたでしょ。

 だから、やっぱり、ロージーさまはエリオットさまにふさわしいひと、」


 そこまで言ってルーちゃんは大泣きになる。


「えーんえんえん」


 エリオットはふっと微笑み、優しくルーちゃんの頭を撫でる。


「ルーは俺とロージーがお似合いだと認めてくれたんだよ」


 それを聞いたミリーとジェシカも盛大に泣き出す。


「あーんあんあん」

「うっうっうっ」


 3人の女の子たちの初恋に終止符が打たれた。



 泣き疲れて眠った女の子たち。


「眠ったね」

「ああ」

「……ヘルミナはこれからどうなるの?」

「操られていた事は魔法鑑定で容易にわかるだろうから、極刑にはならないだろう。

 おそらく、何処かの修道院送りで済むと思う」


 幼女誘拐だけでも本来なら極刑なのだから、修道院送りは無難と言えるのかもしれない。


「マーフィー伯爵はきちんと処罰されるよね?」


 その後ろにいる黒幕はまだしも、マーフィー伯爵だけはきちんと処罰して欲しい。


「いや、操られていたヘルミナの証言だけでは不十分だろう。

 魔法鑑定でマーフィー伯爵の関与が証明出来れば良いが、恐らく手は打たれているに違いない」


「それって、捕まえられないって事?」

「あの廃屋から何か証拠が出て来れば良いが、彼処は一時的な拠点に過ぎない様子だったからな」


 確かに何か実験や魔法が使われた形跡は無かったけれど。


「じゃあ、マーフィー伯爵は野放しって事?」


 余りの理不尽さに声が大きくなる。


「しぃー、ロージー。

 子どもたちが起きてしまう」


 エリオットはわたしの肩をそっと抱き寄せる。


「もちろん、重要参考人として取り調べる。

 今回の事件も公表する。

 そうなれば、奴等も大分身動きが取りづらくなるだろう」


 そんな。


「兎に角、子どもたちを救う事が第一だった。それ以外はこれからだ」


 そうだ。

 子どもたちが無事だった事、それこそがいちばん大切な事だ。



「でも、こんな事をした卑劣な犯人を絶対に許さないし、きちんと裁きを受けさせないと!」

















お読みいただきありがとうございます。

ブクマや下記↓⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★評価で応援していただけると、とても頑張れますので

宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ