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ボクの一方的なみんなへの想い  作者: 架吹明音
8/23

みんなへ 8

おはよう。


初めてかもしれない。自分からみんなに挨拶をするのは。いつもは、されたら返すだけだったから。


だからかな。一瞬みんなに驚いたような顔されたのは。でもすぐにおはようって返してくれた。


挨拶ってやっぱり気持ちがいいものなんだね。


今日初めて実感したかもしれない。


悲しいけど、今日はしっかりといわないとだめだよね。


自分から言わないと、言われちゃいそうだし。特に入江さんに。



ボクは自分からみんなの集まっている机の近くに行った。


はぁ、自分から引っ越すっていうことを話す勇気ってたくさんいるね。


ボクはその勇気が少なくて言い出せそうにないけどなぁ…


不安に押しつぶされそうっていうのもあるけど。


入江さんの言ってたこと信じてみようかな。


あ、あのさ、み、みんなに話さないといけないことがあるんだ。

ボクね、明日にイギリスに引っ越すことになったんだ。


いえたぁ。でもみんな黙ってるよ。どうしたのかな…


そうなんだ…かなしいな…  とか

イギリスって遠くない?   とか

悲しいけど、君は悲しい顔嫌いだもんね。泣かないよ。  とか

手紙書いてよ。  とか

イギリスがどんなとこか教えてぇ~  とか


みんなやさしい人だなっておもった。


言ってよかったのかもしれない。


ふと入江さんを見るとボクにほらね、言ったでしょとでもいうかのようにウインクしていた。


ありがとう。


これが最後。ここにはまた来たいな。


ボクはまたここにもどってくるような気がした。




そしてボクはみんなに会わずそっと引っ越していったんだ。


悲しい顔は見たくないし、見せたくなかったから。

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