那由多有生
UNIBARSALの短篇集になります。
登場人物
識名理岳
紫翠誠
紫翠了
神宮皇
紫翠煌葉
那由多有生
識名智岳
那由多有生32歳4月18日
私の始まりはここから100年以上前、自分の容姿に自信がすごくあったの。どんな男の人も女の人も私と話したら嬉しそうに笑ってくれるの。
だからずっと気楽に楽しそうにしてたら、うまくやっていける。ずっとそんな気楽で無神経に人生送っていけるって本当に思っていた。
でも25歳の頃状況が変わるの。お父さんが仕事場で失敗しちゃって家に帰ってきたら私に強く当たるようになった。
みんな私の家族って順風満帆。何にも辛いことがなかったのに、お父さんだけおかしくなって家族全員が落ち込み始めて…。
私はそんな家に居たくないから。ずっと外で友達の家や彼氏の家に泊まるようになったの。
みんなの家庭を見ていると分かった。
私の家族ってうまく行ってなかったんだなって。
だから私、本当は誰かの奥さんになって子供と一緒に楽しく暮らして、それでずっとお父さんの帰りを待って暮らして行ければ良いなって本気で考えてたの。ても考え方変えてみた。みんなの家族を助ける仕事、特務の監査員になることになったの。でも私の家族の番になった時、私の家族はもっとおかしくなってた。絶対に助けたいのに家族のことほっといて仕事のために切り捨てようとしたの。
私、もうどうでも良かったのに。誠さんが助けてくれたの。誠さん、お父さんと一緒に話して3時間ずっと話を聞いてるだけだったのに。
誠さんのこと、お父さんが信じてくれたの。
お父さん、今もおかしくなってるけど、私の家族、どうにかなってきた。お父さん、家にいるけどお母さんも許してくれた。
淏葉君は誠さんのこと、あんまり好きじゃなかったけど自分から仲間に入りたい、家族守りたいって言うようになったの。
口下手の淏葉君。いろんな言葉で一生懸命理岳君に話すようになって、みんなの意識を変えた15歳の男の子。あの子のことずっと守ってくれる、ずっと信じて理岳君に決めて良いか、決めて良いかってずっと私の言葉を待ってる。だけどまだ理岳君のこと認められない。
私の家族がどんなにボロボロになっても、いつか、いつかいつかいつか。私の王子様来てくれるはず。それまで気楽に演じながら。気ままに話しながら。私を認めてくれる人。ずっと探すの。
ずっと探しておばあちゃんになって見つけても、私ずっと1人でも。私は私。ずっと愛してくれる、好きでそばに居てくれる人。
"あの人"ってみんなの意識の中にずっといるけど。一体どこに居るのかな?
「ねぇ理岳君。私の好きな人ってどこに居るか、分かる?教えてほしいんだけど?」
「えっ俺知らない…。なんで?」
「私の好きな人知ってるんじゃないの?眼!眼見たでしょ!分かるんでしょ!」
「いや、分からない。ごめん」
「…うん、分かった。…これから理岳君どうするの?」
やっぱり"あの人"の弟!この子感覚で言えば良いのに!分かってない!信用できないって言ってるの!私の探してる人、眼見たんだから分かってるはずでしょ!
「うん、兄ちゃん探すの?」
「はぁ〜…バカにしてるの?ねぇ?」
「えっバカにしてない…と思うけどなんで」
「今から!チームで動くんだから!頼むね!
あなたがチームの斥候でリーダーで総括する人!誠さんはずっと後方で支える人!いい!
私、理岳君についていかないといけないんだから!頼むね!」
皇ちゃんのそばにいればどうにかなってるこの状況!ほんといいい加減にしてほしいの!
あの子のこと!本当に大丈夫なの!?
私は恥ずかしくて皇ちゃんの顔が何も赤くなってないからどっちが"本物"なのか分からないの!
見てたらあんな場所、ずっと居られないのに!みんな見たらクスクス笑ってるから本当に困るの!
本当に智岳君の居場所わかってるの?早く見つけてね!
「ねぇ、誠さん。私少し出かけるところあるから、いい?ここ離れても?」
「うん、いいよ。頑張ってね」
「…うん。」
今日は休みの日。理岳君ずっとあの子のそば。
あの子自分の価値を全ちゃんに渡してる。
大丈夫なのかな?
ずっとあの子の力が分からない。
アダマンタイト。持ってないと思うけど、どこにあるのかな?
ずっと目的地を徒歩で歩く。あんまりバスを使うと景色をゆっくり見れないから一日中歩いてもいいから景観を見ながら過ごしたい。
この街は10年前とは見違えるほどに変わってしまった。10年前、"皆んな"知ってるあの事件。
廃墟ビルの中にいろんな検査員が配備されて、国って何してたのか分からない、何の調査?って皆んな言ってた。ニュース見ても必要ないことばっかり伝えられて、皆んなの記憶には"何も事件のことなんか知りませんよ。皆んな興味無くなりました"これ待ってたみたい。あの事件、誰も死んでないってお父さん言ってたけど、何だったんだろう。
街を歩く。綺麗に整備されて自分の住んでるところにもたくさんのお店ができてきて嬉しい気持ちになってきた。
今日の服は自分を表すような、少しゆったりした服装で綿生地のタンクトップにデニム生地風の柔らかな丈が少し長めのジャケット、パンツはジャケットより少し暗めの色のシューパンで外に出かけることに決めた
居住区の街の歩道をずっと歩く。この区画の歩道を歩いているといろんな店が立ち並んでいる
肉料理中心のお店、軽食のテイクアウト店、コンビニのような無人販売店、スイーツを全面に売り出しているカフェ店。
居住区でずっと部屋に閉じ篭もる人はあまり居ない。居住区の場所で生活することは少なく、寝泊まりするところ。何かの作業するのであれば外に出てお店に入って仕事をする人が普通の日常になっている。
この世界においてお金はあってないようなもの。みんなは生活するための財産を全て"都市"が管理しているから、簡単に言えば社会主義都市と言った方が適当だと思う。
自分のやることはひとつだけ。仕事は自分に一つだけ割り振られて失業する必要がない。自分の記憶と能力でその仕事を"達成"することでずっと遊んで暮らせるような都市運営がされている。
この都市に政治家、営業勤務、事務処理、勉学する時間は無く、時間通りにに起きて同じ作業をしながら役割をこなす。自由は溢れるぐらいに享受されて幸せな国。そんな都市で人間を育てるのが究極の目標である"人力主義国家社会労働運営都市"。10年前に発現した超能力だけが都市を支配する4つある内の一つの国。ずっと働くでは無く、ずっと遊ぶでは無く、ずっとずっとずっと人間として生きていける場所。天国は楽しくない、地獄のような人生は嫌。不便に暮らしながら快適な心でいられる場所。
優は歩道を歩きながら都市を見渡している。目的地まであともう少し。歩きながら今日持っていく軽食とスイーツを少し手土産にしたい。
どれも高い価格設定になってるから、まだ日がのぼって間もないため、価格設定は少し割安。
仕事に行く人、今から資料を見ながら忙しなく眼を動かして考えている人、子供を連れて、学業産業区へ向かう子連れの家族。
バケットサンドを買うことに決めた。価格は現代で換算すると1万6000円。価格に見合った食材が扱われており、人によって買う商品はさまざま。優は高い商品を買うのは気分によってだが、いつも高いものを買うわけではない。
今日は特別な日になるはず。希望を持っていきたい。スイーツは隣の綺麗な明るい赤のレンガで建てられた景観のお店で買うことにした。私の一番好きなチーズケーキサンド。
ショートケーキはあまり好きでは無く、持って食べる簡単なスイーツが好きだ。
このお店は私の好きなお店。従業員にわたしの友達がいる。その子は今でも仲良くしてくれている大切な人。早く結婚すれば?そんな軽口叩かれながら、ずっと話し相手をしてくれる男の人。
お店に入ると分かる。今、忙しいみたい。
自分の好きなスイーツが店頭に並んでいるのを見ながら友達がいるのかお店の周りを見渡す。
ガラスの向こうで真剣に働いているのが見えた。
この友達は頭が良くて、いろんなことに興味があった。私と話している時はとても優しくて好きな話題をたくさん出してくれる人。今でも、たくさん自分の失敗談をして、いつも僕ってバカしてるよー。私を本当の親友だって真剣な顔して言ってくるバカの代表みたい。
今気づいた。手を振っている。早く仕事したら?指差して言うと、分かってるよー。嬉しそうな顔。
チーズケーキサンドを3つ買って、手土産を持って私の覚悟も持った。
今日会いに行く人、友達は私がどんな人だって分かっても嬉しそうに笑ってくれた。
すごい人なんだって子供みたいに無遠慮に私の人生を笑った親友の男の人。
恥ずかしかったのに、それをまた笑われた。
嬉しかった。とても嬉しかった。私を分かってないのに。
私の相手をする、とても大事な人。
今向かっているのは居住区のミーティングルーム。とても広い空間で無料でいろんな運動施設や飲み物を貰えるところ。ここでは居住区で暮らす人の憩いの場所。
ここには15分前に到着した。ガラスに映る自分を見る。
うん、大丈夫。綺麗な顔してる。大丈夫。
ずっと下を向きながら相手を待つ。
今日会いに来たのは6年前に会った男の人。
私のことが好きだ好きだってずっと言うから、
みんなに付き合え!結婚しろ!こんないい人いないぞ!結婚し・ろ!すごく強く言われて一緒になった。
結婚生活は短かったけど、みんな好きな男の人。みんな、家族も大事。友達も仕事仲間も。
子供も大事にしてくれる、とてもいい人。
俯いたまま黙ってる女の人がいる。あぁ、またそんな格好で来たんだ。まぁいいかな。
「おはよう」
また黙ってる。怒ってないから顔見せてくれたらいいのにな。
「おはよう、ゆうちゃん」
「おはよう」
「今日ね、子供は学校で待ってるみたい。一緒に行こうね。大丈夫。みんなにどう言われたってゆうちゃんのことしか僕見えてないからね」
「うん」
どうしようかな。今言ったら怒って帰るなぁ。
もう少し待とうかな。
「ゆうちゃん、この頃ね、ゆき君ね、頭良くなってきたのか分からないけどね、お母さんすごい人なの?って嬉しそうに私のところで話してるの。ゆき君ね、お母さんのこと気にしてるみたい。ゆき君ね、今家族にどうしたらお母さんが自分の家に来てくれるか考えてるみたいだから。ゆうちゃん、僕と一緒に暮らして、ゆき君と会う準備しない?」
ずっと黙ってる。うん、僕失敗したなぁ。
どうしよう。あぁ、うん。楽しみだったのか。
うん、今話題変えてみよう。許してくれるかな?
「ゆうちゃん、私ね。今日どんな服着てるか見てくれる?ゆうちゃん?いい?」
あぁ、良かった。顔あげてくれた。うん。僕の好きな人。うん。分かってるよ。うん。好きな人の顔。あーあ、分かったみたい。今日デートするのに。そんなもの買ってきて何してるのゆうちゃん。今から歩いていろんなところ遊びに行くんだよ?もーう本当にこんな大事な時に女の子になっても仕方ないでしょ。ちゃんとしてね。お母さんなのに。頼むよゆうちゃん。
誠くんも大変だよね。まだまだかかりそうだなー。まぁそんなところがすごくいいんだけど。
あぁ、うん。分かった?うん、今日どこ行くと思ってるの?そんな格好してたら最初公園でそのご飯食べて、ゆっくりしてないと水族館行ったら寒いでしょ?あぁ困るなー。また俯いた。
笑ってるのー?僕も一緒。"ずっと一緒"
どんなになっても大丈夫。その覚悟でずっと私といたいんでしょ?もういいから頑張ってきてね?
ゆうちゃん、ずっと変わらなくてもずっと大切な人。ゆうちゃん、頑張ってね。みんなを救いに行くんでしょ?分かってるよ。もうこの場所無くなってもずっと居ていいって言われてるんだから。いいよ、行ってきてね、ゆうちゃん。
ずっとずっと大事な奥さん。子供みたいなのにずっと大事な女の人。
絶対助けてね。"あの子"ずっとあの子を待ってるよ。分かるでしょ?分かってね。
僕の気持ちもね
短篇集にするため、本編に登場する登場人物、全ての人生を救いにいくことに決めました。多分死にました。
時間のある人は僕に合唱して祈ってください。願いが叶いますよ⭐️




