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転生皇女はヤンデレ達と遊びたい  作者: 池田ショコラ
第1章 ここは私の楽しい異世界
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1-3 完璧執事、レイ・クレバンス

 なんと、1歳の誕生日プレゼントは執事だった。

 クレバンス伯爵家と言うところから来た8歳の男の子で、青みがかった白銀の長髪を束ねた金と薄紫のオッドアイの持ち主。視力が悪いのか、金色の目の方には片眼鏡がある。


 その子は恭しく跪き、忠誠を誓ってくれた。


「本日から姫様の教育、兼お世話係となりました、レイ・クレバンスと申します」

「よよしくねー」


 今後ともお世話になるので魔法で青い紫陽花も作ってあげた。


「姫様……! ありがとうございます。我が家の家宝にさせていただきます」


 大げさだなぁ。

 姫だからって持ち上げられるのはあんまり好きじゃないんだよね。

 でもすごく嬉しそうだからよかった。


 やってきた当日から、レイはすごい勢いで仕事を始めた。


 まさに完璧執事と呼ばざるを得ない。

 こんな人材、どこから獲得してきたのだ?


 これが最初に感じたレイへの職務評価だった。


 私の執務室――もとい遊び場は整然と片付けられ、本来の執務室への姿へと変わっていた。

 本棚には私が今欲しいと思っている本が並べられており、タイトルを見るだけでも例えば"魔法の基礎入門"とか"1冊でわかるこの国の歴史"とか、チョイスが絶妙だった。(なんで私の読みたい本がわかるんだ……)


 正直1歳が読む本ではないのだが、私の精神年齢と語学力を考えれば妥当なところだろうか。


 しかし優秀すぎるのも考えもので、何でもレイが率先して私の世話をしたがった。


 例えば食事。

 もう1人でスプーンを持って食べれるのに、食べさせようとしてきた時は、手先の訓練にならないから「れんしゅーしたいの!」と言ったらハッとした顔で謝罪してくれた。


 そして読書の時間でも、私が本を持たないように隣に座り、私の目の動きに合わせてページを捲る始末。

 それはそれですごい技術だけど、やっぱり手の動きの訓練にならない。

 「ひとりでするの!」と注意すると、これまたハッとした顔で謝罪してくれた。


 一度失敗すると2回目の失敗はなくて、さらに精度が上がっている気がする。

 精度と言うのは、私に対する理解度なのだけど。


 3歳になり、さらに私の好感度を上げたのは、ゲームを遊んでくれると言うことだった!

 エレナは積み木や絵本などの幼児の遊びには付き合ってくれるが、ボードゲームのような大人な遊びは、まだ早いと言ってやってくれなかった。


 しかしレイは違った。

 トランプにリバーシ、チェス。

 この世界には前世で知られたゲームが存在している。

 異世界なのに、地球の息吹を感じるのは不思議な感じだけど、知ってるゲームがあるのは嬉しい。


 遊んだ時に「こういったゲームは遊んだことがありませんでしたが、姫様のおかげで知ることが出来て嬉しいです」と、年相応な反応をしてくれた。


 レイはいつも無表情だけど、ゲームをする時は少し優しい目になる気がする。

 初心者なら尚更布教は大切だ。レイに合いそうなゲームを探さないと。

 

「きょうはなんのげーむするー?」

「こちらなどはいかがでしょうか?」

 

 レイはトランプ遊び方一覧を見て提案してくれた。

 これは、神経衰弱だね。


「やろー!」


 早速始めたけど、レイも私も記憶力が良すぎて開いた手札は全て覚えられてた。

 だから完全な運勝負になってしまった。


「うーん……」


 結果は私の勝ちだけど、運勝ちはちょっと味気ない。


「ぽーかーとぶらっくじゃっく、どっちがいい?」

「では、ポーカーで」


 やっぱり、カードゲームは心理戦の方が楽しいよね!


 ルールはテキサス・ホールデム。

 チップもちゃんとあるし、役の表もそれぞれ一枚ずつあって、初心者にも優しい。


 まず場にカードを3枚を表、残りの2枚を裏にして置く。


 そして2枚自分の手札を引いて、自分の手札と場にある表のカードを合わせて役になるか見て、チップを賭けるか考える。

 

 ふーん。

 レイはやっぱり慎重派だね。

 確実に勝てる時しか勝負しない。

 ま、それだけじゃ私に勝てないんだけどね!


 最終的には私がレイに大差で勝てた。


 他のゲームもプレイしてみたけど、レイはあんまりこういう心理戦のゲームは得意じゃないみたい。



「……私では姫様を楽しませる実力がありません」


 や、やばい。

 ゲームをプレイしてみてどれがレイに合うか見ていくつもりだったのに、勝ちすぎてしまったみたい……。


「そ、そんなことないよ! あそんでくれるだけでうれしーの!」


 こんなところで遊び友達を失いたくない!!


「であれば、他の得意な者を探すのが1番だと思いますが、お探しいたしましょうか?」

「……」


 レイの言いたいことはわかる。

 完璧執事はどこまでも私のために頑張ってくれるのだ。

 でも……。


「……レイとあそびたかったのに」

「……!!」


 この感覚はあれだ。

 親兄弟でゲームするのは楽しいけど、友達とするのはもっと楽しいと言うか、接待プレイとか実力差とか色々あるのはわかってるけど、仲良くなった人と一緒にゲームするのが良いんだよ。


「姫様……」

「いいの、わかってるから」


 負ける側って言うのは、ゲームに興味と向上心がある人なら負ける事を楽しめるけど、そうじゃないなら苦痛なだけだもんね。

 まぁ、そこを加味して私は遊び友達と言う名のレイに接待プレイをするべきなのだ。

 だって、私が遊びたいんだから。


「そのかわり……わたしがげーむでまけたら、なんでもする! どんなめいれいもやるよ!」


 そう、これだ!

 負けるつもりは毛頭ない。

 だとしたら、相手のモチベーションを維持するのも一種の接待プレイと言っていいだろう。


「左様でございますか……。ゲームでしたら何でも良いのですか?」

「うん!」

「かしこまりました。私が勝てそうなゲームを探して参ります」


 よぉし、しばらく遊んでくれそう!

 こうやって切磋琢磨して強くなって、その上で相手を負かすのが最高に楽しくて生きてるって感じがする。

 まさに生の実感を感じるってヤツだね。

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