間話 計画
「さて、今後のゲーム開発部の予定を伝えます!」
ドミニクの工房にリーン、レイ、ルヴィアを呼び出した。
「現在稼働している工場で生産したゲームの売り上げで市民街にアジトを購入して、今後はそこを拠点にしようと思います!」
秘密基地、一度作ってみたかったんだよねぇ。
さすがに会議のために毎回ドミニクの工房を間借りするのは気が引けてたのだ。
「それから新しいゲーム案があれば企画書を出してください。あと、仮想現実のゲームについてなんだけど……」
実は致命的な欠陥がある。
毎回ルヴィアの魔法珠に触れる必要がある。
フルダイブのゲームが出来るならルヴィアにキスしてもいい気がしてきたけど、死人が出そうだからやめておこう。
「アリア様、ドミニク様の幻惑の魔法を使えば出来るんじゃないですか?」
リーンがいいところに気づいてくれた。
「ふふん。私も一度そう思ったんだけどね。あれは夢だから食べたり飲んだりしてもお腹は膨らまないし、大人数でオンラインしようとするとただの集団幻覚になっちゃうからボツ! 個々にセーブできないし」
「VRって食事の概念ありましたっけ……?」
「あるかどうかじゃない! あるべきなんだよ!」
お腹が空いたらゲーム終了なんかにはさせないゾ!
「アリア、それなんだけど何とかなりそうだよ。魔昌石さえあればルヴィアの魔法を貯めれるから、あとは幻惑魔具を応用すれば」
「て、天才!!」
そうか、ハンスからもらった魔昌石はもう魔法が入ってるから使えないけど、魔昌石に入れちゃえばキスする必要がなくなる!
「俺は褒めてくれないのー?」
ルヴィアがジト目で聞いてくる。
「もちろんルヴィアもだよ! この案、ルヴィアの魔法がないと始まらないんだから、よろしくね!」
「ただ、魔昌石は入手が困難なんだよね」
「どこで採れるんだっけ?」
私がちゃちゃっと採ってこよう。
「バーバリー領のその先、ドワーフ地下帝国だよ」
え……?
♢
さて、他国に勝手に入って勝手に特産物を取って帰ってくることは可能であるか否か。
「お前は何を言っているんだ!」
「お父様、そこをなんとか!!」
「ドワーフ地下帝国なぞ国交すらないわ!」
「じゃあ私が使節団として向かいます!」
沈黙が落ちた。
許可を得ようと父の執務室に押しかけたはいいが、やはり密入国した方が良かったかもしれない。
父が何やら考え込んでいる。
「はぁ。そうだな、騎士団長に勝てるぐらいお前が強かったら考えないでもない」
騎士団長ってラビットさん?
「そんなことで!?」
「――それと、グリダニアン学院入学レベルの勉強だ」
な、なんだと!?
そこってたしか海の向こうにある中立都市の学院の名前じゃなかったっけ?
あそこ十六歳が入学年齢だよね……。
って、今十二歳だよ!? 正気か!?
「ふん。大人しくしていろ。……お願いだから」
「そんなことで私を止めたと思わないでくださいね……お父様」
やってやろうじゃない!
ラビットさんに勝って、勉強も終わらせて、絶対にドワーフ地下帝国まで行ってやる!




