表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生皇女はヤンデレ達と遊びたい  作者: 池田ショコラ
第2章 ここは私の知らないゲームの世界
30/71

間話 レイルート

 自室に1人佇むレイの手元には、"レイルート"と書かれた紙が握られていた。


 転生者であるリーンに書かせたその紙には、レイに関するイベントや、能力値、そしてエンディングが書かれている。


 乙女ゲームと呼ばれる世界の中のレイには3つのエンディングが用意されており、心中するバッドエンド、駆け落ちするメリバエンド、伯爵家当主となりアリアーデと婚約するハッピーエンドがある。


 どれも非現実的であり、とてもじゃないが真似できない。


「ゲームの中の私は、なぜ壊れているのでしょうか?」


 バッドエンドに分岐するためには、アリアーデがレイを拒み続け、最終的に自立しようとするとバッドエンドになると書かれている。


 ――なぜゲームの私は主人を殺したのか。


 メリバエンドに分岐するためには、アリアーデがレイを受け入れ、伯爵家に行かずに皇位継承権を放棄するとメリバエンドになると書かれている。


 ――なぜゲームの私は主人を困らせたのか。


 ハッピーエンドに分岐するためには、アリアーデがレイを受け入れ、伯爵家の問題を解決して、執事を辞めさせるとハッピーエンドになると書かれている。


 ――なぜゲームの私は主人の執事を辞めたのか。


 ――なぜ私は主人を愛しているのか。


「姫様に愛されると、壊れてしまうのでしょうか?」


 それともすでに、私は壊れていたのでしょうか?


 主人に仕える上で、恋愛感情など持ってはいけない。

 そんな当たり前な事もわからないようでは、壊れていてもおかしくない。


 手に持っていた紙を乱雑に机に投げ、椅子に座る。

 もう何度も見直した他の攻略対象者(ハンス)の紙を手に取り、とある一文に注目する。


「彼にとって愛とは破壊であり、彼に愛されれば主人公は壊れてしまう。だからこその隠しキャラで――」


 バッドエンドしかない。


 思い浮かぶのは、ウルヴァ討伐の際にハンスに連れて行かれた主人の事だ。

 あの時の喪失感と得体の知れない感情が、再び蘇る。


 気持ちが悪い。

 吐き気がする。


 主人がこの手の中から奪われ、もう二度と戻らないとしたら。


 気持ちが悪い。

 主人を取り巻く全てを殺し尽くして、安堵を得たい。


 ああ、そうか。

 本当の気持ちは。


 今まで逃げていた、本当の気持ちが心の中を埋め尽くしていく。


「この感情は姫様のためにはなりません……」


 今はまだ。

 幼い主人には重すぎる感情だ。

 例え中身が成熟しているとしても、主人の、彼女の負担になるわけにはいかない。


 だから今は。


「私が壊れるその日まで、私は姫様のために――」


 全てを捧げよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ