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【後編】第九十九話 誰も知らない語らい

――それからどれだけ時が経っただろうか


二人の姉妹は宇宙の片隅、小さな小惑星に腰掛け静かに語り合っていた。


「私達も色んな事があったよね、お姉ちゃん」

ミルキィが笑顔で話かける。


「そうね」

目を伏せて口元に僅かな笑みを浮かべるミルフィー。


「私が生まれた日の事……いつの事だか、もう思い出せないけど。何か激しい戦いをしたんだよね……」

ミルキィが遠くを見ながら呟く。


「あんな経験をして忘れてしまうなんて、どうかしてるわ……本当バカな妹」

困ったように眉を下げるミルフィー。


「なにお姉ちゃん! お姉ちゃんは生まれた日から大きかったみたいだけど、私は本当に幼かったんだからね!」

姉に詰めよる妹。


「そうね……生まれた日の事を覚えてろなんて私も悪かったわ」

姉は穏やかな表情に戻る。


「でも……覚えてる事もあるよ……」

ミルキィの表情が僅かに曇る。


「ミルキィ、それ以上言わなくていいわ。本当に、あなたは良い子。私の大切な自慢の妹よ」

ミルフィーは優しく妹に言葉を返す。


「お姉ちゃん……」


「でも、そこは別にあなたの為じゃないんだからね、とか言った方がさ、お姉ちゃんらしいって」

ミルキィが茶化すように言う。


「そうね、でも言わせて頂戴。ありがとう、ミルキィ。私の可愛い妹」


「な、なんか照れる……というか、なんだか逆に怖いよ、お姉ちゃん……」

ミルキィが困惑しながら呟いた。


「でも私も、お姉ちゃんが大好きだよ。これからも一緒に頑張ろうね!」


「ミルキィ……」

ミルフィーは笑顔で見つめた。


「なんてね。お姉ちゃん、いつも怖いし厳しいもん! 嫌い!」

ミルキィは悪戯な笑顔で姉ミルフィーに言う。


「あら、それなら今よりもっとビシビシいこうかしら?」

ミルフィーも悪戯な笑顔で返す。


「お姉ちゃん素直じゃないもん! だから私も素直にならない!」

ミルキィが笑顔で姉ミルフィーに言った。


「心のうちは届いたわ。ミルキィ……ありがとう」

ミルフィーは笑顔で言葉を返す。


「私こそありがとう、お姉ちゃん」


「……ねえ、お姉ちゃん」

ミルキィは、少し恥ずかしそうに姉を見る。


「なあに、ミルキィ?」


「久しぶりに、あのお話聞かせて」


「ふふ、いいわ。」

ミルフィーは静かに語り出した。


「……むかしむかし、この宇宙には、すべての命を守る双子の兄弟、ウルヴァとヴァーラがおりました――」



――二人の姉妹の、誰も知らない話であった。


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