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それからのクリスタニア〜静かな海に灯はともる  作者: おーがすてぃーぬ


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爆食が止まらないー筋肉ゴリラたちの焦り

筋肉ゴリラたちの

『キャプテンの娘輸送ミッション』です

サプライズ大成功の賑やかな雰囲気のまま、ソブリンは船内パーティーの時間を迎えた。


日向キャプテンは、ゲストたちに挨拶しながら、ハリス社長のプロポーズ成功を祝う言葉も忘れない。


ステージ横で正装のまま、リヒトは笑顔を張りつけていた。その笑顔はやや引き攣っている。


(クソ!!さっさとイギリスに行っちまいたいぐらいだ!)


ふと気づくと、松の舞台では、美しい舞踊が披露されている。


静かな三味線と尺八の音に合わせて、日本の海を思わせるような艶やかな踊りだ。


踊っているのは、日向キャプテンの娘夏葵だが、リヒトは時折見せる流し目に日向キャプテンの面影を見た。


(あの目…日向キャプテンにそっくりだな。俺とレイコのベビーは、どっちに似るんだ?)


知らず知らず顔が緩んでいたリヒトの側に、二等航海士の三井がこそっと近づいた。


「キャプテン!今赤ちゃんのこと考えてたでしょ!どっちに似てんのかなーとか、思ってたでしょ!」


リヒトはハッとした。


「父親になるのも悪くないと思っていただけだ。」


やがて拍手と共に照明が明るくなる。

賑やかさが会場に戻って少しした頃、着替えを終えた夏葵が、いそいそとやってくる。


「お腹空いたー。」


それを見た二階堂と神崎は、

「あっちにビュッフェあるから、たくさん食べるといいよ。」


「安心して!いっぱいある。」


それを聞いた夏葵は、パタパタとビュッフェコーナーに向かった。


「いっぱいあるぅ♪」


よほどお腹が空いていたのか、夏葵は幾つものお皿に料理やスイーツを山盛りにし、テーブルでモグモグと食べ始めた。


最初はニマニマと見守っていた二階堂たちだが、あることに気づいた。


「ねぇ、皿積みすぎじゃね?」


「待って。陽太並みに食ってね?」


見れば食べ終えた皿が綺麗に積み上げられている。小柄な女の子が食べたとは思えない高さだ。


そこに、三井がやってくる。


「なっちゃん!今日もいっぱい食うね!スターフラワーの時より食ってる!」


三井は、入社後の研修でスターフラワーに行ったことがある。

その頃から夏葵とは仲が良かったのだが、よく食べる2人として、スターフラワーでは知られていた。


「あー♪陽太くん♪船のご飯、フェリーぶりだから、嬉しくなっちゃって♡陽太くんも一緒に食べよう♪」



2人が仲良く食べているまでは良かった。

だが、二階堂と神崎はだんだん焦り始めた。


「ヤバい。大食い大会になってる!!」


「何あれ!ちょっと!誰か2人回収しろよ!」


そして、筋肉ゴリラたちが満面の笑顔で、2人に近づいた。


「良かったら、部屋に持ってってあげるよ。疲れてるだろうし、ご飯食べたらそのまま寝れるでしょ?」


もちろん、三井の襟はしっかりと引っ掴まれている。


「何をしている。」


4人が一斉に顔を上げると、日向キャプテンが腕組みをして立っていた。


「あ♪お父さん♪お父さんもご飯食べましょー♡」


「夏葵、うまいか?」


「とっても美味しいですっ♪」


子犬でも見るような目で日向キャプテンが微笑んだ。


「そうか、それはよかった。たくさん食べるといい。」


筋肉ゴリラたちは内心つっこんだ。


(キャプテン!お願いだから娘部屋連れてって!!)


(大食い大会止めて!マジで!)


筋肉ゴリラたちの願いが届いたのか、富士崎社長がやってくる。


「あなた、なっちゃんたちと部屋で召し上がってらして。私はまだ席外せないけれど。あなたたち、キャプテンとなっちゃんたちを部屋にお連れして。お料理も一緒にね。」


筋肉ゴリラたちは、黙って敬礼をした。


こうして、華やかなクルーズ船で、元自衛官クルーたちのミッションが始まった。

よく食べる三井くんとなっちゃんですが、ある意味平和です。


さて、筋肉ゴリラたちはミッション完了出来るでしょうか。次回をお楽しみに!

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