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禁忌を犯せし魔女見習いは、愛しの王子と幸せになりたい。  作者: しゃこじろー


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四属性

 そんなやり取りと、苦い思い出に浸った後。

 私はペラさんと今後の予定を考えていた。

 すると、ペラさんが唐突にアルバ様とモモチの話題を出した。


「そうだ、せっかくだからベリル屋敷の四人で行きましょう」


 彼女の提案を聞いて私は真っ先にアルバ様の事を思い浮かべた。

 そして、とてつもない緊張感が襲ってきた。


 だが、行動力に溢れるペラさんは思い付きのまま動き始めていた。

 そして、あっという間にアルバ様とモモチを連れて私の元まで戻ってきた。

 戻ってくるなり、アルバ様は私を見つけると険しい顔つきになった。

 それは、まるで恨みがこもっているかのような目に見えた。


 かつては彼の目にたまらなく惹かれ、憧れたものだ。

 しかし、今は彼の目を直視することが出来ない。

 すると、ペラさんが焦った様子でアルバ様と私の間を取り持ってくれた。


「色々あるみたいだけど、私たちは同胞なんだから仲良くしましょう」


 ペラさんの説得の末、私達四人は属性見学へと繰り出すことになった。

 本館の多目的ホールで行われる属性見学の説明会。

 そこは、すでに新入生の魔女見習いが大勢集まっていた。


 私たちもその集団にまぎれた。


 ほどなくすると、周囲の喧騒を鎮めるかのようにベルの音が鳴り響いた。

 周囲は静まり返り、静寂の中からコツコツと大きな足音が聞こえてきた。

 すると、現れたのは分厚い体をした男の先生であり、彼は声を上げた。


「よーし、新入生は集まっているな、これから属性見学についての説明を始めるから静かに聞くように」


 はきはきと喋る大柄の先生はあまり見覚えのない人だった。

 その人は大きな咳ばらいを数回した。

 そして、身にまとう黒いジャケットをピシッと着直した。


「ゴホン、まずは自己紹介をしておこう。

 私は四属性全体の管轄をしている大泉 伯耆(おおいずみ ほうき)だ、主に高学年の属性魔法についての講義を行っている、よろしくっ」


 黒光りする髪の毛をぴっちり七三分け。

 たっぷりの口髭をなでる姿は相当ひげを気に入っている様子に見えた。


 動物に例えるならゴリラの様な人だ。

 大泉先生は、口髭を度々触りながら私たちの様子を眺めていた。

 それは、まるで私達を品定めでもするかの様子だった。


「ふむ、今年の新入生は聞いた通り優秀そうなのがチラホラいるな。しかし、それ以上に問題を抱えた生徒も同じだけいるというのも、また然りといったところか」


 大泉先生はそんなことを言いながらニヤニヤと笑って見せていた。

 その笑顔が優秀な生徒がいることを喜んでいるのか。

 はたまた、問題児をあざ笑っているのかは彼のみが知る事だろう。

 それだけに、大泉先生という人がとてもミステリアスに見えた。


「まぁ、なんにせよ君たちが今日するべきことはただ一つ、我がエルメラロード魔法学校における【四属性】のいずれかに所属することだ。

 【四属性】については、すでに斑鳩先生から学んでいるであろうから説明する必要もないと思うが、君達にはこれからそれらに所属し、多くの先生や先輩から指導を受けることになるだろう。

 そして、それが立派な魔女になるための最短最良の手段であることは魔女見習いの君たちは肝に銘じておかなければならない」


 長々と喋った大泉先生は疲れることなく次なる言葉を発した。


「さて、長話もつまらないだろうから早速始めるが、学校の本館には【四属性】の拠点が四つある。

 東に風、西に雷、北に水、南に火と、それぞれの位置に四属性の拠点があり、そこで各々の属性ごとに催しが行われている。

 自らが望む場所に行き所属する意思を示しに行くがいいだろう。

 そうそう一つ付け加えておくが、この中には四属性の囚われない枠外にいる者もいるだろうが、その者については自由にするがいい。

 ようするに、どこにでも好きな属性に入ればいいというわけだ。ただし、変な勘違いをして自惚れないように、いずれは皆同じ道を辿るものという事を忘れるな、とだけは言っておこう」


 少しそっけない言い方に思えたが、隣で一緒に話を聞いていたペラさんはなんだか嬉しそうにガッツポーズをしていた。

 大泉先生の話が終わると、先生の近くにいた魔女見習いの先輩と思われる人達が声を上げた。

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