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聖女から生まれました~母様に代わって聖魔法による慈悲と裁きを施しましょう。闇魔法?つ、使ってないよ?(洗脳魔法発動)~  作者: たゃんてゃん
第6章 魔道具作りと第3王子

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第73話 驚愕する0歳児


 会食をつつがなく終えた僕たち。

 部屋に戻った後は疲れていたのかすぐに寝てしまった。


 そして2日目の今日はアステラに手を引っ張られて城内を移動している。

 彼女とロロップで並んで歩き、そして背後にはゴレイヌが控えてくれている。


「着きました! ここが訓練場です!」

「へ?」

「昨日言ってたじゃないですか、私に訓練場へ案内してもらうって!」

「それは……」


 訓練場に案内して欲しいというより、グラウゼルをからかうためのものだったのだが。


「ふふ、冗談です! 実は見て欲しいものがありまして……少しだけ待っていてもらえませんか?」

「? はい」

「ぴょん!」


 一体何が起こるのだろうか。

 訓練場と言うものの、そこは城内の中庭に当たる狭いスペースでしかない空間だ。

 木人(もくじん)というのだろうか、訓練用の人形が設置されてはいるが。


「お待たせしました!」

「おお、その恰好は……」


 真っ白な半袖半ズボンに革の胸当て。いかにも運動しやすそうな恰好をしたアステラが出てきた。

 意外にも着慣れているようで動きにぎこちなさはない。


「アステラ、お待たせ……聖子様も、昨日は失礼しました」


 それと、昨日途中で退席した第2王子と思われる好青年もやってきた。

 若いな、10代後半だろうか。笑顔ではあるが、どことなく険しい顔をしている。


「私は第2王子のグラリオンと申します。今は王国軍第3軍騎士団長を務めております」

「これはご丁寧に。僕はイクラウス。こちらはロロップと言います」

「どもぴょん」


 『どもぴょん』とは。

 聞かなことにしてくれないかな。

 後で叱っておくから。


「はっはっは、イクラウス様は女性に好かれやすいみたいですね」

「……だと嬉しいのですが」

「さてアステラ。愛しの婚約者様に見せるんだろう?」

「はい!」


 見せる……何をだろうか。

 彼女の恰好を見れば予想はつく。

 だが、まだ彼女は病み上がりと言っても過言ではないはずなのだが……。

 そう考えている間にも、2人とも準備運動を終えて木剣を構え始めた。


「アステラ? まさか……!」

「見ててください、イクラウス様! あなたが治してくださった私を。そして、あなたの剣となる私を!」

「なにを……」

「では! 行きます!」


 呆気に取られているうちに、アステラが鋭い踏み込みでグラリオンさんに接近。

 そのまま木剣を横なぎに払う。

 

「ふっ!」

「むぅ……」


 しかしこれは容易く防がれた。

 剣と剣がぶつかる音が鈍く響いた。


「まだ余計な力が入っているよ。いいところを見せたくて緊張しているのかい?」

「そう、ですね……! はぁっ!」


 1撃目は防がれたものの、2撃3撃と剣を打ち込むアステラ。

 彼女の額を、汗が流れる。

 力こそ弱そうではあるものの、しっかり剣を振ってきたことが見て取れる打ち込み。

 すごいな、この短期間で。


「……そろそろいいかな?」

「はいっ! お願いします!」

「…………」


 しかし驚くのはまだ早かったようだ。

 グラリオンさんのその言葉のあと、急に空気が変わる。

 すると、今まで打ち込んでいただけのアステラの動きが変わったのを感じた。


「はぁっ!」

「……ふっ」


 グラリオンさんの上段からの振り下ろし、それを受けたかと思いきや――いつの間にかアステラがグラリオンさんの胴に剣を当てていた。


「ほう……」

「ゴレイヌ、解説求む。僕にはなにがなんやら」

「王子殿下の振り下ろし、その力を止めるでなく利用して体を回転させて反撃した、ということかと」

「なるほど」


 よくわからん。

 しかし……最近まで寝たきりだった少女がそんなことできるのか?


「再開するようですぞ……今度は王女殿下からの攻撃、軽く打ち込みを……ふむ、攻めは得意ではないようで――むっ!」

「あ、またアステラがグラリオンさんに剣を当ててる」

「誘い受けですな。非力な攻撃で相手を誘い、その攻撃に合わせた反撃」

「なるほど」

「おや、再び王女殿下から……これは……なんと」


 2度目の再開、今度はアステラ側からの激しい攻撃だ。

 早い連撃にグラリオンさんも防戦一方。

 しかし、なんというか……まるで踊っているように見える。


「すばらしい……動きの1つ1つに無駄がなく、全て繋がっている。剣を振り、防がれても、その力で……むぅ」

「どうした」

「激しい攻撃、ですが恐らく本人の力はほとんど籠っていない」

「なるほど」

「相手の力や剣の重さを利用し、体はそれに合わせて移動しているだけと思われます。病弱だった王女殿下らしいと言えばらしいですね」


 いやいや、だからってあのアステラがだぞ?

 喋るたびに咳き込んでいた彼女に、こんな動きができるなんて。


「ハァハァハァ……アステラ、降参だ、参った……」

「…………ふぅ」


 そして気が付くと、息も絶え絶えな様子でグラリオンさんが尻もちをついていた。

 一方のアステラは、息一つ乱さず、汗すら引いている。


「ご指導ありがとうございました!」


誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


明日は18時20分頃に投稿します!

よろしくお願いします!

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