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聖女から生まれました~母様に代わって聖魔法による慈悲と裁きを施しましょう。闇魔法?つ、使ってないよ?(洗脳魔法発動)~  作者: たゃんてゃん
第5章 闇魔法と不死者な少女

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第52話 死霊術師な0歳児


「近隣の町ででアンデッドが現れたそうですよ」


 ドクンと、胸が弾けた音がした。

 それは、いつも通り“聖癒(せいゆ)”を終わらせた昼下がり。

 ゲオルディクスから告げられた。


「へへへへへ、へぇ~~~……」


 まさか、もうバレたのだろうか。

 クゥのことはたった2日前の出来事だというのに。

 いや、あいつのことだ。頭でキャッチボールなんかしてて見つかったのかもしれん。


「ぼ、僕とは何の関係もない。僕とは、な……」

「? はぁ」

「本当にないってば!」

「そうとは言い切れませんねぇ~……」


 こいつの張り付いた笑顔が恐ろしい。

 あのお気楽娘め、覚えてろよ……!


「とある森の奥で見つかったゴブリンゾンビだそうですよ。近くの神官が対処しようとしたそうですが、歯が立たなかったそうです」

「む? ゴブリン?」

「はい、ゴブリン。それのゾンビですね」

「むむ、それは由々しき事態だ。きっと近隣の住民の方々も不安でいっぱいであろう。聖子として、心を痛めるばかりだ」


 よかった、本当に関係なさそうだ。

 安心した。

 今度クゥにお菓子でもくれてやろう。


「いえ、心を痛めるだけではなく。坊ちゃんに対処をお願いするかもしれません」

「なぜ?」

「対処に当たった神官は歯が立たず、討伐依頼を受けたBランク冒険者も命からがら逃げだしたと」

「…………」

「幸い、その場から動く気配はないようですが、放ってはおけませんからねぇ」


 まあいい。

 確かに気にはなる。

 なぜそのような強力なアンデッドが突然現れたか。


「そいうことなら、僕が行こう」

「おお、ありがとうございます! 坊ちゃんに主のご加護がございますよう」

「加護はいらんから金をくれ」


 これから入用になりそうなのだ。

 あの元気娘が手加減してくれるのを祈るしかない。


「では早速――」

「すんごーっ! この花瓶ぴかぴか光ってるーっ!」

「ク、クゥちゃん……! 触ったら……だめー!」


 部屋の外から聞こえた、騒がしい声。

 退出しようとしたゲオルディクスの動きがピタリと止まる。


「わはっ! お花もきれいだなー! あっ――」

「あぁ……お花が千切れちゃった……!」


 張り付いた笑顔はそのままに、こめかみのあたりがピクピクしている。


「あ、マリン! あっちの部屋いってみよー! 競争だぞー!」

「クゥちゃん! 走っちゃ……だめー!」


 ドタドタと、2人分の走る音が聞こえる。

 まったく、マリンの奴め。


「はっはっはっ、子どもは元気が1番である! マリンも以前より明るくなっている気がするぞ!」

「ははは、そうですねぇ」


 まずい、ゲオルディクスの笑い方がいつもと違う。

 これはマジのガチな奴かもしれん。


「いい加減にしろお前ら! 教会の中を走り回るな!」

「ぐぇ、苦しい……」

「ご、ごめんなさい……」


 間もなく神官に捕まったようだ。

 さもありなん。


「――失礼っ」

「む?」


 それを聞いたゲオルディクスが部屋を飛び出る。

 さてはついに捕まえたいたずらっ子にお仕置きをするつもりだな?


「貴様ッ! いくら悪戯したからといって子どもを痛めつけるとは何事だ!」

「えっ! あ、これは教皇様! しかし――!」

「しかしも糞もあるか! 子どもは国の……世界の宝! 子どもの心に傷を負わせるというならこの私が――」


 ――おっと。

 それ以上はよろしくなさそうだ。


「ゲオルディクス!」

「――坊ちゃん……」

「それと、そこの神官殿。彼女らは僕の大切な友人だ」

「……はっ、申し訳――」

「しかし、悪いことは悪いと叱ってやってくれ。その方が彼女らのためになるからな」

「……はっ! 主と聖子様のお導きに感謝を!」


 これでいい。

 これならきっと悪いようにはされないだろう。

 しかしゲオルディクスは……前もこんなことがあったような。

 こいつの昔のことは知らないが、もしかすると、ひょっとするかもしれんな。


「坊ちゃん、いえイクラウス様。申し訳――」

「不要」

「――はい、坊ちゃん」

「主と母様のお導きに感謝を」

「はい、主と聖女様に感謝を。くっくっくっ」


 こいつめ……やはり何か企んでいやがる。

 しかし、それよりも気になることがある。

 クゥの奴、なんか匂うな。


「クゥ、それとマリンも。ちょっと“聖癒(せいゆ)の間”に来るように。ゲオルディクス、誰も入れるなよ」

「ま、ままっ! まさかぁっ! イクラウス様がついに私たちにお仕置きを!? 人に見せられないあんなことやこんなことをっ!? きゃっ☆」

「こいつ……!」


 ちっとも反省していない。

 こいつは本当に……本当にっ!


「いいから来い!」

「あ~~~れぇ~~~♪」

「……あ~~~れぇ~~~……!」


 マリン、お前もか……。

誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


明日も18時20分頃投稿します!

よろしくお願いします!

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