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聖女から生まれました~母様に代わって聖魔法による慈悲と裁きを施しましょう。闇魔法?つ、使ってないよ?(洗脳魔法発動)~  作者: たゃんてゃん
第4章 病弱王女と望まぬ婚約

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第41話 感動する0歳児


 引っ張られた痛みに頬を抑えつつ、マリンとロロップの2人を探す。

 もし本当にアステラを害するようなことが――まあある訳はないか。

 しかし心配であることには変わりない。


「ふふ――」

「イクラ――ちゃん――」

「――ぴょん」


 1人わかりやすいやつがいるな。

 その声の方へ向かうと予想通り、アステラの部屋だった。

 既に王たちはいないらしく、アステラとマリン、ロロップの3人が談笑していた。


「マリン、ロロップ……」

「あ、イクラウス――様」

「ぴょん♡」


 予想に反して、和やかな雰囲気に虚を突かれる。

 信じてたけど……手を出さないまでも、ガン飛ばすくらいはしてるかと思った。


「な、仲良くなったんだな。よかった」

「はい、けんかはよくないと……学びました」

「へぇ、正直意外だよ。さっきまであんなだったのに」

「……イクラウス様の、おかげです。あと、ゲオルディクス、様の……」


 ああ、あれか。

 つまり反面教師となったわけだ。

 良かったな、ゲオルディクス。我々の醜い争いも誰かの役に立ったのだ。


「アステラ、それに……そなたらが噂の」

「…………」


 諸悪の根源であるグランデシャイン国王、グランディ。そして彼の従者と思われる2人も部屋に入ってきた。

 王の盾を務めた男は近衛兵らしい。

 もう1人の女性はわからないが、やはりただ者ではなさそうだ。


「我々はもう帰ることにする。この訪問は正式なものではない――臣下に無理を言って、息子たちにも内緒で来たからな!」


 おや、グラウゼルとは別行動だったのか。

 どうやら政務の合間を縫ってこっそり来たようだ。


「父上……申し訳ありません。私のために――」

「何を言う。王族としての務め、よくぞ果たしたぞ! これからも期待している」

「……はい」


 アステラがそっと涙を流す。

 王族の務めとやらがよくわからないが、きっと(こら)えていた何かを吹っ切ることができたのだろう。


「……アステラ」

「お義母(かあ)様……」


 例の女性がフードを脱ぎ、アステラと向き合う。

 アステラは緊張しているのか、体を硬直させている。

 お母様ってことは……王妃様、か。

 年相応におきれいな方だ。薄い紫の色がきれいな髪の毛をしている。


「……よかったわね」

「……はい」


 どことなく緊張感を孕んだ言葉のやり取り。

 なかなかうまくいっていない様子。

 王や兄とは良好な関係を築いているようだが。


「行きましょう」

「……うむ。ではな。イクラウス殿も、やんちゃはほどほどにな!」

「ぐぅっ!」


 古傷を――いや新傷を抉られて悶絶していると、さらに護衛の男が近づいてくる。

 嫌な予感しかしない。


「我が王に剣を向けて無事だった唯一の男の子、またお会いしましょう……ふっふっふ……」

「…………」


 悶絶している場合ではなかった。

 九死に一生を得ていたことを自覚した。

 そりゃ知らなかったとはいえ大国の王に魔法をぶっ放したら処刑ものだわ。


「…………」

「…………」

「…………」

「…………」


 しばらくの間、誰も何も発することが出来なかった。

 その静寂を破ったのは、これまたグランデシャインの王族だった。


「アステラ、それにイクラウス殿も……ん? どうした?」

「あ、お兄様……いえ、何でもありません」

「そうか? それより今、見るからに怪しげな連中とすれ違ったんだ。さすがに教会内で騒ぐわけにはいかないと自重したが……」


 それ、あなたの父親たちですよ?

 とは言わないでおいてやろう。

 恥をかくのは、僕だけでいい。


「あ、あはは……」

「それよりもだな! 今日は特別なものを持ってきた! 入れ!」

「ん? え……お、おい!」


 兵士が担いできたのは、高さ2メートル、横も1メートルはありそうな、巨大な金属の箱だった。

 何やら取っ手のようなものまで付いており、中に何か入っているのだろうか。


「これは『冷却箱』といってな! 我が国で作った魔法による道具――魔道具の試作品だ!」

「へ? 魔道具?」

「うちの弟が発明した試作品だ。それを今回のお礼と教会への友好の証、それとちょっとした政治的思惑によって寄付させてもらおうと思ってな!」

「『冷却箱』ってことは……つまり!?」

「中に物を入れると冷える」


 冷蔵庫じゃないか!

 冷蔵庫じゃないかぁ! これでキンキンに冷えたミルクが飲める!?


「元々はアステラの薬を保管していたものだが、不要になるだろうからな。教会でも保存しておきたい薬があるだろう」

「薬、確かにそうですね。しかしすごい……そんなものを発明するだなんて……!」

「ああ。あいつはすごいやつだ……」


 どこか遠くを見つめる王子は、やはりかっこいい。


「……本当に、お兄様たちにはいつも助けていただいてばかりで……」

「言うな。我々が好きでやっていたこと。それに、1番つらいのはお前だっただろう」

「いいえ……私なんかより――」

「だから、言うな。いいんだ。全て報われたのだ……全て、な」


 冷蔵庫かー! 夢が広がるなー!

 大人になったら冷えたビールで母様と晩酌だ!

誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


今日はもう1話、20時10分頃に投稿します!

よろしくお願いします!

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