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聖女から生まれました~母様に代わって聖魔法による慈悲と裁きを施しましょう。闇魔法?つ、使ってないよ?(洗脳魔法発動)~  作者: たゃんてゃん
第2章 奴隷の子

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第17話 翻弄される0歳児

「あら? あなたは昨日の……」


 まさに今、悲しみに暮れる少女に手を差し伸べるものが現れた。

 神は、いた。


「昨日の、元気なお姉さん……!」

「そうそう♪ 元気とかわいさと気立ての良さと明るさとかわいさだけが取り柄のお姉さんでっす☆」

「イクラウス様の、おもらしをお世話したお姉さん……!」

「そのとーり☆」


 …………。


 あいつ、か……。

 神は……いなかった……。


「こんなところで何してるのー?」

「はい、あの……イクラウス様のお世話をしたくって、お仕事を教えて欲しくって……」

「なるほどなるほどー……昨日は聞かなかったけど、もしかしてマリンちゃんのご主人様ってイクラウスちゃん?」

「はいっ!」

「そかそかー」


 何やら納得したようで何度も頷く彼女。

 頼むから余計なことを言わないでくれ……!


「そーいうことなら! イクラウスちゃんマスター、略して『ちゃんマス』である私にまっかせなさーい☆」

「わぁ!」


 『わぁ』じゃないんだ。そいつは僕の悪評を広める悪の使いなのだ。

 頼むから離れてくれ……汚されないでくれ……!


「それじゃあ早速~……んー、“夜の御仕度”はあれだし、ちょっと遅いけど“朝の御仕度”やってみよっか☆」

「はいっ!」


 まさか……今から来るのか?

 朝などとうに過ぎている。身支度も別のメイドが済ませてくれた。

 だというのに……くるのか!?

 急ぎミニイクラウスを手元に戻し――だめだ間に合わない、リンクを解除して――!


「おっはよーございまーす! イクラウス様!」

「あ、あぁ……うん。おはよ……」


 間に合った……。

 どうにか意識を自分自身に……こいつ、行動が早すぎる!


「お、おはよ……ございます……」

「ダメダメ! もーっと元気よく! はい、やり直し!」

「は、はい!」


 扉を閉め、そして再び――。


「おっはよーございまーす! イクラウスちゃん――様!」

「お! おっはよぉー……ございます……!」

「ん~……及第点ってとこねっ! 次いってみよーっ! おー!」

「お、おー!」


 よく許されたな。最初とあまり変わりない気がしたが。

 それと大事なことだが、僕は朝の挨拶にあんなうるささは求めていない。きっと母様もそうだ。


「でね、イクラウスちゃん様は大体起きて本読んでるから……邪魔をしないようにかわいくウィンクしておきます! はい、パチッとな!」

「ぱ、ぱちっとな!」


 確かにしてるな。もちろんこいつだけだが。

 そして邪魔にもなっている。まず挨拶の時点で。


「よきよき♪ それで、次が1番大事なことでっす! イクラウスちゃん様はお母様のことが大大大好きな甘えんボーイなので、聖女様のお世話はとーっても丁寧にやるんですよぉー!」

「はいっ!」


 ふむ、わかっているではないか。

 一言二言以上余計なものがついているが。


「早速聖女様のお着換えなんだけど、イクラウスちゃん様はお母様のお着換えを覗こうとするドエッチボーイでもありまぁす! なので見ないように声をかけるのを忘れずにっ!」

「……あっちむいててください!」


 ……いかん、イライラしてきた。

 だがマリンへの指導中だ、余計なことは言わない方がいいだろう。余計なことばかりな気もするが。


「もう、そんなに見たいなら私のならいつでも見せるのにぃ! ほら、チラっチラ~♪」

「えっ? えぇ……?」


 何をバカのことをしているのか。

 あくまでそれが気になってしまう。

 決してやましい気持ちではないが、少しだけ視線をそちらに向けようか。


「ほらっ♪ おませなイクラウスちゃん様、騙されちゃいましたぁ? ぷっぷー!」

「イクラウス様……」

「…………」


 もう、何も言うまい。


「さて、お遊びはこのへんにして~。お母様のお召し物を脱がせた後は体をふきふきします!」

「はい!」

「脱いだお召し物は後で丁寧に手洗いします!」

「はい!」

「聖女様のお着換えはここに入ってるのでぇ、その気分にあったお召し物を着ていただいちゃいまっす!」

「はい!」

「お着換えの最後にぃ、愛と優しさがたーっぷり詰まったこの大きなお胸をもみもみ――」

「――――ッ!?」

「――するとイクラウスちゃん様が本気でぷんすかしちゃうのでぇ、触らないようにゆーっくり横になってもらいまぁす!」

「はい!」

「朝の身支度の最後はっ! いよいよイクラウスちゃん様のお着換えでっす!」

「は、はいぃっ!」

「ですが、ちゃん様は恥ずかしがり屋さんなので自分で済ませると言って聞きません! どうしたらいいですか!?」

「え、えとえと……いっしょうけんめい、おねがい、します!」

「…………自分でやる」

「残念っ! いっつもこんな感じでぇす! もう、恥ずかしがり屋さんめっ☆」

「……めっ!」

「なのでお着換えの代わりに、このもちもちしたほっぺをツンツンしていきます! ツンツン♪」

「つ、つん……ふわぁ!」


 『ふわぁ』じゃない!

 くそ……黙って聞いていれば好き勝手しやがって……!


「おいっ、いい加減――」

「なんてね。イクラウス様ってば、まだまだ小さいのにお母様のためにいっつも背伸びして頑張っててさ。私にできることと言ったら元気に励ますしかなくて。ウザがられてるのはわかってるんだけど……それしかできないからさ」

「ちゃんマス様……」

「だからね、マリンちゃんもイクラウス様のために……あなたなりの方法で尽くしてあげて。それが私たちの仕事だから……」

「はい……はい!」


 そして洗濯物を抱えて出ていく2人を見送る。

 やれやれ……あいつ、あんなことを考えていたのか。

 仕方ない、少しは我慢してやろう。




 ◇◇◇◇◇◇


「ってな感じで! 怒りそうになったらマジメなフリしとけばすぐにごまかせちゃうから! イクラウスちゃんってば単純でかわいいっしょ!」

「はいっ!」

誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


よろしくお願いします!

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