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ファンタジア・サイエンス・イノベーション〜第10王子:異世界下剋上の道を選ぶ〜  作者: 国士無双
第二部 【本論】第10王子、異世界下剋上の道を選ぶ
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【入学式編】笑う門には研究者ら来る ※アンズ視点

【※注意】主人公アダムではなく、アンズちゃん視点です。

 やっほー。私の名前はアンズ!

 15歳の女子学生、今日は待ちに待った入学式。

 たくさんお友達ができるか心配。

 

 でも、私には……気になる幼馴染の男の子がいるの!

 

 10歳の時に、離れ離れになっちゃったけど、ザダ校で会おうって約束したの。


 合格発表の時に、彼のお友達と仲良くなって、彼も私と同じ学校に進学すると聞いていた。


(嬉しいなぁ。今日、会えたら、ハッピーかも!)


 早く会いたいな〜と思いつつ、ルンルン気分で正門に入ろうとしたところで、キキィ――! と突然、耳慣れないスポーツカーの音がした。


 音がした方を振り返ると、綺麗なエルフ族のお姉さんが車の助手席から降りた。


「兄さん、送ってくれてありがとう。今日から新天地だけど頑張るわ」


(このお姉さんは学生ではなさそう……教師かな?)


「どういたしまして、僕の運転でなんとか間に合ったね……。二人とも着いたよ! せっかくだし、四人で写真を撮らないかい?」


 運転席から、40代ぐらいの白髭のおじさまが現れる。

 そのおじさまは頭にサングラスを掛けていて、カメラを用意し始めた。


「二人とも」と言っていた。


 どんな同級生だろう? と思っていたら、私の知っている人物が現れた!


「おじさん、撮ろうよ〜! せっかくだし、誰かに撮ってもらわない?」


 合格発表の日に仲良くなった彼の友達――サラの声だ。

 

 通りがかりの女子生徒に、「すみません」と声をかけていた。


 しかし、その女の子は「び、美少年すぎるっ! やーん!」と照れてしまい、走って消え去ってしまった。

 

 言われてみれば、サラは透明感のある黒髪に、透き通った青い目、そして穏やかで優しそうな表情をしている。


 誰が見ても、白馬の王子様という言葉がピッタリ!


「どうしよう?」と落ち込んでいるサラだったけれど、車の中からもう一人の男子生徒が背伸びをしながら、サラに助言をする。


「サラ、俺にまかせて」


 すぐさま、彼と目が合った私は、「あっ!」と反射的に発声していた。


「おっ。ちょうどいいところに。アンズ、元気だったか?」


(あっ、5年前と変わってない!)


 彼はニヤリと笑いながら、私の方に近づく。


 私は嬉しすぎて……考えるよりも先に体が動いていた。


 思いっきり、私は彼に抱きつく。

 

 だって、私の大好きな彼――アダム・クローナルに出会えたのだから!

 

 アダム自身、声変わりはしていた。

 けれど、黒髪黒目の天然パーマという外見は初めて会った時と全く変わっていなくて……。


「アダムー! 会いたかったよぉおおお!」


 懐かしさを覚えた私は安堵していた。


 一方、アダムは顔に表情を出さないものの、私が抱きついたことにやや驚いている様子だった。


「アンズ、大きくなったな。あの、急な頼み事で申し訳ないが、写真を撮ってもらってもいいか?」

「もちろん!」

 

 早速、私はアダムたち御一行の写真を撮ることにした。


「じゃあ、撮りまーす!」とカメラを持って声掛けをすると、四人全員、カメラに向かってガッツポーズを決めてくれた。


 前もって計画していたポーズなのかもしれない。


 面白い写真が撮れてしまった。


「オッケーでーす!」

「アンズちゃん、ありがと!」

 

 お礼を言ったサラが真っ先に私の横に移動して、カメラ画面を覗き込む。


「最高の写真〜! そうだ! 写真が出来上がったら、アレンジバージョンで『車で来た』って文字を手書きで書こうかな?」

「懐かしいネットミームだ……ぜひ頼む」

「へぇ。面白い流行だね〜」

 

 アダムとおじさまもサラの提案に納得しながら、うんうんと頷いている。


 アダムたちが写真の話で盛り上がっている中、エルフ族のお姉さんが私に話しかけてくれた。


「初めまして、私の名前はオウレン。今日から、ここの学校医として勤務するの。よろしくね。もしよかったら、アダムくんとあなた……二人で写真を撮らない?」

「えっ、いいんですか?」

「えぇ。幼馴染なのよね? アダムくんー!」


 オウレン先生がアダムを呼んでくれたから、お言葉に甘えて、アダムとのツーショット写真を撮ってもらうことにした。


 パシャッ!


 あぁ、人生で初めての経験――アダムと二人で写真を撮る日が来るなんて。


「撮れたよ」


 オウレン先生がすぐカメラ画面を見せてくれた。

 

 アダムはその写真を見て、「イイ感じ。ありがとう、オウレン先生」と感謝の言葉を伝えていた。

 

 私も近くで見たくて、一緒に覗き込む。


 あの時はアダムと同じぐらいの身長だったのに、今はアダムの方が私より背が高かった。


(アダムも大きくなったんだね……!)


 本当に感慨深い。

 幸せを噛み締めていたかったけど、オウレン先生が時計を見て「あら! 入学式まであと15分よ! 急がないと!」と慌て始めた。

 

「じゃあ、おじさん行ってくるねー! 送ってくれてありがとう〜」

「どういたしまして。学校生活、楽しんでね」

「はーい!」


 サラは焦ることなく、おじさまと別れの挨拶を交わしてから、「アダムさん、アンズちゃん、オーちゃん! 一緒に行こう!」と誘ってくれた。


「りょーかい」とサラに返事をしたアダムは、「オウレン先生。あと15分もあるから、大丈夫ですよ」と、マイペースに講堂の方へ歩き始める。

 

 でも、最後に、アダムは私の方を向いてくれた。


「アンズ、今日からまたよろしくな」

「うん! よろしく、アダム!」

 

 嬉しい。

 

 私、アダムと同じ学校に通うんだ!


 今日から始まる学校生活に心が弾んだ。


(アダム、私と一緒に楽しもうね!)

第二部始まります!

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