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恋のはじまりは  作者: REN
3/3

もしかして、俺も?

恋が始まることなくコレが最終話です。

すません。


「そういえば、あいつの泣いた顔初めて見た」


部屋の窓から見える友子の家。

2階の電気は消えているけれど、きっといるんだろうな。

なんて、なぜか確信している。


机の上の携帯。メール着信のランプが点滅している。

内容は、家についた?なんて優しい彼女からのメールだろうな。

そういえば、友子の携帯知らないから連絡手段がない。

返信しないと・・・と思いながらも、やっぱり頭から友子のことが離れない。


「いや、手段ならあるか・・・」


俺は携帯を机の上に残したまま家を出た。

携帯がダメなら直接会いにいくしかない。

公園を通りながら、なんだか懐かしくなった。


携帯やパソコンなんて便利なものが手元に無かった子供時代。

俺たちが友達と連絡を取る手段なんて、直接話すしかなかった。

そんな子供時代と同じ方法で友子に連絡を取るなんて、やっぱり俺たちは変わってないんだな。と思わされる。

「ってことは、やっぱりドッキリ?」


子供時代と何も変わっていないなら、友子のあの発言はウソかもしれない。

『嫌い』と言われ続けて、いまさら好きだなんて。

ちょうど公園の真ん中。

よく遊んだ象さんの滑り台。

前足と後ろ足の間、腹の下が空洞になってて、よくここにもぐりこんで象の腹に落書きしたっけな。


友子の家は目と鼻の先。

別に急ぐ必要もないから、懐かしくなって象の下にもぐりこんだ。

「狭っ!」

すでに肩すら入れず、結局俺は頭だけを滑り込ませた。

車の修理をしているような体制で象の腹を見あげる。


「あ・・・」


さすがに薄くなっているけど、なんとなく自分の文字が読める。

子供のころに人気だったキャラクターの絵。

友達の名前。

何の記念なのか日付。

どれも、書いた覚えはあるけど、いつ書いたのかなんてまるで忘れてる。

「まぁ、確実に小学生だわな」


今でもそんなに変わらない汚い字を見ながら、何故か苦笑が漏れる。


「なにやってんの?」

足元から不審者扱いした声が届く。


この声、聞いたことある。

「ねぇ、ちょっと聞いてるの?」


そうそう、いつも俺に話しかけるときはこんな風に突っかかるように話してた。


「ちょっと!出てきたら?」

コツンと左足を蹴られた。

仕方なしに体を左右に揺らしながら這い出てきた俺を見て、友子の顔が驚きの表情に変わった。


「あっ、あんた何やってんの?」

俺だと思っていなかったのか、友子の慌てよう。

こんなところで会う予定はなかったのか、スッピン。

泣きすぎたのか、目が真っ赤に腫れてる。

ピンクのパーカーに足元はサンダル。


「お前こそ何やってんの?」

いかにも部屋着な友子は自分の姿を見られたのが嫌だったのか、象の反対側へ回った。


「部屋の窓から変なヤツが象の下に潜り込んでいるのが見えたから・・・。いたずらでもしてるかと思って・・・」


顔を手で隠しながらあさっての方向を見て話している。


「なんか昔を思い出してさ。ココによくもぐって落書きしてたんだけど、意外と残ってるんだぜ?」


なんだか、あの友子と普通に話してると思うと変な感じだ。

小さいころから知ってるのに、大人になった今、やっと普通に話せるなんて。

普通逆だろ?


そんなことを思ってるうちに、笑いがこみ上げてきて、つい口から漏れてしまった。

「ちょっと!!何笑ってんのよっ!!こっ・・この格好は不審者を早くどうにかしようと思って急いで出てきたからで・・・っ」


「お前の格好なんかガキのころから見てるんだからいまさらだろ?まともに話したのって初めてだなぁと思ってさ」


俺の言葉がうまく理解できないのか、友子は目をパチパチさせるだけだった。


「言ってる意味がわかんないっ」

と叫ばれて一目散に家へ逃げ帰っていった。

用事が何だったのか忘れた俺も家へ帰った。


その日。

近くにいて遠い存在だった友子と普通に話せたことが思った以上に嬉しかったのか、ウキウキとした気分だった。

そして、すっかり忘れていた彼女からの怒りの電話。

それすらもなんだか上の空。

出来なかった問題がやっと解けたような、なかなかなつかない犬がやっとないついたときのような、そんな感じ。



「あ、携帯聞くの忘れた・・・」


まぁ、いっか。

用があったら会いに行けばいいんだから。

昔みたいに、

公園を突っ切って、

玄関を開けて叫ぶんだ。


『とーもちゃん、あーそーぼっ』ってね。



すいませんっっ!!

こんな形で一旦最終になっちゃいます。

恋すらはじまっていない感じで申し訳ないです。

二人にがんばってもらって、続き書きに来ます!

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