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死神さんののんびり異世界散歩  作者: 水無うるふ
エイブレイル神聖国編
59/95

皇女とオリジン⑥

 更に二日が経ち、漸く原初の神殿にたどり着くことが出来た。

 この原初の神殿がある一角だけ開けた土地になっていて、


綺麗な花を咲かす広い花壇。


きれいに舗装された石造りの道。


切り揃えられている芝生。


そして、何よりも目を引くのが真っ白で大きな建物。


 汚れを知らないその建物は太陽の光を反射させ、神々しくもあり、また近寄りがたい雰囲気を醸し出している。

 まるで城のような見た目をしているそれを、ここが魔物の住処であるなど初見では信じることは出来ないだろう。(経験談)

 普通に人が住んでいると思って入ったはいいが、魔物の住処だと知り、狩りを始めるも最奥にてオリジンヒューマンに出会い、話しかけようとしたら即殺されたからな。

 あれはさすがに驚いたし、最初何が起こったかわからなかったな。

 とりあえず、スクショ。


 庭園の中程まで進んだところで馬車が停止し、アルフが降りたところで先へと進む。

 来る者を拒むつもりがないのか、神殿には扉など無く、くぐった先は広いエントランス。

 レッドカーペットがしかれており、続く先は階段がある。

 原初の神殿は、オリジンのダンジョンの中でも一番単純な構造をしている。階段を登った先にある両開きの大きな扉。その扉の向こうにオリジンヒューマンがいるのだ。

 なので、オリジン系列での効率のよさは二位に当たる。

 まぁ、最初は各部屋に設置されたギミックを解かなきゃ、扉に鍵が掛かったままなんだがな。

 これは一度覚えればすぐに解けるのでそこまで苦ではない。


「四班に別れて各部屋の仕掛けを解除せよ」

『了解ッ!!』

「お二人にはアルフィード様の護衛を頼みたい」

「わかった」

「りょーかーい」

「では、かかれ!」


 隊長の号令で騎士達は各々に割り振られた部屋へと向かった。

 ちなみに、ここの魔物は各部屋にしかいないため、数が少ない。しかも弱いときた。

 楽なダンジョンではあるのだが、宝もないので生産性はそこまでよくない。

 オリジンヒューマンがいるだけのダンジョンってわけだ。

 まぁ、ストーリーイベントでオリジンヒューマンに会いに行くクエストが一つだけあるんだけどな。

 多分、そのクエストの為だけに作られたんじゃないかなーと俺は思う。


「ここまでの道程、ありがとうございました」


 昔を懐かしんでいると、近くに寄ってきたアルフが礼を言ってきた。


「礼を言われるような事はしてないけどな」

「そうそう、ついてきただけだしねー」


 ほとんどの魔物は騎士さん達が倒しちゃったしな。


「いえいえ、旅路であのようなおいしい料理を食べれただけでもありがたいので」


 まぁ、旅でちゃんとした料理なんて食えないからなぁ。


「ねぇねぇ、私達だけしかいないし口調崩してもいいんじゃない?」

「・・・そうだね。そうするよ」


 カプリスの提案に頷いて笑うアルフ。

 うん、こっちの方がいいな。


「そう言えば、なんでアルフは商人紛いな事してたんだ?」

「父上に外の世界を見てこいって言われてね。ほっぽり出されたんだよ。ついでにお金の稼ぎかたとかも学んでこいってね」

「凄い親父さんだな」

「王族なのに娘を一人旅させるなんて、危なっかしいなー」

「まぁ、幸い剣術や魔術も教えられていたから、魔物とか盗賊も普通に倒せたけどね。怖かったけど」


 胆据わってんなぁ。

 レベルはいくつなんだろうか?


「ちなみになんだが、今のレベルっていくつだ?」

「えーっと、3358だよ。あ、これは騎士達には内緒ね?」


 3358って、相当修羅場潜ってんじゃねーか。


「うわお! どのくらい旅してたの?」

「うーん・・・三年くらいかなー」

「旅でる前のレベルは?」

「105だよ」


 おい、皇帝さんや。せめて、もう少しレベル上げてから外出せよ。


「あ、あはは。よく死ななかったね」

「まぁね。()()()()()()を読んでなかったらすぐに死んでたかもね」


 んんっ!?

 今、なんと、おっしゃりましたかね?


()()()()()()?」


 驚きを伏せて、聞き返す。


「あ、そうか。限定三十冊の本だもんね。知らなくて当たり前か」


 おい、なんだよそれ。


「この本凄いんだよ! レベル1からレベル5000位までの狩り場とかが、冒険譚と共に詳しく載っているんだよ! これのおかげで効率よくレベル上げ出来たし、低レベル帯での死なない術とか身に付いたしね!」


 おい、誰だよ書いたやつ!!

 俺の後ろで笑いをこらえるなカプリス!!

 俺の冒険譚って聞いて尻尾丸めるなギルター!

 羨望の眼差しを向けるなフィズリール!!


「ち、ちなみに著者は・・・?」


 笑みを浮かべながら聞くが、絶対顔ひきつってる。自分でもわかるくらいにひきつってる。


「彼の有名な大魔術師、レグルス・フォン・アーガイルだよ!」


 レグルス貴様かああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!


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