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死神さんののんびり異世界散歩  作者: 水無うるふ
エイブレイル神聖国編
58/95

皇女とオリジン⑤

 さて、さて、盗賊を火葬してから早くも二日が経った。

 現在街道から外れ、森の中を進む。

 馬車なのに森の中を進めるのは、道があるからだ。まぁ、道がなかったら通れないわな。

 正直、この道が出来た理由はわからない。

 ゲーム時代からあったものなので、ここに道があって当たり前として認識していたからだ。

 たんに原初の神殿に行きやすくするためなのだろうけどな。

 だが、舗装されているわけではないのでガタガタだ。中にいるアルフのお尻が心配である。


 この辺りは魔物の宝庫ではあるのだが、出てきても直ぐ様騎士達に狩られてしまうので、俺達は暇なのだ。

 ギルターも『森で狩りしてくる』と言って、森の中に入っていってしまうくらいだ。

 お目付け役にはフィズを付けたので大丈夫だろう。


「お? マスター、なんか来るよー」

「みたいだなー」


 ドドトドドッ!! と、地面を揺らしながらこちらに向かってかる何か。

 位置的に馬車の真横なので、出てくるポイントに移動する。騎士達も地鳴りの方向を警戒し、いつでも攻撃が出来るように構えていた。


「来るぞー」


 バキバキっと木々をなぎ倒しながら現れたのは五メートルはあるだろう大猪。

 俺は突進してくる大猪の鼻先を右手で鷲掴んで侵攻を止める。


「ぎ、ギガントワイルドボア・・・ッ!?」


 騎士達の誰かが言う。

 こいつの名前はギガントワイルドボア。レベルは3000オーバーでこの辺りで二番目に強い魔物だ。


「久々に見たな」


 そう呟きつつ雷の魔術で感電させて殺す。


 ちなみに、一番は森の主である賢狼シルワルプス。ゲームの時はある依頼のストーリー中に戦うことになるのだが、倒しきることは出来ず、シルワルプスの体力を3分の1まで削ると強制的に戦闘終了。そのまま彼の話を聞いて、次の目的地へと移動させられる。

 シルワルプス自体のレベルは「???」で謎。設定資料では手加減しているためステータスは謎のままだそう。アナライズも効かなかったしな。

 一度全力で戦ってみたいものだ。


「ギガントワイルドボアを一撃・・・」


 一息ついたところで一人の騎士が声を漏らす。

 回りを見れば、皆驚きの表情でこちらを見ていた。


「ふむ、ギルター!」

『・・・』


 とりあえず、今回の犯人であるギルを呼ぶ。

 すると、トボトボと申し訳なさそうにギガントワイルドボアの後ろから姿を現した。


「狩りをするのはいいが、ちゃんと獲物のを動きを管理しろ」

『すまない』

「フィズもだ。なんのために目付け役としてお前を付けたと思ってる」

『申し訳ありません』

「ったく。うちの奴がすみませんね」

「い、いや・・・」


 さて、謝ったことだしこいつをどうするかな。

 アイテムボックスはプレイヤー特権だしなぁ。鍋とかは収納袋で事足りるが、ここまでデカいのはなぁ。


「早いけど、ここら辺りで今日は夜を越しません?」


 とりあえず、隊長格に聞く。


「・・・いや、今日はもう少し進みたいのでな。必要部位だけ取って肉は捨てて行く」

「わかった」


 しょうがないので、騎士達にも手伝ってもらい、牙やら爪やら皮の一部やらを剥ぎ取る。


「よし、前進だ」


 剥ぎ取り終わったところで隊長が号令をかける。



noah:少し進んだら回収してくれ

caprice:あいあいさーwwwwww



 あんないい肉を捨てていくわけ無いじゃないか。勿体ない。

 それに、ギルターの罰として、奴の飯はギガントワイルドボアの肉がなくなるまで、この肉にするつもりだしな。

 餌代の削減にもなりますし。



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