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死神さんののんびり異世界散歩  作者: 水無うるふ
エイブレイル神聖国編
53/95

護衛依頼⑥

 ケルベロスが去ったあとは特に何かがやって来るわけでもなく、朝を迎えた。


「さ、起きた起きた」


 パンパンっと手を鳴らして寝てる二人と一匹を起こす。


「・・・おはよ~」

「おはようございます」


 目を擦りながら起き上がるカプリスと、キリッと起きたアルフ。

 アルフは目覚めが良い方なのか。

 そして起きないフィズ。


「起きろ」


 片手に大剣を装備してフィズに振り下ろす。


『ッ!?』


 すると、大剣が当たる前に目を覚まして咄嗟に避けた。

 良い反応だ。


『はぁ・・・はぁ・・・あはぁっ・・・!』


 いや、あはぁっじゃないが。

 ゾクゾクゾクっと背筋を震わせるフィズから視線を反らして、カプリス達の方を向く。


「さて、見ての通り朝だ。顔洗って飯食ったら出発しよう」

「はーい」

「わかりました」


 二人は返事をすると川の方へ向かった。


『私も水を飲んでくる』

「了解」

『ほら、いくぞ』


 未だにトランス状態のフィズをくわえて泉の方へ歩いていくギルター。

 さて、俺は飯でも作るとしようか。


「ふむ、材料もあるし、フレンチトーストでも作ってみるか」


 地球にいた頃は朝飯として割りと作ってたなぁ。

 朝だから少し甘めに調節しておこう。

 ギルター達はいつも通り肉で良いだろう。

 しばらくして、顔を洗ってスッキリした彼女らに朝飯を渡した。

 カプリスもアルフも甘いものが好きなようで、喜んで食べてくれた。作ったかいがあるってもんだな。

 朝飯を食べたあと、食後の休憩をとり出発した。


「よし、出しまーす!」

「はーい」

「おう」


 アルフの声かけのあと馬車は出発した。

 フィズとギルターも、今回は上乗りだ。


「ここからならお昼前には着きそうですね」

「了解」


 張っておいた結界を解いて、今度は探知系のスキルを使い、UIからマップを開いておく。

 ゲームならば、画面端にあるミニマップで敵の判断が出きるのだが、リアルな今、視界に映るのはHPバーのみなため、UIから開いて確認することにした。これもゲームなら画面全体に広がるところを手元のUI、つまり小さくなっているため使いやすくなった。

 やっぱ、ゲームとリアルだと色々変わってくるものだな。

 まぁ、スキルを使わなくても生きた探知機が二匹いるので無駄っちゃ無駄なんだがな。

 念には念を。だ。





「あ、首都が見えてきましたよ」


 と、アルフに言われたので、御者台に行き前方を確認する。


「おお! すっごい! 真っ白だぁ!」


 俺の横から顔を出したカプリス。

 彼女の言う通り正面に見えてきた首都は真っ白だった。

 円形状に設置されている外壁もそうだが、中心に向かうほど高くなる建物も全て白で統一されており、屋根は白を汚さないよう空色が使われていた。

 その光景は美しくもあり、どこか異様な光景でもあった。


「あと30分くらいですね」

「了解」


 ここから30分となると、盗賊の襲撃はなさそうだな。

 首都周辺だし魔物のレベルも低い。ここまで来たら安全だろう。

 そして、30分後には門の前に到着した。

 商人用の門へ向かうと、なぜか兵士たちはペコペコしだして、護衛の俺たちにも丁寧に接してくれた。

 アルフはどこかのお偉いさんの子供か何かかな?

 その辺は依頼主のプライベートに関わってくるのでこちらから詮索するのはご法度だ。向こうが話してくれるなら別なんだがな。


 門を通り抜けた後、俺たちは組合まで向かった。


「うーむ、知っていはいたが、こうして見るとなんか組合感がないよな」


 組合も真っ白で空色の屋根だ。

 看板が無ければどれがどの建物かわからなくなるな。

 あと、日光が反射して目が痛い。

 組合内に入って最初の印象は静かなカフェ。

 ほかの町みたいな喧騒はなく、冒険者はいても皆静かで冒険者らしさを感じなかった。

 皆がみんな酒は飲んでおらず、コーヒーやら紅茶やらを飲んでいるため、余計にだ。

 受付で依頼完了の手続きをして、アルフから直接報酬を貰った。


「護衛ありがとうございます。おかげで五体満足で移動できましたよ」

「ああ、このあとはどうする? 少し食事でもしていくか?」

「お誘いはありがたいのですが、このあと用がありまして・・・」

「そうか。悪いな」

「いえいえ、では僕はここで失礼しますね」

「ああ、気をつけてな」

「ありがとうございました!」


 アルフと別れ、カプリスがとっておいてくれた席で食事をすることにした。

 オリジンズも雰囲気に負けて今日は行儀よく座っていた。


「料理も頼んでおいたよ」

「ああ、ありがとうな」

「いーえ!」


 さて、この後はどうするかな。



これで十万文字越えたのだよ

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