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天空ダンジョン③

おはようござっ

 六階層へやって来た俺達。

 この階層は二部屋のみの構成となっており、今俺達がいる階段の部屋と、目の前にある大きな扉の先にある部屋だけだ。


「行こうか」

「おっけー」

『鳥肉』

「多分食っても美味くないぞ」

『そうなのか!?』

「あー、まぁ確かに美味しくはなさそうだよね。味しなさそう」

『・・・』


 明らかにしょぼーんっとするギルは置いておいて、俺は大きな扉に手をかける。

 ノブを回して、両開きである扉を開け放つ。


「ひろーい!」


 もう一つの部屋は無駄に広く、奥には階段があり、その上には玉座が一つ鎮座している。

 所謂謁見の間と言うやつだ。

 そして、一番目を引くのは玉座の後ろにある巨大な樹。

 樹齢何千年も行っているであろう太い幹を持つそれは、この城を飲み込まんばかりに根を広げている。

 ダンジョン内にあった太い根はこの樹の物だ。

 いつかは城をのみ込んでしまうだろうな。

 天井は樹のせいで吹き抜けとなっており、青々と広がる空が覗いていた。

 そして、このダンジョンの主であるオリジンバードは玉座の背もたれに鎮座し、こちらに視線を向けたまま動かない。

 ゲームの時ならば部屋に入った時点でムービーが始まり、滞空状態から戦闘が始まる。

 だが、今回は階段付近まで近づいてもこちらを見ているだけで戦闘体勢にすらならなかった。

 汚れ一つ無いその真っ白で美しい羽毛は太陽の光を反射して、どこか神々しさすら感じる。


『美味そうだぞ』

「この状態だとな」


 オリジンバードは不死鳥フェニクスをモチーフとされた魔物なのだが、能力は火系統ではなく全属性。

 全ての魔術属性を身に宿しており、魔術で攻撃すると、攻撃に使った属性の反転属性へとモードチェンジする厄介な奴だ。

 そして、何よりも厄介なのがフェニクスをモチーフとしているため、HPを削りきっで三回は確実に蘇る所だ。

 ただでさえ体力の多いオリジンなのに三回も戦わなくてはいけないためめんどくさかったのは覚えている。

 だが、俺としては美味しかった。

 一度HPを削りきればその分の経験値を得られた為だ。

 つまり、最低三回分の経験値を一回の戦闘で手に入れることができる。これほど美味しい相手はいなかったな。


『何をしに来たのです。人間』


 昔のことを思い出していると、鈴のような綺麗な声で問いかけられた。

 この声も覚えている。ムービー時によく聞いたオリジンバードの声だ。


「この城の何処かにある祭壇を探しに来た」

『祭壇・・・ですか。でしたらこの樹の根本にある扉の先でしょう』

「そうか。教えてくれてありがとう」

『戦いに来た訳ではないのですね?』

「前みたいに経験値を稼ぐ必要がなくなったからな。別に戦っても良いぞ?」

『・・・いえ、よしてください。私はもう貴方とは戦いたくない。否、死にたくないのです』


 死にたくない。ね。

 ギルターも言っていたが、相当なトラウマになっているのだろう。悪いことしたな。

 全ては経験値を美味しくした運営が悪い。つまり俺は悪くないな! うん。


「ま、戦わないに越したことはないさ。お前も解放されたばかりだし、俺もめんどうな戦いはしたくない」

『そう言って頂けるとありがたいです』

「ああ。じゃ、俺達は祭壇に向かうわ」

『わかりました。と、その前に一つお願いがあります』

「どした?」

『貴方と契約を結ばせてください』

「それまたなんで?」

『貴方との戦闘を避けるためです。もう、あんな一方的な戦闘はしたくないですからね。オリジンとして降臨して最初で最後の恐怖です。とてもゾクゾ──おっと話がずれましたね』


 あ、こいつぁやべぇ奴だ。



ピコン

caprice:ゾクゾクwww変態だああああああああwwwwwwwww



 うるせぇ。


『なのであの恐怖を間近で見た──ではなく、もし良ければですが、あなた方の旅に同行させていただけないでしょうか?』

「んー、まぁ別に構わないぞ」

『・・・ありがとうございます』

「でも、裏切ったら──」


 アサシンのジョブスキルである【瞬動】を使い、オリジンバードの真後ろへ回り込み鎌を奴の首へ添える。


「──殺すからな」

『あぁ・・・承知しておりますぅ』


【オリジンバードが契約を承諾しました】


 恍惚とした表情で承諾したオリジンバード。

 こうして、食いしん坊オリジンに加え、新たにどMオリジンが仲間に加わった。

 なんだこの変なパーティー構成は・・・。



ピコン

caprice:実力は最強なのにwww個性が変人ばかりwwうはwwww



 セヤナー。

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