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ダンジョン攻略JK配信者、配信の切り忘れに気づかず特級モンスターを一方的にボコった結果伝説となる  作者: Lunatic/夜桜カスミ
第一章 規格外JKの無双配信

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伝説の始まり

「今日も配信に来てくださりありがとうございました!」


 そう言って騎士服風の衣装を身にまとう少女、逢坂姫乃は行っていた配信を切る。

 姫乃は普段は学校に通いながら、放課後や休日はダンジョンを攻略する探索者として活動するついでに、その光景を配信する配信者としても活動している。


 ダンジョン探索者。それは数十年前に突如として世界中に現れた、怪物が跋扈するダンジョンと呼ばれるファンタジー要素満載な魔境を探索し、モンスターを倒したり鉱石やそこにしか自生していない植物を採取して換金することで生計を得る者の総称。

 探索者は人気の職業の一つで、多くの若者がそれに夢を見る。そして姫乃もまた、ダンジョンという魔境を命をかけて探索する探索者に憧れて夢を見て、2年ほど前から活動を続けている。


 配信者活動は1年ほど行っており、しかしながらその成績はいいとはとてもじゃないが言えない。

 一応中学から付き合いのある親友から、いきなり始めるのではなくきちんと準備期間を設けてその間に宣伝をしろと言われたため、その助言に従い動画配信アプリでショート動画を作って投稿したり、SNSでいいねを押したりリプをしたりと営業をかけた。

 その頑張りもあって一か月という短い期間ではあったものの、チャンネル登録者数は200人、初配信は同接20人を記録した。


 その後もコツコツ努力に努力を重ね続けて、登録者数は900人まで増加した。

 収益化に必要なのは登録者1000人と総再生時間4000時間。登録者数のほうはあともう少しで突破しそうだが、再生時間のほうが中々に曲者だった。

 同接が最大でも20人。しかも仮に20人にまで増えても、最後までいてくれるとは限らない。

 初期の初期から配信を見てくれている古参勢はともかく、初見の人たちは入ってきて挨拶をしてくれても、その後どういうわけかいなくなってしまうことのほうが多かった。

 離脱率が高く再生時間も伸びない。これがあって、1年という期間配信を続けていても、総再生時間が増えづらいのだ。


「うーん……今日もいつもの常連さんたちが来てくれたし、コメントたくさん残してくれたから嬉しいんだけど……。初見さんが挨拶を残したっきりそのまますぐに出てっちゃうし、ちょっともやっとするなぁ」


 初見さんはちまちま来る。最近アワーチューブの仕様が少し変わったのか、登録者数や再生数・同接数が少ないチャンネルの動画や配信が、おすすめ欄に乗るようになったのだ。

 それもあってか初見さん自体は来ている。だがその初見さんが中々定着してくれない。頑張ってトークも回しているつもりなのだが、一度戦闘を挟むとなぜか初見さんがいなくなる。


 別に何か変なことをしているわけではない。

 解説を挟みつつモンスターを倒していくという、ありふれているが探索者自体数が多いため需要が常にあり続ける、攻略解説系のジャンルだ。

 戦い方だって、多少ロマンとこだわりを詰め込んで作ってはいるものの、特別変な武器というわけではない。

 女子高生のソロ探索なので、生存率を上げるために攻撃特化と防御特化のものをそれぞれ用意してあるが。


 どうしたら初見さんが定着してくれるのか。どうしたらもっと同接が増えて登録者も増えるのか。

 一旦バズったりしてくれれば、と思ったがそんな運任せなことに自分のこのチャンネルの行く末を全ベットできないと頭を振る。

 とは思っても、やはりバズりというものには憧れがある。

 もしバズったりすればこのチャンネルが多くの人に認知され、登録者も何もかもが増える。


「まあ今のところ、ボクはバズとは縁遠い話なんだけどね……」


 ほんのちょっぴり悲しくなる。

 はぁー、と少し長めのため息を吐いてとぼとぼと歩いていると、左腕につけている端末が震える。

 この端末は探索者を管理、ダンジョン資源の換金等を行っている探索者ギルドから支給されている端末で、ダンジョンのマップを開いたり通話をしたりする機能がある。


「これって、救援要請?」


 いくつかある機能の中には、救援要請を送るものがある。

 この救援要請は、必要としている探索者の近くにいる探索者に一斉に送られるものだ。この時、どこにいるのかの座標も共に送られてくる。

 送られてきた救援要請を見ると、姫乃との距離はかなり近い。少し走れば5分、ちょっと本気で走れば一分程度の場所だ。


 姫乃がいる場所はダンジョンの下層。この上の中層と比較するとモンスターの強さは別格で、ここに足を運べる探索者も中層を比べると限られてくる。

 流石に要請を受けておいて助けに行かないのは人でなしが過ぎるし、助けに行かないことでその人が命を落としたらと思うと、後味が死ぬほど悪すぎる。


「急いで助けに行こう。……大雷(ブロンテ)


 左の肩から顔を覗かせている背中の剣の柄を握り、引き抜く。

 その剣のギミックを一つ作動させて、出てきた撃鉄のようなパーツを親指で押し込みながら起動用のキーワードを唱えると、柄と剣身の間にあるシリンダーのようなものが回転し、埋め込まれている黄色の宝石が光り始める。

 直後、剣から雷が発生しそれが姫乃の体にも伝わっていき、長い黒髪に金色のメッシュが現れ、瞳の色も金色に変わる。


 バチバチと雷を剣と体に走らせた姫乃は、一歩目を強く踏み出し雷光となって走り出した。

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