夢の終わり1
目が覚めるとそこはビルの立ち並ぶ街の中だった——。
電脳世界にいた私は、いつの間にか現実に戻されていたのだ。
「――隼人!」
彼の姿を求め、あたりを見渡すが彼の姿はない。それどころか、慌ててログアウトが間に合った人が走りながら、自宅へ急ぐ姿が目立っていた。
「あ——」
私は気付いてしまう。
隼人のヘルメットとバイクを使ったあれは、緊急脱出装置――一人用なのだと。
「ふざけないでよ!」
すべてを理解した私は感情が爆発したように、叫んでいた。
一瞬、こっちを見る人と目が合ったが、関わってる時間も惜しいのだろう。すぐに走ってどこかへ行ってしまった。
「私たち、一緒だったじゃない!――今更一人になんてなれないよ!」
そう叫ぶと私の目からは涙があふれてきた。
悔しさもあるし、悲しさもある。
そして、あの状況で隼人の生存は絶望的だったというのも大きい。私は一人になった―—。
皮肉にも一人になり、あの人を愛していた事がわかった。
そして、あの人に守られていた事も理解していた。
「隼人!」
私はターミナルに向かい走り出した。逃げ惑う人々の中を逆走するように、私はターミナルへ向かった。
隼人に救われた命だが、最後は隼人のそばにいたい。隼人と一緒に生を終えたかった。
ターミナルが目に入る距離まで来たが、ターミナルは黒煙をふいており、閉鎖されて特殊部隊が周辺を固めていた。
「……」
終わった―—私はそう確信した。
そして、激しい爆音と衝撃があたりを包み、私の意識は途絶えた。




