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成美の気持ち

朝日が差し込む部屋の中、まぶしさを感じて私は目を覚ました。


テーブルの上には昨日のカレーの材料費だろうか、隼人がおいて行ったお金が置いてある、


「ッ」


立ち上がり、私はテーブルを整えて昨日のカレーの残りを食べる。


隼人は朝早くから出勤したようで、すでに部屋にはいなく、

外を見下ろしたがバイクも見当たらない。


「いきなりプロトアウトだなんて……」


呟くように私はそういって、隼人の身を案じる。


こういう関係であるが、恋人関係まで踏み込んではいない。


成美は考える——いつからだろうか、隼人とこのような関係と距離になったのはと。


ふと成美の脳裏に小さい頃の記憶がよみがえる。


大きな背中の男性、プロトアウトで平成支部の体調をしていた私の父親だ。


笑顔で出勤したあの日、父親は帰ってこなかった。



それからしばらくして、サイバーテロで犠牲になったと知らされ、私と隼人は葬儀に出た、


訳も分からず泣きじゃくる私に、喪服に身を包んだ小さな隼人が黙って手を握ってくれていたのを覚えている。


それから隼人はつよくあろうとして、いろいろ身体を鍛えたり無茶をするようになった気がする。


そんな私は気が気じゃなく、つねに彼の後ろを心配して付きまとっていた。


「――」


そしてはじめて関係に及んだのは彼が昭和エリアの電子世界で活動しようとした時だったと思う。


彼の背中があの日、帰ってこなかった父の背中に重なり、思わず私も電子世界へ飛び込んだのだ。

そして、彼の拠点でそのまま行為に及んだ、


「隼人は——どう思っているのだろう」


私がつぶやくも、答えを返してくれる人はいない。


正直なところ、この行為の果てにできたとしても私は一人だとしても産むと思う。


場合によってはそれが彼のいた証になるからだ。



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