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0013Blacksmith Ⅱ(鍛冶師 2)

魔法使いとはなんの関係もないモノになってしまった。

ここは扶桑ふそうの国、都は内陸部の平野にあり、都から南方の海のそばに、中堅都市の天羽あまう市がある。天羽市は造船と軽工業で名をはせる工業都市である。


天羽市は造船業が盛んなだけって、海に近い土地である。軽工業は内陸に工業団地がつくられていて、そんなところに多いが、造船業は船を海に浮かべやすいので海近くに工場がある。そんな造船所に近いところの広大な土地に、縦横200mほどの大きな天蓋のかけられた建物がふたつある。内陸に作らなかった理由は、船舶輸送による鉄鉱石や石炭の輸送しやすくさせるためと、出来上がった鉄鋼板を納める造船所まで船舶輸送をするためだ。それで海のそばの土地を確保した。


その建物の持ち主が『HIRAIZUMI(平泉)鉄鋼工業 株式会社』である。製造内容は鉄鋼板と鋳造製品の製造販売、工業製品の製造販売である。

鉄鋼板は船体の製作には必須で、鋳造は船のプロペラやエンジンを作るために必須の技術だ。工業製品の主力は、鉄板や鋳鉄から加工して、乗り合いのできる大型移送馬車とか小型の自家製馬車を製作し販売している。

片手間に手すきの職人たちがさまざまな鍛冶製品を作る。小さなものはスプーンから、大きなものはこの工場に使われている鉄製の大型天幕のフレームまでという、巨大な工場こうばである。工場の中は工房という趣きがある。


鉄を加工する方法は、大きく言うと鍛造と鋳鉄。鍛造は鉄を鋼状に加工する方法。鋳鉄は雄型から雌型を作り、その雌型の中にドロドロの溶けた鉄を流し込む。

そのため設備としていっぽうの天蓋の1/4スペースに、鉄をドロドロに溶かす高炉がある。高炉のエントツは天蓋からニュッと伸びていて、エントツの頂から煙が立ち上っている。

その両脇の右1/4スペースと下1/4スペースに、溶けた鉄板を延ばす鍛造施設と、鋳物を作る鋳造施設が配置されている。そして高炉の反対側の1/4スペースには製品を一時保管するスペースになっている。

鉄をも溶かす高炉のため、熱源を魔法熱源にするには無理があり、近くの県から産出する石炭を燃料として、魔法で火力のコントロールをするという方式がとられている。


そんな設備のおさまってる天蓋の横に、もう一つ天蓋がある。その下では製造製品を作り出す職人たちが目まぐるしく動き回っている。


そんな中に移動用の自走馬車を作るスペースがあって、そこで多くの技術者が集まっている。中央にあるのは破断したスプリング、その横に自走できないので引っ張ってきた車両がある。実走実験中にスプリングが破断して壊れたらしく、自走馬車が横転したという大事故状況らしい。


「原因は車両重量を支えるスプリングが、振動で鋼が割れて、のこったスプリングでは車両が支えきれなくなった、前のめりに座屈して、地面に当たって、大転倒したらしい。」


重量計算はしてるから、設計ミスというわけではない。たぶんだが、ばねの金属粒子の組成が均一でないため、もろい部分から割れたものと思われる。この材料に関しては研究所のほうで均一な鋼の生成と製造を行ってもらっているが、すぐに改良結果が出るというものでは無いので、我々が行うべきことは工夫の範囲で改良を行う!!


単純にスプリングを太くすればいいかと考えていたが、堪えれなかったからと言って、太くしてもスプリングの耐久性はさほど向上しないらしい。そして設計課からただ単に一回りほど太くしてしまうと、振動吸収の縮み側が固くなり、快適な乗り物ではなくなってしまう事を指摘された。さらに伸縮数値が許容範囲外になるので、さらに破断する可能性が高まるらしい。


なので現在作れるスプリングの質を変化させることなくできる事となると、少し細めのスプリングを使用し、スプリング個数を増やすことで対応することにする。

1軸に対して一対だったものが、二対、4本にスプリング数を増やすことになるから、スプリングの設計の再計算に取り掛かれ!!


納期までは短いんだ!!さっさと取り掛かることにするぞ!!


他の改良策はとしては、今開発中の振動制御のための振動吸収装置を付ける事。これはだいたい理論ができてるので、スプリングの個数変更に伴いもう一度再計算!!


ええか!!みんな!!」


「「「「「「「「「「「「「「「 おう!! 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


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