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諦められない
「相沢さん、ごめんね……。」
部長が行ってしまった後。
永瀬さんが、私に謝った。
「嫁、だなんて嫌だったよね?」
いえ。ぜんぜん嫌ではありません。どうぞ、嫁にしてくださいっ!
……心の中で思いつつ、
「大丈夫ですよ!困った人ですよねー、部長」
私は、笑顔で返した。
……あ、今なら逃げたことを謝れそう。
「それよりも、先日は突然帰ってしまい、すみませんでした。」
頭を下げる。
「そんな、気にしてないですよ。」
「こちらこそ、女性の前で急に服を脱ぐなんて、驚かせてしまいましたよね。デリカシーが足りませんでした。」
申し訳なさそうな、永瀬さん。
――やっぱり、いい人だ。
記憶がなくなっても、永瀬さんは永瀬さんらしい。
元の優しい性格は変わってなかった。
記憶喪失になったと聞いた時、
これをきっかけに三年間の片思いを諦められるかも、なんて思っていたけど……、
記憶を無くす前より、話すようになった今。
困ったな。
……私、惚れ直しているかもです。




