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転生したのでレアアイテム集めたい…えっヒロイン退場してしまいました  作者: 5H


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458/465

458 総合戦術演習 護衛

今日は、特級クラスの生徒たちが総合戦術演習の教室に集まっていた。


いつもなら、この時期の実戦授業は訓練場から始まる。しかし、今年は違った。


教壇に立っていたのは、実戦担当教員のウォールと、その補佐を務めるヴァリアードだった。


ウォールは頭に生えた二本の角を指さした。


「私が実戦担当のウォールだ。見てのとおり竜人だ。ウォール先生でも実戦先生でも、好きに呼んでくれ。去年、ようやく『運命の番』が見つかってな。俺の番は少々嫉妬心が強い。悪いが、女性生徒はなるべく距離を取ってくれると助かる」


あまりにも気さくな説明に、生徒たちは顔を見合わせた。


「分かりました!」


明るい返事に満足したウォールは、隣に立つヴァリアードを見た。


「これから特級クラスの実戦演習は、ヴァリアード先生にも補佐してもらう。では、授業の説明を始めよう」


ヴァリアードが生徒たちを見渡した。


「今年一年の総合戦術演習では、四つの任務を通じて状況判断と仲間との連携を学んでもらう。

任務は護衛、救出、拠点防衛、情報収集だ」


黒板に四つの任務が示された。


「護衛では対象者の安全を確保し、適切な進路を選ぶ。

救出では危険区域にいる者を見つけ、安全に連れ戻す。

拠点防衛では限られた人員で守るべき場所を維持する。

情報収集では相手に気づかれず必要な情報を得る。

それぞれ求められる能力は異なるが、どの任務でも目的を正しく理解し、与えられた条件の中で達成することが重要だ」


ウォールが説明を引き継いだ。


「実際の任務では、十分な魔力を使えないこともある。

魔道具が使用できなくなる場合もあれば、予想外の事態に対応しなければならないこともある。

魔法の威力だけで解決できるとは限らない。自分の能力と魔力を把握し、仲間と協力することが重要だ」


ヴァリアードは生徒たちを見渡した。


「現在、学院では魔道具の使用を認めていない。

今回の演習でも、補助に入る協力者を含め、全員が魔道具を外しておくように」


続いて、協力者たちにも声をかけた。


「協力者の皆さんも同様です。今回は魔道具に頼らず、自分自身の能力で対応することを前提としています。身につけている魔道具は、すべて外してください」


ウォールも補足した。


「装備の確認が済んだ者から、担当区域へ移動してくれ。演習中も魔道具の使用は禁止だ。例外は認めない」


協力者たちは、それぞれ身につけていた魔道具を外し、指定された場所に預けた。


「今回は魔力量の差を考慮し、成績上位十三名とサンセールを含む十四名が午前に演習を行う。

残りの生徒は戦術講義を受け、休憩を挟んで午後に交代する。全員が実戦と講義の両方を経験できるようにしてある」


ウォールは続けた。


「最初の任務は護衛だ。護衛対象を制限時間内に安全区域まで移動させてもらう。

途中には妨害役を配置し、進路を塞いだり、別の方向へ誘導したりする。ただし、戦闘は禁止だ」


「妨害役が護衛対象に触れた時点で任務失敗となる。相手を倒すことではなく、対象者を守りながら時間内に安全区域へ到達することが目的だ。

周囲の状況を確認し、危険があれば進路を変更する判断も必要になる」


生徒たちは真剣な表情で説明を聞いていた。


やがて、前半の演習に参加する十四名が発表された。


ルノア、リシュー、ルル、アキ、サキ、サージュ、マシュー。


そして、フォル、ジュスト、ライルズ、ギルト、バルト、ダルト、サンセール。


協力者として、マクアリール公爵家の騎士団から五名、タスワンズ湖に滞在する竜皇国の騎士団から五名、リオンブラン王国からルルの護衛を務める蛇獣人の隠密リキが一名、ヨーリアン帝国から近衛隊十名が参加していた。


ウォールが生徒たちに説明した。


「実戦に参加する十四名は、女子七名と男子七名に分かれる。協力者たちは、それぞれのチームの妨害役を担当してもらう。

なお、生徒たちには協力者の所属を知らせていない」


協力者には、あらかじめ担当するチームが伝えられていた。


マクアリール公爵家五名とリキは女子チーム、それ以外の協力者は男子チームの妨害役を務める。


二つのチームは、それぞれ訓練区域の地図を受け取った。


そのとき、生徒の一人が手を挙げた。


「なぜ、二つに分けるのですか?」


ウォールは頷いて答えた。


「魔力量の差が大きいからだ。実戦では魔法を使うだけでなく、自分たちの身を守るための結界も必要になる。

今の段階で魔力量に大きな差がある者を同じ条件で訓練させれば、思わぬ事故につながりかねない」


ヴァリアードが説明を引き継いだ。


「魔力量の多い者に合わせれば、少ない者には負担が大きくなる。

反対に、少ない者に合わせれば、十分な実戦経験を積めない者も出てくる。

それぞれの段階に合わせて訓練する方が、全員にとって有意義だ」


ウォールは生徒たちを見渡した。


「ただし、これは今の実力に合わせた区分けにすぎない。これから魔力を増やし、自分を守る結界を維持しながら実戦を行えるようになることも目指してほしい。自分の身だけでなく、仲間を守り、任務を果たせるようになってこそ実戦で役に立つ。焦らず、着実に力をつけていくように」


生徒たちは真剣な表情で頷いた。


「では、まずは戦術の基本を確認する。護衛、救出、拠点防衛、情報収集。

それぞれの任務で何を優先すべきか、どのような状況を想定するかを考えてもらう」


ヴァリアードは黒板に示された四つの任務を指した。


「魔力や技術だけでなく、状況を見極めて判断する力も必要になる。

仲間の能力を理解し、それぞれの役割を生かす方法を考えることだ」


こうして、特級クラスの総合戦術演習が始まった。

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