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10年後に討伐される魔王   作者: うずまき
第1部 魔王就任編
9/103

第8章 火の国ブラスター

カズマサ「なぁマリー…ちょっと相談があるんだが?」


マリー「なんでしょう?」


カズマサ「この前使った魔王の力を封印する鎖を貸してくれないか?」


マリー「えぇ…」


カズマサ「何で引いてるの!?別にそういう使い方はしないから!!」



早いもので魔王就任から1ヶ月が経ち


カズマサはマリーに相談を持ちかけていた。


現在魔王軍は3軍団が別々に水の国、風の国、雷の国を攻撃している状態であり


絶妙な調整で互角の攻防となっていた。



4大国の最後の1つである火の国は他の3つと比べても強大であり


火の国の戦力を探るべく


カズマサは自ら潜入するつもりだったのだが


鎖の話だけではマリーのその意図が伝わらなかったようだ。



マリー「そういう事でしたら人間に変装すればいいのでは?幸い貴方は元人間ですし…」


カズマサ「いや…トラブルに巻き込まれたら魔王なのがバレそうでさ…」


マリー「なら私も同行しましょう…もし魔王城に何かあれば私のゲートで戻れば済む事です…」



人間に変装して火の国へと向かう2人


現在火の国ではとあるイベントによって多くの人間で盛り上がっており


適当な旅人用の服で済ませたカズマサに対して


マリーは白いブラウスと紺色の水玉スカートで綺麗に着飾り


社会人としての経験の差を見せつけられる結果となった。



カズマサ「(細い脚だな…声も可愛いし…天使としか思えん…)」


マリー「どうやら火の国ブラスターでは武術大会が開催されてるようですね…見に行ってみますか?」


カズマサ「武術大会か…面白そうだな…」



火の国ブラスター

女神マミを信仰とするこの国では更なる軍事力の向上を目指して武術大会が開催されており

火の国のみならず他国からも多くの人間が参加していた。


2人が会場であるコロシアムへと到着すると、どうやらまだ受付をしているようであり


転生前は柔道部に所属していたカズマサは


迷わず参加を希望した。



受付「参加をご希望ですね…お名前を…」


カズマサ「我が名は爆炎の騎士テスタロッサだ!!」


マリー「はぁ…?」


カズマサ「マリー…お前はどうする?」


マリー「え…?私みたいなか弱い小娘が参加しても対戦相手の方に失礼ですわ…」


カズマサ「(よく言うよ…か弱いのは見た目だけだろ…)」



お互いの言動に引きながらも受付を済ませるカズマサ


選手の控え室にて彼はマリーから魔王封じの鎖を借りて自らの手に巻き付け


魔剣を使わず市販されてる鉄の剣で参加するつもりだった。


コロシアムには16人の参加者が集まっており


王国兵士から旅の傭兵

更には明らかに凶悪そうなスキンヘッドの男など様々な参加者が揃っていたが


その多くは優勝賞金の100万ゴールドに目が眩んだ者達だった。



傭兵「うぅ…参った…」


カズマサ「ふぅ…身体能力の補正はそのままだからな…」



魔王としてのスキルや魔力を封印されてもカズマサの能力値はかなりのものであり


難なく1回戦を突破した彼は残る試合を客席から見届けた。


参加者の中には今のカズマサよりも強そうな選手も見られたが


そんな中


彼は1人の選手に目を奪われていた。



カズマサ「あの武闘家の子…どこかで…」



武闘家の少女マヤ


彼女は1回戦で自分より巨体の相手を華麗な投げ技でKOしており

カズマサは彼女の顔に既視感があった。


ピンクのツインテールと長い脚を強調するハーフパンツは観客の男達を魅了するのに十分な破壊力があり

彼女の脚を凝視していたカズマサにマリーの制裁が炸裂した。



マリー「神聖な武道の場に下心を持ち込まないでください!」


カズマサ「違うんだって!あの子…試合には勝ったけど脚が震えているように見えたんだ!」


マリー「震えてた…?」


カズマサ「あぁ…間違いない…」



続く2回戦


武道家の少女の様子が気になったマリーは、自身の左眼に宿る天使の眼を発動させ様子を観察した。


紫の瞳が赤く変わると視力や洞察力が数倍に跳ね上がり

カズマサの言う通り、マヤの脚は試合中に震えている事が確認された。



ベスト4に残ったカズマサの対戦相手はブラスター王国の騎士団長である騎士サーベラスとなり


真紅の鎧を纏った彼の実力は、魔王のスキルを封印されたカズマサと互角以上のものだった。



サーベラス「素晴らしい剣と魔法だ…どうだい?試合結果に関わらずブラスター王国の騎士団に入らないか?」


カズマサ「せっかくの誘いです が丁重にお断りします!!」



一進一退の攻防


剣の腕ではサーベラスが上だったが魔王としてのプライド…そして何よりマリーの前で無様な姿を見せるわけには行かないカズマサは勝利への執念で彼を上回り


必殺の魔法剣が炸裂した。



カズマサ「フレイム!セイバー!!!!」


サーベラス「!?」



剣に炎を纏わせる魔法剣フレイムセイバー

そのスキルは魔王補正では無く彼自身の固有スキルであり


本来ならば魔剣の所有者にしか使えない必殺技に

サーベラスは敗北する事となった。



サーベラス「参った…完敗だよ…!君…名前は?」


カズマサ「我が名はテスタロッサ…爆炎の騎士だ…」


サーベラス「私は騎士団長サーベラス…君とはまたいつか剣を交えたいな…」



歳は20代後半くらいだろうか…

試合に負けたサーベラスは笑顔でカズマサを讃えて退場していった


間も無く準決勝の第2試合が始まるはずだったが


カズマサが客席に戻ると


観戦していたはずのマリーが姿を消していた。




明日の投稿は

少し時間がずれるかもしれません(>_<)

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