ITエンジニアの60%が燃え尽き症候群になる
ちょっと驚く話を読んだものだから、それについて書く。ひょっとして、そうだったらたいへんだなあと思ったけど、やっぱり、そのたいへんなことが事実であるようだ。それはITエンジニアの燃え尽き症候群である。
トランプの関税騒動などどうでもよい。もっと本質的な問題は、世界的に進行するIT化である。世界中にネットワークが張りめぐらされ、それらはハッキングをくり返し、セキュリティを脅かしつづける。あらゆる産業がコンピュータを使わなければ仕事ができなくなりつつある。読み書き算数を同じ媒体で通信し合うためである。また、画像や動画の通信も重要だ。ウィキペディアの膨大な百科事典は簡単に詳細な知識を手に入れることができる。
これにさらに人工知能の活躍が始まった。人工知能は大学受験の能力は学歴社会の頂点に到達している。
我が国の産業の15%はIT企業だ。IT企業はどんどん重要さを増し、この比率はさらに拡大していくことだろう。
1996年に大学に入学した私であるが、選んだのは経済学だった。誰がどう考えても、コンピュータに関わることが重要な仕事のはずの時代だったのに。それでも、コンピュータ業界を選択しなかった。2001年に就職した。コンピュータ会社には就職しなかった。誰がどう考えてもコンピュータに関わることが重要な仕事のはずの時代だったのに。
コンピュータ業界に行った連中はどうなっていたのだろう。毎日、プログラムのコードを書き、IT土方として働き、心身の限界にまで仕事に励んだのだろう。彼らはやはり、たいへんな仕事をしていたのだ。果たして、これを読んでいる人で、ちゃんと動くコードが書ける人がどれだけいるだろうか。世界中のコンピュータを動かすために、ITエンジニアはコードを書きつづけた。そして、ITエンジニアの60%は燃え尽き症候群になったのだ。
我が国のITエンジニアの人数は132万人だ。労働者人口の2%だ。いろいろな人がいるだろうが、60%も燃え尽き症候群になるITエンジニアに尊敬の思いを持っていたいと思う。
問題はこれからだ。2025年までの20年間もコンピュータ業界にとって重要な時代だったといえるが、2025年からの20年間はコンピュータ業界にとってさらに重要な時代になるといえる。これからの20年間でITエンジニアが何を成し遂げるかは人類の歴史を大きく変えるだろう。ちょうど、本当かどうかはわからないが、2045年は技術的特異点の年だとされているしね。
60%が燃え尽き症候群になると聞いて、ITエンジニアを志願できるだろうか。しかし、それでも、志願する人は強く求められている。彼らに相当な見返りがあるだろうか。
ITエンジニアの世界。天才エンジニアの伝説を聞き、尊敬と不満をぶつけ、世界の理不尽に笑い泣く世界。
60%のITエンジニアが燃え尽き症候群になったという事実は、一度、よくかみしめておかなければならないと思っている。それでなければ、二十一世紀という歴史が見えて来ないと思う。




