057:祝賀会③・ベル○イユのバラバラ?
実に、9ヶ月ぶりの更新…皆様お待たせ致しました。
とは言っても、待ってて下さった方が、いるのかどうか…いたら本当にごめんなさい。
ちなみに、更新が止まったのは、去年の10月末に『改稿しよう』と思い立ったのが原因でした。
しかし、改稿してみたら内容が若干変わってしまって『何か話に乗りきれない…』と、創作意欲がそがれて、長らく放置状態になったのです。
マジな話、もうこの話書けない…と一度は筆を折ろうかと思ったのですが、途中で終わる話って読む方にとっては辛いんですよね。
自分でも、なろう様の小説を読んでいて、何度涙を呑んだ事か…
なのに、自分で中途半端なところで終わる話を作るなんて、やはり自分が許せません。
そこで、初心に立ち返り完結を目指す事にしました。
改稿は、30話くらいまで行きましたが、そちらは自分でも納得のいかない出来なので使わず、現在のストーリーを続けます。
少々更新スピードは落ちますが、週1回更新を目指していきたいと思います。
こんな作者で申し訳ありませんが、おつきあいして頂けるなら幸いです。
「…いつ見ても壮観ですな」
「…これって壮観なんてレベルなの?」
「…それよりは豪華じゃないですか?」
「…どう見ても成金パーティーでしょ?」
上の台詞は、祝賀会の会場に入った、デニス・マリー・フィリップ・エリザベスの言葉である。
そう、会場は各国の要人達が、豪華絢爛に装って、会場を泳ぎ回っていたのである。
「しっかし、この世界って男性も派手に飾り付けるのね~」
マリーの目が釘付けになっているのは、ひときわ目立つマントをはおり豪華な羽根飾りの付いた帽子をかぶった、何処かの国のおじ様…not王子様!だった。
しかしデニスとフィリップの2人は、マリーが目にしている人物を見て微妙な表情をし
「あ、あの方は特別だと…」
「あれってK国の流行モノ好きって言われてる自称・王弟殿下じゃないか?」
「そ、そうです!フィリップ殿、しかし…よく知ってらっしゃいましたね?」
「あ~知ってるって言うか…あの人が前国王の衣装に『地味な装いですね、お国の流行ですか?』ってケチ付けたせいで、前国王が着道楽に走ったって聞いてさぁ~どんなセンスかな~って顔見に行ったんだよね~」
「なっ!じゃあ…借金地獄の半分はあいつのせい!?」
「ある意味では、そうかもしれませんね~あの方はファッション界のリーダーを自負してらっしゃいますから…前国王様の白黒ファッションはお気に召さなかったと思います。」
「ええ~あんな派手派手よりは良いと思うけど…でも、この祝賀会の衣装って、みんな派手だからあれくらいでも良いのかな?」
「あの方の国は、被服産業の盛んな所ですから…皆さんあの方の衣装を真似ているんだと思います。
そして…たぶんあの殿下がお召しになっている衣装が、この次の流行になるんだと思いますよ?
どちらかと言えば、派手好みな方ですからフィリップ殿やオリバー殿は絡まれないようにお気を付け下さい。」
「げー!!彼がマネキンなの?じゃあ同伴している女性のドレスも先取り衣装?
うっわ~デコレーションケーキみたいなアレが来年流行るんだ~
ん???、ちょっと待って!フィリップあなた、さっきあの人になんか変な名称付けてなかった?」
「ああ~≪自称・王弟殿下≫?」
「そう!それ何?あの人…王弟じゃないの?かたり?」
「あ~いえ間違いなく王族ではあるんですが…
何と言いますか、その~、エリザベス殿の逆パターンと申しましょうか…
なので、厳密には王弟ではなく王妹殿下になりますね~」
「は????王妹って、女ぁ~嘘ぉ~~~!!
だって!どこから見てもおじさん…」
「「しぃ~~~~~!!」」
「マリー様!!もっと小さな声で!」
「ああ、ゴメン!でもあの人どう見ても男でしょ?」
「えっと…昔のK国では、後宮内でのもめ事って言いましょうか、王様の力不足って言いましょうか…取りあえず、海より深~い事情がございましてね~」
「なによそれ~」
「オリバーどうしたの?さっきから黙り込んじゃって…」
「…の…く…そ…ババ………」
『『『ひぃ~~~~お、鬼が!鬼がいる!』』』
「あ、あの~エリザベス…じゃなかったオリバー…どうかしたの?」
「……………」
『な、何か…ヤバくない?』
『ハイ、魔術師長から危険な空気が流れてきてます…』
『あの~そう言えば…エリザベスが素で男言葉を使ったら避難しろって、この間ジョージが言ってた様な…』
『何フィリップ、それどういう事?何でジョージが、エリザベスのこと詳しいのよ!』
『はあ…何でも、幼なじみらしいですよ?』
『『えええええ~~~!?』』
「ちょっと何よ!人の横でごちゃごちゃ煩いわね~」
「エ、エリザベス…じゃなかった、オリバー元に戻ったの?」
「は?元に?ああ!少し昔の事を思い出してたから…トリップしてたかしら?」
「ま、トリップって言えばトリップしてたけど…ちなみに昔の事って?」
「ええ!昔…まだ私が紅顔な美少年だった頃に、あのクソババア…もとい金ピカ殿下が、私のファッションにケチを付けてくれてね~」
「「「…厚顔な…」」」
「紅顔よっ!紅顔!!何言ってんのよあんた達、失礼しちゃうわね~
ま、あいつってば、妹に振られた腹いせに私に八つ当たりしたのよね~」
「は?あんた、妹なんかいたの?」
「あら?この前会った時、妹だって言わなかったかしら?」
「え?誰の事よ」
「この前、一緒にお茶したでしょぉ~クララよクララ!」
「は?クララ?…クララって…まさかジョージの奥さん?」
「当たり前じゃないの、あたしに似て美人だったでしょぉ~」
「「「………ええっ~~~!!!」」」
確かにクララは美人だった。
しかし、どちらかと言えば小柄で華奢な感じの美人であり、エリザベスのがっしり系とは、似てもにつかなかった。
思わず、『嘘だろ~』反論しかけた3人を攻める者はいまい。
「何?何か文句あんの?」
「い、いや~文句はないけど…もしかして妹とは腹違い?それとも養女?」
それでもまだ他人説に食い下がるマリー、彼女もやはりただ者ではない。
「失礼しちゃうわねっ!本当に兄妹よっ!!」
「で、でもあんたとクララって、一言も喋らなかったわよ?」
「そりゃ~そうよケンカ中だもの!」
「「「は?ケンカ中?」」」
なんじゃそりゃ?と思った3人だったが、次のエリザベスの言葉にずっこけた。
「ええ!あいつってば私が狙ってた男を横からかっさらったのよ!」
「えっと、まさかと思うけど、それってジョージの事?」
「そうよ!」
「まさか…あの2人が結婚してからずっとケンカしてるの?」
「そ!」
確か、ジョージが結婚してから何年という単位の時間が経っているはず…
それでも根に持っているのがエリザベスらしいっちゃらしいが、3人は同時にこう思った。
『『『うわ~執念深~い』』』
「ま、そんな事は良いわ、今はあの王弟殿下よ~あいつって、可愛い女の子見たら必ず手を出すから気を付けないと不味いわよ~」
そうエリザベスはマリーを見て注意する。
「げ~あいつってそんな趣味なの?でも私じゃあ範囲外でしょ?もう年だし…」
「は?マリー様、問題ないわよ~その外見なら十分10代で通じるから~」
2人の問答を呆然と聞いていたフィリップとデニスだったが、
『『やばいよ、あの殿下ロリか!?』』
と青くなったところで、マリーに睨まれ撃沈した。
「あんた達、今…失礼な事考えてたでしょ?」
「あ?い、いいえ~」
「そうですよ、何も考えてません!!」