033:爆弾投下
とりあえず、外務大臣には案件保留で帰ってもらい、出来れば宰相に相談したいので、副宰相に、宰相の仕事を変わらせ、ついでに近衛将軍には、女官長を呼んできて貰った。
話を聞いた宰相も、外国からの要請文には、流石に頭を抱えてしまい、横にいた近衛将軍に『何で、こう馬鹿な奴が、次々と…』と愚痴っている。
女官長は女官長で、手紙を読みながら
『マリー様に釣り合う方がいらしたかしら~』と、
「この方は独身、この方はバツ2、確かこの方は異性関係で揉めていて…」
等と選別しだしている。
そんなとき、ふと何かに気づいたように宰相が、爆弾を投下した。
「そう言えば、今まで聞きそびれていましたが、マリー様あちらに恋人は?」
ぶっ~~~~!
「ヨ、宰相いきなり何?」
お茶吹き出しちゃったじゃない!!
「いえ、ですから、マリー様はこちらに来てから、ほとんど向こうの話をなさらないので分かりませんが、恋人はいらっしゃらなかったのかな?と…」
「ああ~まあ恋人は、いなかったわね~」
「おお!それを聞いて安心しました!」
「は?何で恋人がいないと安心なの?」
いきなり話が変な方向に向いてきたが、一応どう言うつもりか聞いておくことにして、宰相達の話に乗ってみた。
「いえね、昔…9代目でしたかな?その召還された国王様には、召還前に最愛の恋人がいらっしゃって、生涯結婚なさいませんでしたから…」
「ああそう~」
そうゆう事で心配された訳か…
あながち間違ってはいないんだけど…
「ま、恋人がいらっしゃらなかったのなら、後宮の行儀見習い希望者は問題外としても、この方達や今後出てくる求婚者の中から、良き方を選んでいただけると私たちも嬉しいのですが…」
「ん~~~ゴメン!無理だわ~それ…」
私としては、思うところがあるからそう言ったんだけど、
その言葉をどう取ったのか…
「え?まさか、魔法使いのように同性にしか興味がわかないとか!?」
と宰相が、いきなり突拍子もないことを言うので、
「なっ!違うわよ!!!!」
全力で否定させて貰ったわ!!!!
いきなり、あの変態と同類あつかいとはっ(怒)
君たち、私と1ヶ月以上一緒に仕事してて、分からなかったって言うのかい?
だいたい、変態と同類だったら、見たときあんなに驚かないわよ!!
「うわー!脅かさないでくださいよ!!!!一瞬鳥肌が立ちました!」
横で、近衛将軍が腕をさすりながら身震いして言う…
この人マジで、おねえ系が苦手なんだね
「じゃあ取りあえず、まともな花婿希望者が来たら、会っていただけますか?」
一応、宰相も意見は聞いてくれるらしい。
「悪いけど、それは断って」
「どうしてですか?中には『真剣です』って人がいてもですか?」
と、近衛将軍が訴え、それまで書類を見ていた女官長も、
「マリー様は24歳と、お聞きしました。結婚はまだ早い…とは言いませんよね?」
と、こちらを見ながら真剣に聞いてくる。
「うん、言わないよ」
「「「それなら、どうして?恋人はいなかったんでしょ!?」」」
「うん、恋人は、ね…」
「「「じゃあ!良いじゃないですか!」」」
「いや~そう言われてもね~旦那は、いたから…」
「「「はあ!?」」」
「ああ~私、結婚してるから、旦那さん持ち!」
「「「え?えええええええ~~~~~~!!!!!」」」