3ー1
あたしたちは日常的にパリピでいるわけじゃない。
髪の色がほかの人より明るいとか、化粧してるとか、スカート丈が短いだとか、そんな理由でパリピと呼ばれている。
それでもって趣味は渋い。
「みっちぃや、今年も編み物の季節がやってきたわね。ぐひひひひっ」
そう、あたしとみっちぃがハマっているのがかぎ針編みのあみぐるみ作りなのである。
べつに夏に作ってもいいんだけど、暑い時に毛糸触るの抵抗あるし、なにより頭の中が熱くて集中できないじゃん?
そんなわけで、あたしたちは最近流行りのゆるキャラをどう編んだらあみぐるみになるのかの作戦を練り上げる。
「やっぱり基本は細編みなんだよね。でもさぁ、あたし最近レース編みにハマってて。ガーデン作ろうと思ってるの」
みっちぃの口から意外にも大作が飛び出したものだから、あたしは驚いた。
「あとバッグとかも作ってみたいよねぇ。涼しくなると編み物愛がとまらないんだわ」
あたしの言葉に、みっちぃがこくこくと頷いた。
「わかる。暑いうちは毛糸に触れたくないんだよね」
「脳内的にもやっぱり秋の夜長は編み物でしょ」
そうして二人して、今度は棒針編みにチャレンジしてみる? なんて相談までしている。
一本の糸からあみぐるみができたり、洋服や小物類まで作れるのって、やっぱりすごいことだよね。
そんな話をしていたら、ゴローと碧がやってきた。
「今日帰りにカラオケ行かない?」
「行く〜っ!!」
あたしは元気よく答えた。
カラオケは日本の文化として定着したけど、やっぱりたのしいことはなんにもあきらめたくない。
なんならカラオケやりながら編み物もできるし、ヨーヨーだってやってるかもしれない。
あたしたちは今という時間を有効に使っているのだから、たのしいことしかしたくないっ!!
そのためにも、テストで赤点なんか取ったりしない。
そこいらへんはきちんとしている。
だって、補習なんてしている時間がもったいないじゃない?
そんなわけで放課後のカラオケがとても楽しみになったのだった。
つづく




