世界の。違和感。
仕事が忙しく、不定期更新になりそうです、、、、。
▶︎ リオン・リヴァイア視点
(対練後半:レオン視点/最終段:神視点)
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### 朝
リオンは、いつも通り村の井戸で水を汲んでいた。
桶に水を入れ、両手で持ち上げる。
その瞬間、腕にかかるはずの重さが想像より軽いと感じた。
「……あれ?」
一瞬だけ立ち止まる。
桶の中を見る。
水は縁まで入っている。減ってはいない。
「気のせいか」
そう判断し、家へ運ぶ。
水が揺れるが、こぼれない。
途中、湖のそばを通ったとき、年配の村人が立ち止まって湖を見ていた。
「……水の音、今……」
その言葉は途中で途切れた。
リオンは聞き返されなかったので、そのまま通り過ぎた。
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### 修行場
修行場では、レオンが一人で三叉槍を振っていた。
肩の怪我は完全に塞がっている。
踏み込みも速く、動作に迷いはない。
「兄ちゃん」
声をかけると、レオンは振り向いた。
「来たか」
短く答え、槍を地面に突く。
「今日は何する?」
リオンが聞く。
レオンは少し考えた後、はっきり言った。
「対練だ」
「え?」
「お前とだ」
「………!」
「木槍でやる」
そう言って、足元にあった木槍を一本投げる。
リオンは受け取った。
軽い。
重さは知っている。
いつも使っている木槍だ。
「………?」
「集中しろ」
リオンがあまりにも呆けていると後ろから声がかかる。
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### 対練
「行くぞ」
レオンが踏み込む。
最初の突き。
速い。
リオンは反射的に後ろへ下がった。
槍先は胸の前を通過する。
「……」
レオンは何も言わず、すぐ次に動く。
横からの薙ぎ。
リオンは身体をひねり、肩を引く。
槍先が服をかすめるが、当たらない。
三撃目。
踏み込みがさらに深くなる。
レオンは確実に、リオンの動きを読んでいた。
それでも――当たらない。
「……?」
レオンは眉をひそめる。
四撃目、五撃目。
速度は上がっている。
間合いも詰めている。
だが、槍先が必ず数センチ届かない。
「おい」
レオンが声を荒げる。
「今、どう動いてる?」
「え?」
リオンは戸惑った。
「普通に避けてるだけだけど」
「違う」
レオンは言い切る。
「さっきから、俺の踏み込みに対して
半拍早く動いてる」
「そうかな?」
リオンは自覚がない。
六撃目。
レオンはあえて、動きを遅らせてから突いた。
――それでも、避けられた。
それから数度撃ち合っても、結果は変わらずレオンの技はことごとく避けられた。
午前の対練は一度もお互いの技は入らず終了した。
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### レオン視点
対練終了後、水を飲みながらレオンは確信していた。
おかしい。
自分の動きは読まれていない。
だが、結果として噛み合わない。
まるで、
リオンの身体が先に正しい位置へ動いている。
本人に自覚がないのが、なおさら異常だった。
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### 昼
昼の食事場。
リオンが座ると、自然と左右が空いた。
誰かが避けた様子はない。
ただ、無意識に距離ができている。
足元に猫が来た。
逃げない。
警戒もしない。
その場に座り込み、丸くなる。
「……なんだ?」
撫でると、ゴロゴロ甘えながらすぐに眠った。
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### 午後
リオンは湖のそばの岩に座った。
水音が一定だ。
強くも弱くもない。
しばらく座っていると、呼吸が整ってくる。
特別なことは何もしていない。
ただ、座っているだけだ。
立ち上がると、
湖の流れが一瞬だけ強くなったように見えた。
「気のせいだな」
そう判断して、その場を離れた。
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### 夜
布団に入り、すぐ眠る。
夢は見ない。
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### 神視点
その夜、神木の周囲で水流の再調整が行われた。
原因は単純だった。
周囲の環境が、
一人の存在に合わせて微調整され始めていたためだ。
対象は自覚していない。
危険行動もしていない。
よって、介入は行わない。
経過観察を継続する。
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