【第23話】クラス別大会模擬戦④
遂に、俺の番が来た。剣士のクラスの番だ。
ガストンがいなかったことでどうにも肩透かしを食らった気分はまだ抜けないが、それでも戦いは戦いだ。自然と気持ちが昂ってくる。
「俺、優勝してくる」
「ああ、やってやれアレン。」
初戦、2回戦……順調に勝っていく。いや、順調どころか余裕で勝っている。当然、斬撃は飛んでこないし、尋常じゃない反応速度で回避をされることもないからだ。
「……物足りない」
無意識に口からそんな言葉がこぼれていた。決して、他の剣士達が弱いわけではない。ラハル師匠の強さで俺の基準が遥かに高くなっているだけなのである。
そして、決勝まで来た。相手は、物静かな男だ。名前は何だったか、ただ……確か魔法剣士型だったはずだ。
「いい勝負にしよう」
「ああ、後悔のない戦いにしよう」
「もちろん。負けてやらねえ」
「そうか、私もだ」
なかなか言ってくれる。興が乗り、自然と笑みがこぼれる。
「始めッ!!」
開始の合図に合わせて、抜刀。躊躇も容赦もしない。相手に攻撃の機会も反撃の機会も与えさせない。自分で言うのは少々憚られるが、さしずめ攻戦一方といった感じだ。
取った。……そのはずだった。
「ファイアボール!」
「ぐッ!!」
至近距離、避けることは不可能。左手を犠牲にするほかなかった。
激痛、皮膚が灼ける感触……だが、模擬剣は止めなかった。
「優勝! アレン!」
優勝は、した。だがガストンには借りを返せなかった。どこか晴れない気持ちが残る。
「今治しますね」
「頼む」
レイラに治療してもらうことにした。
「やっぱり、アレンさんはお強いですね。クラス別大会の本番戦でも優勝しそうです」
「もちろん勝つさ!」
言われて感じた、そう、優勝は優勝だ。それに、ガストンには本番戦で勝てばいいのだ。
そう考えたら、むしろこんなところで止まっていられない。確実に勝てるようにならなければ。




